弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件再上告を棄却する。
         理    由
 弁護人内水主一再上告趣意について。
 憲法三二条は、憲法又は法律に定められた裁判所以外の機関によつて裁判をされ
ることはないことを保障したものであつて、訴訟法で定める管轄権を有する具体的
裁判所において裁判を受ける権利をまで保障したものでないことは当裁判所大法廷
の判例とするところである。(昭和二三年(れ)五一二号同二四年三月二三日大法
廷判決判例集第三巻三号三五二頁以下参照)されば、仮りに所論のごとく訴訟法上
本件につき事物管轄権を有する第一審裁判所が東京区裁判所ではなく、東京地方裁
判所の合議体であるべきであつたとしても、これと反対の見解に出た原上告判決を
目して右憲法の条規に反する判断をしたものとすることはできない。それ故、所論
は再上告適法の理由となし難い。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は、沢田裁判官の反対意見(前掲判決参照)を除くの外他の裁判官の一
致した意見である。
 検察官 長谷川瀏関与
  昭和二五年六月二二日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅

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