弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人越智通明の上告理由第一点について。
 論旨は、原審に民訴一三九条一項の解釈を誤つた違法があると主張する。
 なるほど、控訴審において提出した攻撃防禦の方法が、同条項に定むる時機に遅
れた場合に当るか否かは、第一審以来の訴訟手続の経過を通観してこれを判断すべ
きものであること、所論の通りである。しかし、かゝる攻撃防禦の方法と雖も、こ
れがため、訴訟の完結を遅延せしめる結果を招くことのないときは、これを却下し
得ないものと解すべきである。(昭和七年(オ)第三〇五六号、同八年二月七日大
審民事五部判決、大審民集一二巻一五九頁、昭和二八年(オ)第七五九号、同三〇
年四月五日最高裁第三小法廷判決、民集九巻四号四三九頁参照)
 而して記録によれば、本件債権の譲受人たる被上告人は、第一審において、その
譲渡人たる訴外Dからその主債務者たる訴外Eに対し、未だ本件債権譲渡の通知が
ないとの理由により敗訴の判決を受けたけれども、原審にいたつて、右Dから右E
に対し、本件債権譲渡の通知がなされたので、被上告人は、原審第一回口頭弁論期
日においてその事実を主張し、これに対し、上告人が不知の答弁をするや否や、右
事実を立証するため所論甲六号証の一、二を提出し、即時上告人により同考証の成
立が認められたのであつて、右期日は更に続行せられたけれども、それは、上告人
の申立てた証人尋問が採用せられ、その取調のためであつたこと、明白である。
 されば原審が、本件債権譲渡の通知に関する事実の主張に対し、民訴一三九条一
項により上告人のなした却下の申立を、右事実の主張により訴訟完結を遅延せしめ
ないとして排斥した上、所論甲六号証の一、二を受理したことに、所論の違法がな
い。
 論旨は、理由がない。
 同第二点について。
 論旨は、原審に民法四四八条、九五条の解釈を誤つた違法があると主張する。
 しかし、甲一号証に所論の如き記載があればとて、訴外Eの負担した主たる債務
に、所論の条件が付せられて居るものと解せねばならない理由を見出し得ないばか
りでなく、かゝる記載あるが故に、連帯保証人たる上告人は、主債務者たる右Eが
本件借入金を所論の架線施設費用以外に使用した場合には、保証の責に任じない特
約の存在したものと推認せねばならない理由も亦見出せぬ。また、所論錯誤の事実
は、上告人が原審において主張しなかつた所であつて、これに基く論旨は、上告適
法の理由とならない。されば原審に、所論の違法があるとなし得ない。
 論旨は採用し得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛