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平成29年9月29日判決言渡名古屋高等裁判所
平成28年(ネ)第827号退学処分取消等請求控訴事件
(原審名古屋地方裁判所平成25年(行ウ)第94号)
主文
1原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2上記取消しに係る被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3訴訟費用は,第1,2審を通じ被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
主文同旨
第2事案の概要(略語は,新たに定義するものを除き,原判決の例による。以下,
本判決において同じ)。
,。1被控訴人は,控訴人が設置するA大学大学院(以下「本件大学院」という
なお,原判決において「A大学大学院」とあるのは,「本件大学院」と読み替え
。,る)医学研究科修士課程に在籍していた学生である。同大学学長(学長)は
被控訴人に対し,本件大学院に勤務していた派遣職員について同和差別を内容
とする発言(本件同和差別発言)をするなどしてその名誉を毀損した行為や,
同職員の派遣元会社に電話をしてその業務を妨害した行為等が,A大学大学院
学則49条で準用するA大学学則67条1号に当たるとして,A大学学則66
条,67条に基づき退学処分(本件退学処分)をした。
本件は,本件退学処分を受けた被控訴人が,本件退学処分が根拠のない事由
に基づいてされたなどの点において違法かつ無効なものである旨主張して,被
控訴人が本件大学院医学研究科修士課程の学生の地位にあることの確認を求め
るとともに,違法な本件退学処分により修士の学位を取得する道を断たれ,精
神的苦痛を受けたなどと主張して,不法行為に基づく損害賠償として350万
円(慰謝料300万円及び弁護士費用50万円の合計額)及びこれに対する不
法行為日(本件退学処分のされた日)である平成25年6月18日から支払済
みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めている事案であ
る。
原審は,本件退学処分は違法であるとして,被控訴人が本件大学院医学研究
科修士課程の学生の地位にあることを確認し,控訴人に対して慰謝料等として
55万円の支払を命じたところ,控訴人が控訴を提起した。
2前提事実,争点及び当事者の主張は,次項以下に当審における控訴人の主張
及び同主張に対する被控訴人の答弁を付加するほかは,原判決「事実及び理
由」欄第2の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。
3当審における控訴人の主張
()大学院生に対する退学処分の適法性に関する判断基準について1
大学院は,深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする専門的研究
機関であり,A大学医学部は,学生に強い倫理観に基づく判断力の基盤の上
に他者の利益のために人生を捧げる献身性を求めており,被控訴人も,当然
この理念を前提にして本件大学院に入学したものである。したがって,大学
が退学処分を選択する際には,予め本人に反省を促すために指導を行うこと
が教育上必要であるとしても,その指導をどのような方針でどの程度行うか
は,各大学の教育方針に基づく具体的かつ専門的・自律的判断に委ねるべき
である。よって,大学における学生に対する懲戒処分の適法性を判断するに
当たっては,当該処分事案の諸事情を総合的に検討し,社会的合理性を認め
ることができないものでない限り,当該処分は,懲戒権者の裁量権の範囲内
にあるものとして,その効力を否定することはできないと解すべきであり,
更に懲戒処分の対象となる学生が大学院生の場合,大学生の場合に比べ学校
当局の教育理念に基づく専門的・自律的判断をより尊重すべきであるから,
処分に際しての大学院の裁量も大学に比してより広く認められるべきである。
()被控訴人の行為により,本件研究室の運営が極めて困難になったこと2
原判決も認める「被控訴人がB教授に対してCに関する偏見に満ちた言動
を繰り返し行い,本件研究室の運営に支障を来すまでの執ようさで本件派遣
契約の解除を求めたこと」も,本件退学処分の理由であるが,被控訴人の行
為は,B教授に対する個人攻撃も,B教授に対してされたCに関する偏見に
満ちた言動も,いずれも本件研究室の運営に支障を来すまでの執ような行為
であり,これらの行為は,平行してB教授に対して行われたものであって,
その結果,B教授は心因反応による抑うつ状態となり,本件緊急保護救済措
置が執られるなどの事態が発生し,そのことが本件研究室の運営に大きな影
響を与えたものである。
()本件ひぼう中傷行為等は,本件退学処分の相当性を基礎付ける事情に当3
たること
本件ひぼう中傷行為等が,本件退学処分の理由となっていなかったとして
も,控訴人は,次のとおり,本件退学処分当時,本件ひぼう中傷行為等を認
識しており,本件退学処分の理由とされる行為と密接な関連があり,実質的
には同一性を有するものであるから,本件退学処分の有効性を基礎付ける事
由と解すべきである。
ア被控訴人は,指導教授であるB教授に対して,Cの本件研究室への派遣
を中止するように執ように求めて本件派遣契約の解除を求める一方,人格
を否定する発言を繰り返し,本件研究室の関係者に対してもひぼう中傷す
る発言に及んだ。これらの行為は,根拠もなくその対象者の人格を酷く傷
つけるものであり,その態様も多数回のメール又は直接の言動による執よ
うな人格攻撃であり,Cの人格を傷つけた言動と同じ種類,類型の行為で
あり,被控訴人の人格・性行を示す点において同じ種類に属する非違行為
である。
イ本件退学処分の処分理由の1つは「被控訴人がB教授に対してCに関,
する偏見に満ちた言動を繰り返し行い,本件研究室の運営に支障を来すま
での執ようさで本件派遣契約の解除を求めたこと」であるが,本件ひぼう
中傷行為等は,被控訴人が本件派遣契約の解除を実現するために,その非
難の対象がCに対する人格非難だけでなく,B教授や本件研究室の関係者
に対する人格攻撃へとエスカレートしていったものであって,本件退学処
分の処分理由と,本件ひぼう中傷行為等との間には,密接な関連性がある。
ウ原判決は,本件退学処分は本件派遣契約の解除を求める行為を対象とし
ているのに対して,本件ひぼう中傷行為等はB教授の指導を拒否する被控
訴人の行為であるから,両者の性質が異なり,処分の同一性が認められな
いとする。しかし,本件ひぼう中傷行為等は,被控訴人への研究指導を目
的とする本件派遣契約の解除を実現させる側面もあり,両者を区別するこ
とは本件退学処分の本質を見失うことになる。
なお,控訴人が,本件ひぼう中傷行為等を本件退学処分において明示し
なかった理由は,次のとおりである。
被控訴人は,本件ひぼう中傷行為等をしながら,全く反省をすることな
く,後記の教育的指導にも全く従わなかった。それどころか,被控訴人は,
本件ハラスメント申出手続等を行い,B教授に対する懲戒処分を求め,さ
らに,被控訴人に対して教育的指導を行った教授ら11名に対しても同様
に懲戒処分を求めた。控訴人の指導に対するこのような被控訴人の異常な
対応からして,本件ひぼう中傷行為等を本件退学処分の理由として明示す
ると,被控訴人は,当該処分理由を本件ハラスメント申出手続等に対する
報復行為として懲戒事由に加えられたと主張することが予想された。これ
によるさらなる混乱の招来を回避するために,あえて処分理由としなかっ
たものである。
()控訴人は,本件退学処分をする前に,被控訴人に対して教育的指導を行4
ったが,被控訴人がこれに従わなかったこと
控訴人は,被控訴人に対して,平成25年に以下のとおり可能な限り教育
的指導を行ったが,被控訴人には全く反省が見られなかったので,控訴人及
び本件研究室を守るためにやむを得ず本件退学処分を行ったものである。
ア1月22日の指導
D教授(以下「D教授」という,E教授(以下「E教授」とい,。),
う)及びB教授が,同日午後1時から被控訴人と面談して,指導を行っ。
た。その内容は,B教授と被控訴人との関係を改善するため,問題点は何
か,B教授がどう対応するのか,被控訴人がどのように改善してゆくのか
等を内容とする丁寧なものであったが,被控訴人は,その内容が自己の考
えに合わないと判断すると,教授らの指導を遮り,自己の主張をし,又は
半狂乱状態に陥って泣きわめいたりするなど,指導を聞くという姿勢を一
切示さなかった。そのため,この指導は,不調に終わった。
被控訴人は,1月24日,控訴人医学部事務室F副係長(以下「F副,
係長」という)に対し「面談の強要について,G県警に相談しました」。。
とのメールを送信し,2月11日には,B教授に対して「先生の話すこ,
とが全て信用できないので,直接話すのはやめます」とのメールを送信。
した。その後も,被控訴人は,B教授に直接電話をかけて,B教授の指導
を拒絶し人格を非難する発言をした。加えて,被控訴人は,上記指導につ
いて「心理的に追い詰められ著しいストレスを受けた」として,本件ハ。
ラスメント申出手続等を行い,D教授及びE教授の懲戒処分を求めた。
イ2月22日の指導
D教授,E教授,Hが,同日午後4時から午後6時10分までの間,被
控訴人に対してB教授に本件緊急保護救済措置が適用されたことによる研
究指導の代替措置及び今後の指導方法についての説明を行った。しかし,
この時以降も,被控訴人の性行不良が改まることはなかった。
ウ3月26日の指導
D教授,E教授,Hが,指導教員の許可を得ることなく被控訴人が実験
室内の実験器具を無断で動かしたことを注意するために指導した。この指
導の後,被控訴人は「Iの派遣の人からは被害を受けている。だってあ,
の人は部落民だから」という本件同和差別発言をした。また,被控訴人。
は,この指導に対しても,4月25日に控訴人のハラスメント審査会に対
して,D教授とE教授の懲戒処分を求めた。
エ3月27日の指導
この指導は,被控訴人の申出により,D教授,E教授が,被控訴人と面
談して行われた。D教授は「金曜日に指導しているので,その指導を受,
けてほしい。それには,Jさんがどのように理解しているかわかる内容を
私たちに出して貰わなければ指導が始まらない。しっかりと研究して貰う
ことが私たちの願いであり,指導してゆくつもりである。指導を受けよう
としないなら懲戒の対象となることがある」との内容の指導を行った。。
これに対して,被控訴人は「言うことを聞かなければ懲戒にする』と脅,『
した」として,4月25日に控訴人のハラスメント審査会に対して,D。
教授の懲戒処分を求めた。
4当審における控訴人の主張に対する被控訴人の答弁
()被控訴人の行為により,本件研究室の運営が極めて困難になったことに1
対する反論
アB教授は,平成24年9月中には,後記イタリア出張に加えて,合計1
1回の兼業許可申請を行った。
イタリア出張に関してフェイスブックに投稿された写真や文章を見ると,
B教授がイタリア出張中,食欲旺盛で,イタリア出張を楽しんでいたこと
が分かり,体重減少の様子は見られない。
これらによれば,平成24年9月頃,B教授の日常生活が困難になった
とは認められない。また,本件調査報告書にも,B教授が被控訴人の行為
により被害を被ったとの記載は一切ない。
これらの事情によれば,平成24年9月頃,B教授が体調を崩していた
とは認められず,それにより本件研究室の運営に支障が生じたことはない。
イ控訴人は,教育的指導を受け入れず,逆にハラスメント被害を訴えた被
控訴人の行為を本件退学処分の処分理由であるかのような主張をするが,
そのような事情は,本件調査報告書にも記載されていない。指導教官によ
る被控訴人に対する指導懈怠,違法な差別が改善さえすれば,研究意欲の
ある被控訴人は,平穏に研究に専念するはずであり,本件研究室の運営は
正常化するといえる。
()本件ひぼう中傷行為等は,本件退学処分の相当性を基礎付ける事情に当2
たることに対する反論
控訴人が,本件ひぼう中傷行為等を認識しており,これが本件退学処分の
理由となっているのであれば,そのことが本件調査報告書に記載されている
はずであるが,そのような記載は一切ない。控訴人が関連性があると主張し
ているのは,虚偽の事実を関連性があると苦し紛れに主張しているにすぎな
い。
()控訴人は,本件退学処分をする前に,被控訴人に対して教育的指導を行3
ったが,被控訴人がこれに従わなかったことに対する反論
被控訴人に対して複数回教育的指導を行った事実は否認する。
最高裁平成8年9月26日判決は「懲戒当時に使用者が認識していなかっ
た非違行為は,特段の事情がない限り当該懲戒解雇の理由とされたものでな
いことが明らかであるから,その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠づけ
ることはできないというべきである」と判断しており,これによると「後出
し的な不利益処分の理由の差替えは許さない」ということである。この上記
主張は,複数回教育的指導を行ったことなどを理由に本件退学処分が有効で
あると主張するものであり「後出し的な理由の差替え」に当たるものであ,
り,主張自体失当というべきである。
()被控訴人は,本件大学院入学後から,次のとおりの不当な取扱いを受け4
た。
ア本件大学院に入学したら直ちに研究に着手できると考えていたが,本件
研究室への所属は何ら理由なく3箇月遅れ,実験に着手できたのは9月に
なってからである。
イ被控訴人は,本件研究室で開催されていた臨床セミナーに全く出席でき
ず,懇親会への参加の案内すらなく,本件研究室の一員として認められず
に,意図的に孤立させられた。
ウB教授が担当していた専門演習,特別研究の指導時間は,週に1度30
分程度であり,その中身はほとんどなかった。これは,本件大学院医学研
究科の指導時間(1単位につき30時間〔1回2時間15週)に到底満,〕
たないものであった。
これらの取扱いは,いずれもB教授が指導を怠ったことに起因するもので
あるところ,被控訴人は,このことに対して,医学部事務室,文部科学省,
控訴人のハラスメント対策窓口等に相談したが,控訴人は,これに応答しな
かった。本件退学処分は,被控訴人の上記申立てに対する報復として発動さ
れたものである。
第3当裁判所の判断
1当裁判所は,被控訴人の請求は理由がないものと判断する。
その理由は,次のとおり原判決を補正するほかは,原判決「事実及び理由」
欄第3に記載のとおりであるから,これを引用する。
()原判決9頁18行目から19行目にかけての「A大学大学院」を「本件大1
学院医学研究科」と改める。
()原判決9頁21行目の「A大学大学院」の後に「医学研究科修士課程」を2
加える。
()原判決10頁3行目の末尾の後に,行を改め,次のとおり加える。3
「被控訴人は,本件大学院修士課程における研究テーマについて,化粧品の
毒性について高い関心を示していたが,B教授は,最近化粧品の毒性の問題
は少なくなり,かぶれなどの化粧品によるトラブルが少なくなってきている
こともあり,被控訴人の研究テーマとしては適切でないと考えた。B教授は,
被控訴人が理科系出身者でないことも考慮し,また,未開拓の分野もあるこ
とを考慮し,同年6月頃「シミ」を研究テーマとすることを勧めることと,
した。しかし,同年7月31日になり,B教授と被控訴人が打合せをしたと
ころ,被控訴人は,「私はそんなのはやりたくない。」とシミを研究テーマと
することを強く拒絶した。そこで,B教授は,被控訴人と話し合い,被控訴
人の関心のあった病理や漢方も考慮して,「生薬によるシミの抑制」を研究
テーマとすることになった。なお,本件研究室で,被控訴人の研究テーマの
指導ができる者は,B教授のみであった。また,被控訴人は,このテーマに
関しては,研究や実験の経験はなかった(乙13,15,22・資料6〔B
教授事情聴取記録7~8頁」〕)。
()原判決10頁4行目の「原告は」から同頁5行目の「必要があった」4,。
までを「B教授は,被控訴人が本件研究室に配属となった同年7月以降,,
概ね別紙のとおり,被控訴人に対して指導を行った。B教授の被控訴人に対
する指導は,当初週に1日,1回あたり30分程度が予定されていたが,そ
の時間は,徐々に長くなった。また,その内容は,実験方法(実験プロトコ
ールを交付,文献検索の方法,用語の説明,実験ノートの記載の仕方等か)
ら始まったが,被控訴人が実験方法が全く分からなかったので,B教授は,
毒性試験のための分かりやすいプロトコールを作り直し,PCRの基礎原理
を記載したプリントを渡すことなどもした。B教授は,このような指導に対
する被控訴人の対応や,被控訴人がこれまで大学の理科系の研究室において
研究,実験をした経験がなかったことを踏まえると,被控訴人には,今後必
要な実験等に関する基礎的な知識及び技術を習得させる必要があると判断し
た。そこで」と改め,同頁9行目の「Cを派遣することとし」を「Cを派,,
遣することとした。なお,B教授は,最終決定前にCと面談し,Cの実験の
技能や知識に不足がないことを確認した。その上で,B教授は,Iとの間
で」と改め,同頁11行目から12行目にかけての「乙14,15,証人,
K」を「乙13ないし15,22・資料6〔B教授事情聴取記録10頁,〕
証人K,証人B」と改める。
()原判決11頁17行目の末尾の後に,行を改め,次のとおり加える5
「カB教授は,被控訴人から,上記のとおり被控訴人に対する指導方針等を
非難するメールを受け取ることなどで体調を害し,平成24年9月24日
から心療内科を受診するようになり,抗不安剤,睡眠剤,降圧剤等の薬を
処方され,飲むようになった(証人B11頁」)。
()原判決11頁18行目の「カ」を「キ」と,同頁25行目の「キ」を6
「ク」と,同12頁1行目の「自宅待機となり」を「自宅待機となった。,
被控訴人は,その後も,B教授に対して,メールで本件派遣契約の打切りを
何度も求めたため,B教授は,同年11月頃までに本件派遣契約の打切りを
決めた。そのため」とそれぞれ改め,同頁7行目の「甲11」の後に「,,
乙4(原審記録の丁数の381丁~385丁」を,同頁8行目の「同H」)
の後に「,同B」をそれぞれ加える。
()原判決12頁9行目の「ク」を「ケ」と改め,同頁18行目の末尾の後7
に改行の上,次のとおり加える。
「コ被控訴人は,平成24年8月から同年12月までの間,合計7回学会に
参加し,参加費,交通費として,本件研究室の予算である奨学寄付金から
合計25万7000円が支出された。被控訴人が参加した学会の中には,
被控訴人の研究テーマとは関連しない日本分子生物学会への参加もあった
が,これは,当初B教授が参加に難色を示したところ,被控訴人が,電話
でB教授に「ハラスメントで訴えてやる「懲戒にしてやるぞ」等と強。」,。
く抗議したので,B教授は,これが最後の学会であると被控訴人に約束さ
せ,参加を認めた。また,本件大学院では,内規により,大学院生の学会
の参加費用については上限が定められているところ,被控訴人が参加した
学会の上記参加費はこれを超えるものであったが,B教授が,事務方と折
衝して被控訴人が参加できるよう取り計らった(乙22・資料6〔B教。
授事情聴取記録5~6頁,乙22・資料20,証人B)〕
サB教授は,被控訴人に対する指導について,平成24年8月21日のメ
ール(原判決別紙「原告送信メール一覧表」の番号1のメール)を受け取
った後から,本件大学院医学研究科の副研究科長であるD教授及び修士課
程の委員長であるE教授に相談するようになり,D教授及びE教授も,そ
の相談を受けて,被控訴人の指導に当たるようになったが,被控訴人は,
D教授らの指導にも従おうとはしなかった。平成25年1月22日,D教
授,E教授及びB教授は,被控訴人と面談し,被控訴人に対する指導を行
った。この時は,主に,D教授とE教授が中心になって話を進めたが,両
教授が,被控訴人に対して問題点を指摘すると,被控訴人は,これに反発
し,B教授のこれまでの指導を批判するなど自己の意見を述べることに固
執した。その結果,午後1時から始まったこの指導は,午後4時半頃まで
続いた(乙19・資料6〔D教授事情聴取記録8~9頁,19・資料7。〕
〔E教授事情聴取記録7~8頁,証人B)〕
被控訴人は,この面談前の1月22日,L学長に対して「本件研究室,(
講座の件)ハラスメント対策窓口にお願い致しました。そのことを知った
D先生とE先生から「学生指導」という名目の面談を今後定期的に強制執
行すると通達され,困っております」等と記載したメールを送信し,面。
談後の1月24日には,医学部事務室のF副係長宛に「面談の強要につい
て,G県警に相談しました」等と記載したメールを送信し,2月8日,。
ハラスメント審査会に対しD教授及びE教授の懲戒処分を求める申立てを
した(甲26,乙18,19・資料1,20」。)
()原判決12頁19行目の「ケ」を「シ」と,同13頁2行目の「コ」を8
「ス」と,同頁6行目の「サ」を「セ」とそれぞれ改め,同頁7行目の
「乙2」から同頁17行目の末尾までを次のとおり改める。()
「そして,B教授が被控訴人の指導担当を外れ,D教授,E教授,M教授及
びN准教授の4人体制で被控訴人に対する指導を行うことになり,控訴人
は,その旨及び今後の指導方針を記載した書面を被控訴人に交付した。こ
れに対して,被控訴人は,同年3月6日,指導教授を変更する措置は不適
切であり,指導は,引き続きB教授によって行われるべきであると記載し
たメールをF副係長に送信した(乙2,19・資料9,24)。
ソ上記書面には,被控訴人の現在の研究の到達内容を把握することが指導
にとり必要であるから,初回のミーティングで,これまでの研究成果をま
とめたものを提示することを求める旨の記載があった。D教授やE教授は,
被控訴人に対して,被控訴人の研究資料の提示を求めたが,被控訴人はこ
れを拒否した。そこで,D教授は,平成25年3月27日頃の被控訴人に
対する指導の機会に「被控訴人を指導するためには)Jさんがどのよう,(
に理解しているのか,わかる内容の物を私たちに出してもらわなければ,
指導も始まりません。しっかり研究してもらうことが私の願いですし,指
導していくつもりです。それでも指導を受けないのだったら懲戒の対象と
なる」と発言した。しかし,被控訴人は,その後,研究内容等をD教授。
らに提示しなかった(乙19・資料7〔E教授事情聴取記録15頁,2。〕
8)
タ被控訴人は,平成25年3月25日,医局の研究室の机に空きができた
として,医局にあった機器を勝手に移動させ,Iから派遣されていたスタ
ッフが机を使用できないようにした。そのため,被控訴人の指導担当者で
あるD教授とN准教授は,連名で,被控訴人に対して,元に戻すように指
示した。これに対して,被控訴人は,同日,医学部事務室のF副係長宛に,
移動した理由等について記載したメールを送信した。しかし,被控訴人が
移動した機器を元に戻さなかったため,翌26日医局内でトラブルが発生
した。そのため,D教授とE教授は,皮膚科の医局に行き,被控訴人に対
して機器を元に戻すように指導をした。また,Hは,被控訴人が上記のと
おり医局の機器を無断で移動したことでIから派遣されている職員の作業
ができなくなっているので,確認のためにきてほしいとKに伝えたため,
Kは,同日午後6時頃,医局の研究室を訪れた。その際,Kは,Hに対し,
被控訴人が平成24年11月にI本社に電話をかけ,Cに関して「仕事が
できない「その人のせいで紫外線の被害に遭った」等の苦情を申し立て」,
たほか,差別的な発言をしてCを辞めさせるよう求めたこと,Cについて,
本件派遣契約の更新がされなかったこと,被控訴人が,本件派遣契約の契
約期間が終了した後である平成25年2月にもIO支店に電話をかけ,C
について苦情を述べたこと等を話した。その後,Hは,他の事務方職員
(P人事係長外1名)と一緒に,被控訴人から,今回のトラブルについて
事情を聞いたところ,被控訴人は,午後7時35分頃,Hらに対し「I,
の派遣の人からは被害を受けている。だってあの人は部落民だから」な。
どと発言した。また,この発言との先後関係は不明であるが,被控訴人は,
,,Kに対して「何で派遣会社の者が来ているんだ」等と強い口調で発言し
Kに対して,退去を求めたので,Kと派遣職員は,その場から退去した。
(甲11,乙14,16,19・資料7〔E教授事情聴取記録9頁,1〕
9・資料11,19・資料12,証人K,同H,弁論の全趣旨」)
()原判決13頁18行目の「ス」を「チ」と,同頁24行目の「セ」を9
「ツ」と,同14頁14行目の「ソ」を「テ」と,同頁18行目の「タ」を
「ト」と,それぞれ改める。
()原判決16頁5行目の末尾の後に改行の上,次のとおり加える。10
「カ被控訴人は,平成25年4月1日から同月15日にかけて,本件大学院
のハラスメント相談員に対して,本件研究室において,本件研究室に所属
),する教員(Q講師,R助教,S助教,本件研究室の秘書ら(T医局秘書
U医局秘書,V臨床研究医,W実験助手,X実験助手)からハラスメント
を受けている,D教授,E教授,N准教授からハラスメントを受けている
などと申し立てた(甲8の2。)
キA大学ハラスメント審査会は,上記ア,カの申立てを受けて,調査委員
会を設置して,被控訴人,ハラスメントの加害者とされた者及び関係者か
ら事情を聴取するなど所要の調査を行った上,いずれの申立ても,ハラス
メントに当たらない,あるいはハラスメントに当たる行為が確認できない
と判断した(乙18,19,21,22」)。
()原判決16頁20行目の「前記認定事実()ク」を「前記認定事実()1133
ケ」と,同17頁7行目の「前記認定事実()エ,カ及びク」を「前記認定3
事実()エ,キ及びケ」と改める。3
()原判決17頁17行目の末尾の後に改行の上,次のとおり加える。12
「ウ被控訴人は,①本件大学院に入学したら直ちに研究に着手できると考え
ていたが,本件研究室への所属は何ら理由なく3箇月遅れ,実験に着手で
きたのは9月になってからである,②被控訴人は,本件研究室で開催され
ていた臨床セミナーに全く出席できず,懇親会への参加の案内すらなく,
本件研究室の一員として認められずに,意図的に孤立させられた,③B教
授が担当していた専門演習,特別研究の指導時間は,週に1度30分程度
であり,その中身はほとんどなかった。これは,本件大学院医学研究科の
指導時間(1単位につき30時間〔1回2時間15週)に到底満たない,〕
ものである,等と主張し,本件大学院での指導が不十分であったと主張す
る。
そこで,まず,①の点について検討するに,平成24年度の医学研究科
修士課程教育要項(共通科目シラバス)では4月から6月までに必修科目
である修士課程共通教育科目の授業が予定され「6月に学生の希望を聴,
取のうえ,修士課程委員会で決定し,教授会に報告する。」と記載されて
おり,本件大学院の修士課程委員会は,平成24年7月9日に開催され,
被控訴人の所属研究室を本件研究室と決定したのであるから,被控訴人の
本件研究室の所属が決定したのが平成24年7月9日になったのは,予定
されたスケジュールに沿ったものであったと認められる(乙9,10。)
また,被控訴人は,指導の開始が遅延したことを問題にするが,B教授は,
遅くとも所属研究室が決定する前の平成24年5月31日には,被控訴人
の研究テーマについて相談を開始しており(乙4,テーマが決定された)
のが同年7月末であること(本判決で補正後の認定事実()ア,B教授は,3)
同年6月以降は,実験の手技よりも,研究に向けた心構え,文献の収集の
方法などの基礎知識の指導に当たっていたこと(乙4,22・資料6〔B
教授事情聴取記録14頁,B教授は,被控訴人の基礎的知識,技能が十〕)
分ではないと考え(本判決で補正後の認定事実()イ,同年8月にも,実3)
験の手技手法についての説明を行っていたこと(乙13)等の事情を考慮
すれば,被控訴人が実験を開始できたのが平成24年9月に入ってからに
なったことについて,B教授の指導方針に問題があったとは認められない。
次に,②について検討するに,本件研究室における臨床セミナー(症例
検討会)は,患者の顔写真まで入った生のデータを基に症例報告がされる
ものであり,医師を対象としたものであった上,このセミナーは被控訴人
の研究テーマとは直接関係しないものであった(乙22・資料10〔Q講
師事情聴取記録3,7頁)から,医師ではない被控訴人が臨床セミナー〕
に参加できなかったのはやむを得なかったというべきである。一方,B教
授は,被控訴人に対して,リサーチセミナー,リサーチカンファレンスへ
の参加を推奨し,被控訴人は当初これらに対しては参加を拒んでいたもの
の,その後参加するようになっている(乙22・資料6〔B教授事情聴取
記録9,19頁,22・資料10〔Q講師事情聴取記録7,10頁。〕〕)
また,忘年会は,本件研究室の出身医師で構成されている同門会が主催す
るものであり,医局とは別の組織として運営されてきたから(乙22・資
料6〔B教授事情聴取記録20頁,22・資料8〔U医局秘書事情聴取〕
記録8~9頁,同門会の会員でない被控訴人に同門会の忘年会への参加〕)
案内が送付されなかったことに何ら不合理な点はない。なお,被控訴人は,
医局で行った納会(年末最後の日に開催される打ち上げ)には,参加して
いる。また,被控訴人は,B教授から医局の他のメンバーと口をきかない
ようにと言われたと主張するが,この点について,B教授は,修士の学生
が,臨床のみに関与する者と話すことは,その者の時間を割くことになる
から,その点を考慮してほしいとの注意を与えたものであると説明してい
る(乙22・資料6〔B教授事情聴取記録6頁。さらに,B教授は,通〕)
常の大学院生では認められない程度の額の本件研究室の予算を使用して被
控訴人が学会に参加することを認めており(本判決で補正後の認定事実
()コ,その上,Q講師に被控訴人に対する病理の基礎を講義することを3)
依頼している(乙13,19・資料4〔Q講師事情聴取記録6頁。〕)
以上によれば,B教授が,被控訴人を,意図的に孤立させていたとは認
められない。
そして,③について検討するに,B教授の被控訴人に対する指導時間は,
当初週1回30分が予定されていたが,その後は,徐々に回数,時間とも
増え(乙13,15,本件研究室の内部にいる者の中には,B教授の被)
控訴人に対する指導時間が,講座の主催者である教授が一修士生にかける
指導時間としては多いと評価する者もいた(乙22・資料7〔T医局秘書
事情聴取記録8頁,22・資料10〔Q講師事情聴取記録8頁,22・〕〕
資料11〔R助教事情聴取記録5頁。また,B教授は,前記(当審で補〕)
正後の認定事実()イ)のとおり,被控訴人に対して,実験方法(実験プ3
ロトコールを交付,文献検索の方法,用語の説明,実験ノートの記載の)
仕方等を教えたほか,被控訴人の知識や理解の程度に配慮して,毒性試験
のためのプロトコールを作り直し,PCRの基礎原理を記載したプリント
を渡すことなどしたほか,被控訴人が通常の大学院生では認められない額
の経費で学会へ参加することも認めていた。
他方,被控訴人は,B教授から与えられた課題に真摯に取り組まず(乙
22・資料6〔B教授事情聴取記録10頁,Q講師の講義の際,前回の〕)
復習を兼ねて質問をした際「私は覚える必要がないから」と答え,あるい。
はQ講師に対して「先生はいつも,やる気が無さそうだけど。ちゃんと教
えてくれなければ更迭します「医者の息子はやる気がなくて,やりた。」,
くないけど医者になった人が多いんでしょ。先生はいつも覇気がないとい
うかやる気が無さそうだし」と発言し(乙22・資料10〔Q講師事情。
聴取記録6頁,指導する側であるB教授を怒鳴る(乙22・資料7〔T〕)
医局秘書事情聴取記録7頁,22・資料8〔U医局秘書事情聴取記録3〕
頁,22・資料10〔Q講師事情聴取記録9頁)などしていた。〕〕
これらの事情に照らせば,B教授の被控訴人に対する指導が不十分であ
ったとは認められない。
エ被控訴人は,B教授は平成24年9月頃体調を崩しておらず,したがっ
て,本件研究室の運営に支障を来したことはないと主張する。しかし,B
教授は,A大学ハラスメント審査会が設置した調査委員会が平成25年5
月31日に行った事情聴取においても,平成24年9月10日に送信され
たメール(原判決別紙「退学の判断の基礎となった原告のB教授に対する
メール・群」の①のメール)が突然届き,その文面を見て相当の精神的シ
ョックを受けたことを述べるとともに,それ以来体調が不良となり,9月
24日から投薬治療を受けていたと説明している(乙22・資料6〔B教
授事情聴取記録18~19頁)ところ,これは,当審におけるB教授の〕
証人尋問の供述と同趣旨のものである。また,被控訴人のB教授に対する
要求が激しいものであり,時には,教授室等で罵声を浴びせたこともあっ
た(乙22・資料7〔T医局秘書事情聴取記録6~7頁,22・資料8〕
〔U医局秘書事情聴取記録4~5頁,22・資料10〔Q講師事情聴取〕
記録9頁,22・資料11〔R助教事情聴取記録5~6頁。そして,〕〕)
B教授は,9月10日に被控訴人からメールを受け取ってから体調を崩し,
9月24日から投薬治療を受け始めた旨証言するところ,その証言内容か
らすれば,被控訴人から罵声を浴びせられるなどした経験が,B教授がス
トレスを抱え,体調を崩す原因となった可能性を否定することはできな
い」。
()原判決17頁18行目の「ウ」を「オ」と,同頁25行目の「前記認定13
事実()セないしタ」を「前記認定事実()ツないしト」と,それぞれ改める。33
()原判決19頁20行目から同21頁15行目までを次のとおり改め,同14
頁16行目から同頁26行目までを削る。
「()ところで,被控訴人は,B教授らの研究に関する指導に対しても反発3
をしており,その指導に従ってこなかった(本判決で補正後の認定事実
()ウ,エ,同()ウ。そして,その対応(被控訴人の発言内容)を見る36)
と「人間的に信用できないし,指導者として尊敬できるところもなく,,
今まで出会った大学の教授の中で最もレベルが低い「多分,まともな。」,
家に育っていない。医師や歯科医師の中には,普通の企業が採用しない在
日や同和が混ざっています。その類の人種かもしれない「Y高校の偏。」,
差値はDランクでOでいえばZ学園(Z女子)レベルとのこと。思ってい
た通り,頭が悪く,脳が軽いから背が伸びすぎるんでしょうか「私も。」,
バカや「出」の悪い人とは関わりたくないし「医者の息子はやる気がな」,
くて,やりたくないけど医者になった人が多いんでしょ。先生はいつも覇
気がないというかやる気が無さそうだし」といった人格攻撃にわたる内。
容のものがあり,このような被控訴人の言動は,Cが本件研究室に配属に
なった平成24年9月24日より前の同年8月21日(原判決別紙「原告
送信メール一覧表」の番号1のメール)から始まっている。そして,被控
訴人は,前記(本判決で補正後の認定事実()サ,ソ,タ)のとおり,平3
成25年1月22日,同年3月26日,同月27日には,D教授及びE教
授らから,これまでの研究態度などに関して指導を受け,特に3月27日
の指導においては「指導を受けないのだったら懲戒の対象となる」とま,。
で警告されておきながら,その後も指導に従っていない。このように,被
控訴人は,B教授を始めとする控訴人の複数の教員が,被控訴人のための
特別の指導を行ったり,被控訴人のための特別の指導体制を組んだにもか
かわらず,これに反発し,複数の教員に対するハラスメントの申立てを行
ったり,教員に暴言を吐くなど,控訴人の教員の指導に素直に従わない態
度を取り続けてきたものであり,このような被控訴人の言動は,本件研究
室の運営に重大な影響を及ぼすに至っていたと認められる。
()被控訴人の本件同和差別発言等のCに対する発言は,Cの人格を傷つ4
ける違法なものであったと認められる。また,平成25年3月26日の本
件同和差別発言は,前記(本判決で補正後の認定事実()タ)のとおり,3
被控訴人が医局内の機器を勝手に移動させた翌日に発生したトラブルの際
に,H及び事務方職員(P人事係長外1名)の前でされたものであるから,
Cの名誉を毀損する行為であったと認められる。また,Iは,被控訴人か
らのCに関する苦情の電話を受け(合計5回,被控訴人の発言により生)
じた本件退学処分の調査のために,被控訴人から,文書の提出を求められ
たり,関係者の事情聴取に応じたりするなど種々の調査を受けており(甲
11,これらは,Iの業務に支障を来す事態であったと認められる。)
()被控訴人は,本件退学処分は,被控訴人がB教授の指導怠慢を各種機5
関に相談等したことに対する報復としてなされたものであると主張するけ
れども,前記認定事実によれば,B教授の被控訴人に対する指導が不十分
であったとは認められず,他方,被控訴人の本件同和差別発言を初めとす
る一連の言動は,社会的に許容される限度を超えるものであり,その結果
本件研究室の運営に重大な影響を及ぼすに至っていたと認められるから,
控訴人の学長が,被控訴人に対して本件退学処分を選択したことは,やむ
を得ない措置であったというべきである。
()以上によれば,控訴人の学長が,Iの派遣スタッフであるCに対する6
名誉毀損及びIに対する業務妨害を理由に本件退学処分を行ったことにつ
いて,裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用した違法があったとは認めら
れない」。
2以上の次第であるから,被控訴人の請求は,その余の点を判断するまでもな
く,いずれも理由がない。
第4結論
以上によれば,被控訴人の請求を一部認容した原判決は相当でないから,原
判決中控訴人敗訴部分を取り消し,この取消しに係る被控訴人の請求をいずれ
も棄却することとして,主文のとおり判決する。
名古屋高等裁判所民事第2部
裁判長裁判官孝橋宏
裁判官鳥居俊一
裁判官剱持亮

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