弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A、同B、同Cの各上告趣意は何れも事実誤認の主張に帰し刑訴四〇五条
の上告理由にあたらない。
 被告人A外三名の弁護人植木敬夫、同小沢茂、同岡林辰雄、同青柳盛雄、同大塚
一男、同上田誠吉、同石島泰、同竹沢哲夫、同佐藤義彌、同池田輝孝の上告趣意第
一点について
 所論は違憲を言うけれどもその実質は訴訟法違反の主張に帰し刑訴四〇五条の上
告理由にあたらない。(記録を調べても原判決が是認した一審判決には証拠の取捨
選択について所論のような予断偏見に基いたと疑うに足る形跡は認められない。)
 同第二点について
 所論は違憲に名をかる訴訟法違反、事実誤認の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理
由にあたらない。(第一審判決判示冒頭の事実はその挙示する証拠を綜合すれば肯
認するに難くない。又騒擾罪にあたる事実を判示するには多衆が聚合して暴行又は
脅迫の行為をしたことを明にすれば足り特にその行為が地方の静謐を害し又は公共
の平和を害する虞のあることを判示する必要はないから、たとえ第一審判決に地方
の静謐を害した旨の判示に副う証拠が掲げられていないとしても理由不備の違法あ
りということはできない。大正一三年(れ)一〇〇九号同年七月一〇日大審院判決
及び昭和二六年(れ)九〇八号同二八年五月二一日第一小法廷判決各参照)
 同第三点について
 所論は違憲をいうけれどもその実質は単なる訴訟法違反の主張を出でないから刑
訴四〇五条の上告理由にあたらない。(所論写真は所論の検証に際し現場を指示説
明するための一方法として使用せられたもので当該検証の範囲を逸脱して使用せら
れたものとは認められないからこれを所論検証調書に添付したとしても少しも検証
調書の違法を来すものではない)
 同第四点は単なる訴訟法違反の主張であり、同第五点同第六点は違憲を言うがそ
の実質は共に訴訟法違反の主張に外ならないから、何れも刑訴四〇五条の上告理由
にあたらない。同第七点は判例違反を言うけれども原判決は少しも論旨引用の判例
に相反する判断をしていないから論旨はその前提を欠き、同第八点は事実誤認の主
張であつて何れも刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。また記録を調べても刑訴
四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二九年七月一六日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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