弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は、弁護人提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、ここにこ
れを引用し、これに対して、次のとおり判断する。
 ところで、本件記録を精査し、原判決を仔細に検討勘案すれば、原判示事実は、
原判決挙示の証拠により優にこれを証明することが出来、原判決にはいささかも事
実誤認の違法は存しない。
 <要旨>而して道路交通取締法第一八条第一項は、車馬又は軌道車が狭い道路から
広い道路に入ろうとする場合における所謂避譲義務を規定したものであつ
て、同条項所定の一時停車又は徐行は広い道路に在る車馬又は軌道車に進路を確実
に譲る手段たるに過ぎない。されば、仮に一時停車又は徐行したとしても、広い道
路に在る車馬又は軌道車に進路を譲らなかつた以上は、同条項に違反するのは論を
俟たない。原判決が、原判示事実に対して道路交通取締法第一八条第一項第二九条
第二号を適用したのは正にそのところであつて、いささかも法令適用の誤は存しな
い。所論は畢竟独自の見解であつて到底採用し難く、論旨はその理由がない。
 仍つて刑事訴訟法第三九六条に則り、主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 工藤慎吉 判事 草間英一 判事 渡辺好人)

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