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平成24年(行ク)第395号仮の義務付けの申立事件
主文
1本件申立てを却下する。
2申立費用は申立人の負担とする。
理由
第1申立て
処分行政庁は,申立人に対し,申立人が平成24年10月26日にした,同年
11月11日の集団示威運動(デモ)出発のためのα公園β門周辺の一時的使用
申請について,これを仮に許可せよ。
第2事案の概要
本件は,申立人が,処分行政庁に対し,東京都立公園条例(昭和31年東京都
条例第107号。以下「公園条例」という。)13条1項に基づき,東京都が設
置する都市公園であるα公園(以下「本件公園」という。)内のβ門とその周辺
(以下「本件申請部分」という。)の一時的使用の許可申請(以下「本件申請」
という。)をしたところ,処分行政庁から,これを許可しない旨の処分(以下
「本件処分」という。)を受けたため,本件処分は,本件申請に係る午後1時か
ら午後3時までの間,本件申請部分を申立人らが計画している集団示威運動とし
てのデモ行進(以下「本件デモ」という。)の集合場所・出発地点とすることに
特段の支障がないなど,正当な理由がないにもかかわらずされたものであり,集
会の自由及び表現の自由を不当に制約することになり違憲・違法であるなどと主
張して,本件処分の取消しを求めるとともに,本件申請部分の一時的使用の許可
(以下「本件許可」という。)の義務付けを求める訴え(当庁平成○年(行ウ)
第○号。以下,この義務付けを求める訴えを「本件義務付けの訴え」という。な
お,後記第3の1(4)参照)を提起した上,本件許可がされなければ,本件デモ
の集合場所・出発地点の確保ができず,表現の自由の行使の機会が失われるなど
申立人に償うことのできない損害が生じ,この損害を避けるためには本件デモの
集団示威運動許可申請等の準備の都合上,本件デモ実施予定日の1週間程度前ま
でには本件許可を受けなければならない緊急の必要があり,公共の福祉に重大な
損害を及ぼすおそれがあるときにも当たらない旨主張して,行政事件訴訟法37
条の5第1項に基づき,仮に処分行政庁が本件許可をすべき旨を命ずることを求
める事案である。
申立人の主張は,別紙2のとおりであり,相手方の主張は,別紙3のとおりで
ある。
第3当裁判所の判断
1疎明事実
一件記録によれば,以下の各事実が一応認められる。
(1)当事者等
ア申立人は,平成23年9月に成立し,数次にわたり,原子力発電所の再
稼働等の反対を政府等に訴える集団行進又は集団示威運動を主催してきた
A連合(首都圏でデモ等を主催している個人・集団の連絡組織。以下「本
件連合」という。)に所属しており,本件デモの主催者となったと主張し
ている者である。(疎甲2,3)
本件連合は,①平成24年3月11日には「B」との名称で,②同
年7月29日には「C」との名称で,それぞれ大規模なデモを主催し,実
行した(申立人は,①につき約1万4000人,②につき延べ約20万人
が参加したと主張・供述している。疎甲2)。
なお,本件連合の代表者は,①について,α公園サービスセンター長
(以下「本件センター長」という。)に対し,本件公園のγ門につき一時
使用したい旨の公園地一時使用届出書を提出し,同年2月28日,東京都
公安委員会に対し,参加予定人数を1000人,集合場所を本件公園γ門
とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を提出し,同年3月9日,
一定の条件が付されてはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動
の許可を受け,②について,同年4月23日,本件センター長に対し,参
加人数約1000人でデモ行進出発のため,同年7月29日午後3時から
午後3時30分までの間,本件公園のγ門につき一時使用したい旨の公園
地一時使用届出書を提出するとともに,同月23日,東京都公安委員会に
対し,参加予定人数を1万人,集合場所を本件公園γ門とするなどと記載
した集団示威運動許可申請書を提出し,同月27日,一定の条件が付され
てはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動の許可を受けた。
(疎甲2ないし疎甲8の2)
イ処分行政庁は,東京都公園緑地事務所長委任規則(昭和47年東京都規
則第171号)2項(3)号,東京都組織規程(昭和27年東京都規則第1
64号)別表三の8(3)に基づき,本件公園につき,東京都知事から公園
条例13条所定の物件を設けない都市公園の占用許可権限の委任を受けて
いる。
ウ公益財団法人Dは,平成21年4月1日に東京都から地方自治法244
条の2に基づく指定を受け,本件公園内にα公園サービスセンター(以下
「本件センター」という。)を設置して,本件公園の管理を行っている。
(疎乙9)
(2)本件処分に至る経緯
ア本件連合は,平成24年8月頃から,同年11月11日に「E」との名
称の大規模なデモ行進(本件デモ)を計画しており,申立人は,同年10
月26日付けで,処分行政庁に対し,「目的及び種別」につき「集会(デ
モ出発のための一時使用。集合状況をみつつ順次デモ出発)」,「承認希
望日時」につき同年11月11日午後1時から午後3時,「使用希望施
設」につき本件申請部分(その範囲につき,争いがある。),「参加人員
の詳細」につき予定人数1万人などと記載した,使用承認申請書を提出し
て本件申請をした。(疎甲1)
なお,申立人は,本件連合に所属する者が,平成24年9月6日,本件
センターの職員に,本件申請部分を本件デモの集合場所・出発地点として
使用の可否の打診をしたところ,上記職員から,公園地一時使用届出書の
新規受付はできないとの対応をされ,その後,この対応に変更が見られな
かったことから,本件申請をしたと主張している。(疎甲2)
また,本件申請部分の範囲について,申立人は別紙2の平成24年11
月2日付け主張書面(3)に記載された部分であると主張しているが,相手
方は別紙4の⑤部分であると理解している。(疎乙11)
イこれに対し,処分行政庁は,平成24年10月31日付けで,本件申請
につき,公園管理上の支障となるため許可しない旨の本件処分(○東公管
第○号)をした。(疎甲13,疎乙1)
(3)本件公園の現況及び使用状況等
ア本件公園には,園内にδ(収容人員2074名)及びε(収容人員3
114名)の2か所の集会施設が設置されているほか,第一花壇,第二
花壇,小音楽堂,大噴水等からなる園地,周辺道路に面した各門と園
地・園内各施設への往来のための動線である園路が設置されており,本
件申請部分であるβ門は園路から園外に通じる部分にある(別紙4参
照)。(甲19)
β門は,ζ通り道路やF株式会社の地下鉄η線θ駅地上出口に面して
いる。
イ本件公園の平成24年11月11日の使用状況は以下のとおりであ
る。
(ア)δ及びε
両施設ともに別件の集会のため,終日使用の予約がされている
(別紙4の①及び②参照)。(疎乙9,10)
(イ)別紙4の③の園地部分
農林水産省及び財団法人G主催の「H」との名称の催事とI主催
の「J」との名称の催事(以下「本件催事1」という。)が,午前
10時から午後4時までの日程で併催される予定である。
本件催事1では,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまら
ず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験等も予
定されている。
(以上につき,疎甲17,18,疎乙9)
(ウ)別紙4の④の園地部分
K連盟,東京都及び千代田区主催の「L」との名称の催事(以下
「本件催事2」という。)が,平成24年11月1日から同月23
日までの午前10時から午後4時の日程で開催される。
本件催事2では,菊花約2000点を展示して一般客の観賞に供
し,菊花の苗の販売も行われる。
(以上につき,疎甲20,疎乙9)
(4)本件申立て及び本訴の提起
申立人は,平成24年10月30日,本案訴訟を提起し,本件申立て
をした(なお,申立人は,本案訴訟の訴状において,主位的請求として,
処分行政庁が本件申請についての処分を相当期間内にしなかった不作為
の違法確認の訴えと申請型義務付けの訴えとしての一時的使用を許可す
る処分の義務付けの訴えとを併合提起し,予備的請求として,非申請型
義務付けの訴えとしての一時的使用を許可する処分の義務付けの訴え
(非申請型義務付けの訴え)を提起していたが,その後,本件処分がさ
れたため,主位的請求に係る不作為の違法確認の訴えを本件処分の取消
しを求める訴えと交換的に変更する旨の訴えの変更の申立て(行政事件
訴訟法7条,民事訴訟法143条1項)をし,予備的請求を取り下げ
た。)。
2本件義務付けの訴えにつき「本案について理由があるとみえるとき」に当た
るか否かについて
(1)行政事件訴訟法は,執行停止においては,積極要件として「重大な損害
を避けるため緊急の必要があるとき」(25条2項)との要件を,消極要件
(執行停止が否定される要件)として「本案について理由がないとみえると
き」(同条4項)との要件を定めているのに対し,仮の義務付け及び仮の差
止めにおいては,積極要件につき「重大な損害」に代えて「償うことのでき
ない損害」を規定するとともに,「本案について理由があるとみえるとき」
をも積極要件とし(37条の5第1項,2項),執行停止よりも厳格な要件
を定めている。このように,仮の救済の制度の中でも,仮の義務付け又は仮
の差止めにつき,より厳格な要件が定められているのは,これらが,実質的
には本案訴訟の裁判と同様の内容を仮の裁判で実現するものであることによ
ると解される。
そうすると,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があ
るとみえるとき」の要件が認められるためには,仮の義務付けの裁判の時点
において,本案について理由が多少なりとも存する可能性があるといった程
度では足りず,積極的に,本案について理由があると認め得る蓋然性がある
ことが必要であるものと解される。
以上の観点から,本件義務付けの訴えについて,「本案について理由があ
るとみえるとき」に該当するか,以下検討する。
(2)本件公園は,都市公園法及び公園条例に基づき相手方が設置している都
市公園であり,一般公衆の使用に供するための公共施設(公共用物)であっ
て(都市公園法1条,公園条例1条,なお,地方自治法244条参照),本
来,公衆は,他人の共同使用を妨げない限度で,その用法に従い,許可等を
要せず,例えば散歩等に自由に使用することができる(このような使用を一
般使用ないし自由使用という。)。
しかし,公共用物の使用であっても,基本的にはこの自由使用の範疇に属
するが,その範囲を超えて他人の共同使用を妨げたり,公共用物の管理に支
障を及ぼしたりするおそれや,公共の秩序維持に支障を生じさせるおそれが
ある使用がされる場合には,公共の秩序維持に対する支障を未然に防止し,
又はその使用関係を調整し,公共用物の管理に支障を及ぼすことを防止する
必要があることから,そのような使用を一般的に禁止,制限した上で,特定
の場合に申請に基づく許可によって禁止を解除してその使用を許すこととさ
れ(このような使用を許可使用という。),さらに,公共用物の本来の用法
を超え,特定人に特別の使用権を設定する場合には,いわゆる特許としての
許可が必要とされることになる(このような使用を特許使用という。)。都
市公園法6条1項は,公園施設以外の工作物その他物件又は施設を設けて都
市公園を占用しようとするときは,公園管理者の許可を受けなければならな
いとしているが,これは後者の特許使用の許可に当たる。これに対し,都市
公園法18条を受けて定められた公園条例13条1項は,物件を設けないで
都市公園を占用しようとする者は,東京都規則の定めるところにより申請し,
知事の許可を受けなければならないと定めているが,物件を設けない占用に
ついては,その占用使用が自由使用の範疇に属する許可使用であるのか,自
由使用としては許されない特許使用であるのかの判定は必ずしも一義的に明
らかとはいえない。公園条例及び東京都立公園条例施行規則(昭和32年東
京都規則37号)は,物件を設けないで都市公園を占用する場合については,
具体的な許可基準を特に定めていないが,これもその占用の態様によってい
ずれの性格を有する場合もあり得るためと解することができる。
本件では,集会のための使用が問題となっているところ,このような使用
は公園の本来の用法の範囲内のものということができるから,そのための占
用許可は許可使用に対する許可と解され,使用関係の調整,公園の管理に支
障を及ぼすことの防止又は公共の秩序維持に支障が生ずることの防止の観点
から許否が判断されるものというべきである。
そして,使用関係の調整又は公園の管理に支障を及ぼすことの防止の観点
からの許否の判断については,集会の用に供される本件公園の管理者におい
て,本件公園の公園としての性格に応じ,また,その規模,構造,設備等を
勘案し,公園としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使
すべきところ,これらの点からみて使用を不相当とする事由が認められるか
否か,これが認められない場合には,使用の希望が競合するなど使用関係の
調整の必要があるか否かを具体的に検討すべきである。
本件公園は,地方自治法244条にいう「公の施設」であり,相手方は,
正当な理由がない限り,住民がこれを利用することを拒んではならず(同条
2項),住民の利用について不当な差別的取扱いをしてはならない(同条3
項)。また,集会を目的とする利用を公園管理者が正当な理由もないのに拒
否するときは,憲法の保障する集会の自由の不当な制限につながるおそれが
あるから,公園の管理に支障を及ぼすか否かの判断は,公園管理者の自由裁
量に属するものではなく,客観的事実に照らして具体的に明らかに予測され
るかどうかという観点から行われるべきである。
東京都建設局長は,公園条例に基づく許可の審査基準を定めており,その
うちの13条1項の物件を設けない占用の許可の審査基準の中で,集会のた
めの公園地の占用の許可申請があった場合の審査基準として,①「当該公
園に集会が可能な広場があること」,②「集会が,公園管理上及び公園周
辺に特に支障を与えるおそれがある場合は許可しないことができる。」と定
めているが(疎乙7),これらの審査基準は,集会の自由が憲法上の重要な
基本的人権であることなどを踏まえつつ,前者については,物理的な可能性
や使用関係が競合する場合の調整の面から利用可能であることを要求してい
るものであり,後者については,公園内で集会が開催されることによって,
上記のような観点からみて公園管理上の支障が生ずる場合や公園周辺で人の
生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれると
いう具体的危険が生じる蓋然性がある場合には許可をしないことができると
しているものと解することができ,このような解釈を前提とすれば,上記審
査基準に基づいて許否の判断をしても憲法21条に違反するものではないと
解される(申立人は,最高裁平成元年(オ)第762号同7年3月7日第三
小法廷判決・民集49巻3号687頁等を本件の参照判例として挙げ,集会
の自由の制約は,人の生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共
の福祉が損なわれるという明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見で
きる場合に限られると主張するが,これらの事案は,当該集会を開催してい
る公共施設で利用関係の競合がなく,当該利用者の対立グループが存在する
以外に当該公共施設の管理に支障を及ぼす事情もない中,当該利用者の集会
の自由を制約し得るかが問題となったものであり,本件公園内の大部分につ
き利用を予定している者が既に存在している本件とは前提を異にするものと
いわざるを得ない(もとより,集会の自由が重要な基本的人権であることに
鑑みて,慎重・厳格な審査をすべきであるとの点について異論を差し挟むも
のではない。)。)。
(3)そこで,以上の観点から本件をみるに,本件申請に係る日時においては,
本件公園内の各施設は,全てその使用が予約されているところ,申立人が指
摘するι広場及びκ道路については,収容能力,形態等からして,そもそも
本件申請部分に含まれていたとは直ちには理解し難いところ,この点をおく
としても,1万人という参加予定人数を前提とするとその収容能力を超えて
いるといわざるを得ず,上記審査基準①に照らし,本件公園に本件デモ出発
のための集会が可能な広場は認められない。
次に,本件申請に係る午後1時から午後3時の時間帯を含めて,本件公園
内のδやεは,別の集会において利用予定であること,比較的広大な別紙4
の③の園地で本件催事1が,別紙4の④の園地でも本件催事2がそれぞれ開
催される予定であることがそれぞれ認められるところ,これらの園地内の催
事は,菊花の展示・鑑賞,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまら
ず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験をすることも
予定している大規模なものであって,本件申請に係る午後1時から午後3時
の時間帯には,一般の公園利用者に加えて上記催事を目的とした相当多数の
集客や関係車両の頻繁な往来が具体的に見込まれ,本件公園内の園路上はも
とより,周辺道路や地下鉄駅の地上出口と本件公園の間の円滑な往来を十分
に確保する高度の必要性が認められる。
他方,申立人は,本件デモの参加予定人数を1万人として本件申請をし
(なお,甲10では100万人で国会議事堂等を包囲するとされている。),
正確な参加人数は不明であるものの,これまで2回にわたり,数千人から数
万人規模のデモを主催してきたことからすると,本件デモについても,少な
くとも数千人以上は本件申請部分を集合場所として集合し,β門やその付近
の園路に本件デモの参加者が殺到して雑踏が生じ,最悪の場合は本件申請部
分が閉塞される具体的危険性も認められる上,その使用場所の北端付近には,
別紙4の⑤のとおり,休日においても往来の多いλ通り道路に面したμ門や
ξ門が位置しており,上述のとおり本件公園内に生じた雑踏により,円滑な
園路通行を阻害することになり,最悪の事態として,園路上において関係車
両との交通事故が生じる具体的危険性も認められる(なお,別紙4の図面上,
β門付近の園路にはバイパスとなる園路も認められるが,これらは狭隘であ
って,1万人以上の規模の本件デモ参加者や利用者の円滑な往来を保障する
に足るものとは認め難い。また,仮に申立人が主張するように本件申請部分
付近が閑散としていたとしても,別紙4にあるように,園路は,本件公園の
各門とつながっているから,1か所でも雑踏を生じさせれば,上記説示の具
体的危険性が見込まれるといわざるを得ない。)。
そうすると,参加予定人数を1万人とし,本件申請部分を使用場所として,
本件デモの集合場所・出発地点として使用する本件申請については,客観的
事実に照らして公園管理上の支障が具体的かつ明らかに予測されるというべ
きであり,上記審査基準②にも該当するものというべきである(なお,申立
人は,これまでのデモで本件公園の別の門を集合場所・出発地点とした際に
は,混乱等がみられなかった旨を主張するが(疎甲21の1・2),疎乙1
2によれば,平成24年7月29日に行われたデモの際には,警察官も本件
公園π門付近で,デモの警備を行っていたものの,π門付近の千代田区立σ
館の入口付近で同館利用者や公園の一般利用者の通行が阻害されるなど混乱
が生じたとされている上,参加予定人数を1000人から1万人程度と見込
んでいた従前のデモと当初から1万人以上を参加予定人数と見込んでいる本
件デモとでは,上記危険の程度は異なるというべきであるし(当日の本件公
園内の他の催事の規模によっても異なり得る。),本件申請の際に,「集合
状況をみつつ順次デモ出発」,「車両・一般人の通行確保等のため,警察と
も協議し要員配置」とある程度で,具体的な警備態勢も明らかでなく,混乱
等を防止する具体的な態勢も整備されているとは認められない中では,上記
具体的危険が解消されると認めるには至らないから,上記申立人の主張は理
由がなく,採用することができない。また,申立人は,本件申請部分の範囲
は別紙4の⑤部分とは異なるとも主張しているが,疎乙9,11によれば,
申立人において,本件申請の際に,処分行政庁に対して,図面等をもって本
件申請部分を申立人主張に係る部分と特定する説明をした形跡は特に認めら
れないし,参加予定人数と本件公園内の施設の収容能力,形態等から,使用
承認申請書にいう「α公園β門とその周辺」から想定される本件申請部分を
別紙4の⑤のとおりと判断したとしても,決して不合理とはいえない。仮に
本件申請部分が申立人の主張のとおりであったとしてもβ門付近の園路やξ
門付近の園路や広場を使用するものであり,上記説示の園路と各門の経路に
鑑みれば,β門付近1か所でも雑踏が生じた場合,上記具体的危険性が見込
まれるとの認定を覆すに至るものとはいえない。)。
以上からすると,本件申請につき公園管理上の支障があるため許可しない
とした本件処分は適法ということができ,これが取り消されるべきものであ
ること(本件義務付けの訴えの訴訟要件(行政事件訴訟法37条の3第1項
2号))については疎明がされていないといわざるを得ず,本件義務付けの
訴えにつき,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由がある
と認めるとき」の要件は満たさないこととなる。
第4結論
よって,その余の点(行政事件訴訟法37条の3第1項所定の本件許可がされ
ないことにより生ずる「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要」があ
るか否か,同条第3項所定の公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがある場合
か否か。)について判断するまでもなく,本件申立ては仮の義務付けの要件を欠
くから,これを却下することとし,主文のとおり決定する。
平成24年11月2日
東京地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官川神裕
裁判官佐野義孝
裁判官菅野昌彦

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