弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における未決勾留日数中五四五日を本刑に算入する。
         理    由
 弁護人永田菊四郎同小淵方輔の上告趣意第一点について。
 原審裁判所が所論検証並びに証人訊問をする旨を弁護人永田菊四郎に通知した形
跡がないこと並びに同弁護人がその検証及び証人訊問に立会わなかつたこと及び原
判決が右証人中Aの供述記載を証拠として採用したことは、所論のとおりである。
しかし、一件記録によれば、右検証には相弁護人小淵方輔が立会い、また、右証人
の訊問には同弁護人及び同大島正恒弁護人が立会し両弁護人とも同証人に対して訊
問をしているばかりでなく、原審第三回公判期日には右両弁護人の外弁護人永田菊
四郎も出頭した公判廷において裁判長は前記Aに対する証人訊問調書につき適式な
証拠調を行つた後ち被告人に対し意見弁解の有無を問い且つ利益の証拠を提出し得
る旨並びに供述者を証人として訊問を求むること得る旨告げたところ、被告人は無
い旨答え、各弁護人は利益の証拠はない旨供述したことが明らかであるから、不法
に弁護権を制限した違法があるとはいえない。
 同第二点について。
 しかし、原判決挙示の証拠を綜合すると、共謀、強奪その他原判決の事実認定を
肯認できないわけではないから、原判決には所論の違法は認め難い。
 同第三点について。
 しかし、証拠の収捨、選択は、原審の裁量に属するところであるから、所論の証
拠を採用しなかつたからといつて、証拠を無視又は軽視した違法があるとはいえな
いし、また、原判決挙示の証拠を綜合すると、原判決説示のごとく、被告人が犯行
当時弁護人主張のような精神状態にはなかつたことが肯認できるから、原判決には
所論のごとき理由不備の違法があるともいえない。
 同第四点について。
 しかし、被告人が心神喪失又は心神耗弱の状態にあるか否かを判定するには必ず
しも専門家の鑑定を要するものでないことは、当裁判所累次の判例であるから、原
審が所論鑑定の申請を却下して他の証拠に基き被告人がかかる精神状態になかつた
ことを認めたからといつて、所論の違法があるということはできない。
 弁護人吉田栄三郎の上告趣意第一点について。
 しかし、原判決は、挙示の証拠に基き判示事実を認定したものであつて、該証拠
を綜合すれば、判示事実認定を肯認することができるから、原判決には所論の違法
は認め難い。
 同第二点について。
 所論は、原判決が適法になした事実認定を非難するに帰し、上告違法の理由と認
め難い。
 同第三点について。
 しかし、裁判が迅速を欠いたからといつて、判決破棄の理由とならないこと並び
に裁判の内容や手続が当事者から見て公平でないからといつて、憲法三七条一項に
いわゆる公平な裁判所の裁判でないといえないことは、当裁判所累次の判例である
から、所論は採用できない。
 被告人本人の上告趣意について。
 所論は、原判決の事実認定を非難するに帰し、上告適法の理由として採用するこ
とはできない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い、なお未決勾留日数の算入につき刑法二一条に則り、
裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 検察官 安平政吉関与
  昭和二七年一一月二七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
裁判官沢田竹治郎は、退官したので署名押印ができない。
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎

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