弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士高井吉兵衛の上告理由第一点について。
 原判決は、その挙示の証拠によつて、被上告人の所有に属する本件土地の前所有
者Dは右土地の上に戦前、十数戸(戦災により焼失)の貸家を所有し、上告人の娘
Eは罹災前からその内一戸を賃借し、上告人とともにこれに居住していた、との事
実を認定の上、上告人は罹災都市借地借家臨時処理法二条一項にいわゆる建物の借
主ではないから、上告人が判示賃借の申出をしたとしても、賃借権を取得すべき筋
合ではない、と判断しているのである。上告人は右法条にいう借主の意義はこれを
広義に解釈し、上告人のように借家人と親子関係にある同居人の如きものもこれに
包含するを相当とすべきであるとの見解の下に、原判決はこの解釈を誤つた違法が
あると主張する。しかし、右法条はそのいわゆる建物の借主の意義を限定的に規定
しているのであつて、これを所論のように拡張して解釈すべき根拠を見出し得ない
が故に、所論は、到底採用できない。
 同第二点ないし第五点について。
 原判決は、前示事実関係を認定した上、更にその挙示の証拠によつて、上告人が
本件土地の上に判示建物を建築するについては被上告人の承諾を得た事跡もなく、
固よりその敷地を賃借したこともない、との事実を認定し、従つて、上告人は本件
土地の上に右建物を所有することによつてその敷地を不法に占有するものである、
と判断しているのであつて、その判断は、当裁判所もこれを正当と認める。そして、
この場合、上告人の家族である娘Eにおいて、本件土地に対して所論の賃借権を有
し、Eが上告人において本件土地にその名義の建物を所有することを許容していた
としても、またEが上告人を扶養しており、E及び上告人ともども所論建物を本件
土地上に所有することが、その生活維持の為め絶対必要事であるとしても、Eにつ
いてはともあれ、上告人が本件土地の不法占有者たることには何らの影響なきもの
と解するを相当とする。従つて、原判決に所論法律の解釈を誤つた違法のないのは
勿論、原判決が、右Eについて前示臨時処理法に基く賃借権の発生を確認しないか
らといつて判断の遺脱あるものとも言い難い。それ故、所論も採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛