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平成18年(行ケ)第10225号審決取消請求事件(平成18年7月13日口
頭弁論終結)
判決
原告株式会社クラブコスメチックス
訴訟代理人弁理士深見久郎
同森田俊雄
同竹内耕三
同並川鉄也
被告株式会社ナチュラルプランツ
訴訟代理人弁理士工藤一郎
同渡邉直幸
同塚田美佳子
主文
特許庁が取消2005-31065号事件について平成18年4月3
日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
主文と同旨
第2当事者間に争いがない事実
1特許庁における手続の経緯
原告は,別紙1のとおり,「LAB」の文字を横書きしてなり,指定商品を
第3類「化粧品,歯みがき,香料類」とする商標登録第4028295号商標
(平成7年12月1日登録出願,平成9年7月18日設定登録,以下「本件商
標」という。)の商標権者である。
被告は,平成17年8月30日,原告を被請求人として,本件商標の指定商
品中の「化粧品」について,その登録を取り消すことについて審判を請求し,
同年9月14日,その予告登録がされた(以下「本件予告登録」という。)。
特許庁は,同請求を取消2005-31065号事件として審理した結果,平
成18年4月3日,「登録第4028295号商標の指定商品中の『化粧品』
については,その登録は取り消す。」との審決をし,その謄本は,同月13日,
原告に送達された。
2審決の理由
審決は,別添審決謄本写し記載のとおり,エスティローダー株式会社(以下
「エスティローダー社」という。)は,本件商標をその指定商品中の「化粧
品」について,商標権者(注,原告)より使用の許諾を受けた者であり,その
取扱いに係る商品を掲載したパンフレット(審判乙8,本訴甲5,本訴甲11,
本訴甲12)の表紙及びこれに掲載された「男性用化粧品」には,別紙2のと
おり,「LAB」「SERIES」「FORMEN」の各文字を三段に横書
きした標章(以下「本件使用標章」という。)が表示され,これによれば,通
常使用権者の取扱いに係る「男性用化粧品」には,それ自体独立して自他商品
の識別標識として機能を果たし得る「LAB」の文字が表示されていることが
認められるが,上記パンフレットは,その頒布時期が明らかでないなどとした
上,原告は,本件予告登録前3年以内に,日本国内において,商標権者,専用
使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る指定商品について,本
件商標の使用をしていたことを証明することができず,また,取消請求に係る
指定商品について,本件商標を使用していないことについて正当な理由がある
ことを述べるものではないので,本件商標の登録は,その指定商品中の「化粧
品」について,商標法50条の規定により取り消すべきであるとした。
第3原告主張の審決取消事由
審決は,通常使用権者であるエスティローダー社が本件商標を使用していた
事実を誤認し(取消事由),その結果,商標法50条により,本件商標の登録
は,その指定商品中の「化粧品」について取り消すべきであるとの誤った結論
を導いたものであるから,違法として取り消されるべきである。
1エスティローダー社が通常使用権者であることについて
エスティローダー社は,原告との間で,本件商標について通常使用許諾契約
を締結し(甲22ないし24),この契約は,現在も有効であって,同社は,
本件商標の通常使用権者である。
2エスティローダー社による本件使用標章の使用について
()物品受領書及び納品書(甲7,8)によれば,エスティローダー社が,本1
件予告登録前3年以内に,男性用化粧品を百貨店に納品していたことが明ら
かであり,同物品受領書の「商品コード」欄に記載された品番は,商品コー
ド一覧表(甲9)に示されるように,エスティローダー社取扱いに係る「L
AB/SERIES/FORMEN」シリーズの男性用化粧品の品番であ
り,それら品番の商品には,「LAB」「SERIES」「FORME
N」の各文字を三段に横書きした本件使用商標の文字が明確に付されている。
また,本件予告登録前3年以内に発行されたエスティローダー社の取扱い
に係る「LAB」シリーズの男性用化粧品を紹介する商品パンフレット(甲
11,12)では,男性用化粧品について,本件使用標章の文字が明確に付
されている。
さらに,本件予告登録前3年以内に発売された雑誌(甲13ないし19)
には,エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズの男性用化粧
品を紹介する記事があり,そこには,「LAB」シリーズの男性用化粧品の
ラインナップに含まれる化粧品について,本件使用標章の文字が使用されて
いることが明確に示されている。
()以上によれば,原告の通常使用権者であるエスティローダー社が,本件予2
告登録前3年以内に,本件使用標章を男性用化粧品について使用していたこ
とは明らかである。
なお,本件予告登録後である平成18年2月に発行されたエスティローダ
ー社の取扱いに係る「LAB」シリーズの男性用化粧品を紹介するパンフレ
ット(甲10)は,同時点での「LAB」シリーズの男性用化粧品を紹介す
るものであって,別紙3のとおり,「LAB」「SERIES」「SKIN
CAREFORMEN」の各文字を三段に横書きした標章(以下「本件
関連標章」という。)が表示されており,上記商品パンフレット(甲11,
12)とあいまち,「LAB」シリーズの男性用化粧品が継続的に使用され
ていることを示している。
3本件使用商標と本件商標との社会通念上の同一性について
()本件使用標章は,上記2のとおり,「LAB」シリーズの男性用化粧品等1
に使用されているものであって,本件商標と社会通念上同一と認められる商
標であることは明らかである。
()被告は,エスティローダー社が使用している商標は,「LAB」ではなく,2
「LAB/SERIES」である旨主張するが,失当である
化粧品にはファンデーション,乳液,クリーム,化粧水等,多種多様な商
品ラインナップがあり,一般的には,一つのブランド名で複数のラインナッ
プを発売するのが通常である。そして,そのラインナップに含まれる化粧品
を「SERIES」「シリーズ」として総称することが慣行として行われて
いて,化粧品業界において,「SERIES」又は「シリーズ」の語は,慣
行的に,商標の一部ではなく,単に「商品群」を意味するにすぎない語とし
て使用されている(甲26ないし69)。
そして,このような慣行により,「○○○+SERIES(シリーズ)」
という商標が付された化粧品に接した取引者・需要者は,「SERIES
(シリーズ)」の部分を単に「商品群」の語を意味するものとして認識する
のであり,化粧品のブランド名はあくまで「○○○」であって,決して「○
○○+SERIES(シリーズ)」全体をブランド名として認識することは
ない。
4審決取消訴訟における新証拠の提出について
被告は,不使用取消審判の段階において提出していない証拠を,審決取消訴
訟において提出して,登録商標の使用の事実を主張立証することは許されない
旨主張するが,登録商標の不使用取消が問題となる事案において,審判段階に
おいて提出していない証拠を,審決取消訴訟において提出することが許される
ことは,最高裁平成3年4月23日第三小法廷判決・民集45巻4号538頁
(以下「平成3年最高裁判決」という。)が判示するとおりであり,最近の裁
判例(東京高裁平成16年(行ケ)第67号審決取消請求事件,甲25)にお
いても,この趣旨が確認されている。
第4被告の反論
審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の取消事由は理由がない。
1エスティローダー社が通常使用権者であることについて
原告は,エスティローダー社が原告の通常使用権者である旨主張するが,こ
れを裏付ける事実は何ら立証されていない。
2本件使用標章と本件商標との社会通念上の同一性について
()原告提出の証拠(甲5,9,11ないし19)において,いずれの化粧品1
にも,「LAB」「SERIES」「FORMEN」の各文字を三段に横
書きしてなる本件使用標章が表示されているところ,このうち,「FOR
MEN」の表示は,「LAB」と「SERIES」との記載に比べて小さく
表示されており,当該商品は「男性用化粧品」であるから,「FORME
N」との表示は,使用対象の商品の性質を示しているにすぎず,自他商品識
別力はないといえる。
これに反し,「LAB」と「SERIES」とは,いずれも同一の書体で
表示され,かつ,「LAB」の「L」の表示と,「SERIES」の「S」
の表示位置が左位置に等しく配置され,一体感をかもしだしていて,「LA
B」と「SERIES」の文字は,外観上不可分一体のものとして把握,認
識されるものである。また,エスティローダー社自身が作成したパンフレッ
ト類(甲5,9ないし12)や雑誌の紹介記事(甲13ないし19)におい
ても,「ラボシリーズ」との片仮名表記がされている。
したがって,「LAB」と「SERIES」とは,外観上不可分一体のも
のとされる「LAB/SERIES」として把握,認識されるから,エステ
ィローダー社が使用している本件使用標章は,本件商標と社会通念上同一で
あるとはいえない。
()原告は,本件商標とは異なる「LABSERIES」という商標の商標2
権者でもあるが,これは,原告自身,「LAB」と「LAB/SERIE
S」とが,同一の商標ではないと判断したことによる。
また,商標権者は,指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする
権利を専有する(商標法25条)。そして,登録商標に類似する商標につい
ては,他人による使用を排除する効力を有するにすぎず(同法37条),商
標権者は,これを他人に積極的に使用許諾することはできない。本件におい
て,原告は,エスティローダー社に対して,「LAB/SERIES」につ
いての使用許諾ではなく,「LAB」の使用許諾をしていると審決で認定さ
れている。つまり,エスティローダー社は,「LAB/SERIES」では
なく,「LAB」の使用許諾を受けているにすぎない。したがって,エステ
ィローダー社が使用する商標「LAB/SERIES」は,原告から使用許
諾を受けた本件商標「LAB」ではない。
以上のとおり,本件使用標章と本件商標とは,社会通念上同一ではない。
3審決取消訴訟における新証拠の提出について
(1)原告は,不使用取消審判の段階において未提出の証拠(甲7ないし19)
を本件訴訟に提出して,本件商標の使用の事実を主張する。
しかし,審決取消訴訟は,不使用による取消しの処分(原処分)に対して
ではなく,審決に対して認められるものであり,審判手続は,民事訴訟に類
似した諸手続を定め,特定されて当事者らに明確にされた取消原因をめぐっ
て攻防が行われ,かつ,審判官による審理判断もこの争点に限定していると
いう手続構造を採用している。このように当事者らの関与の下に十分な審理
がされているから,審決取消訴訟は,東京高裁の専属管轄とされ,事実審を
一審,省略している。そして,商標登録の不使用取消審判においてその判断
の違法が争われた場合には,もっぱら当該手続において現実に争われ,かつ,
審理判断された特定の取消原因に関するもののみが審理の対象とされるべき
ものである(最高裁昭和51年3月10日大法廷判決・民集30巻2号79
頁参照)。
したがって,審決取消訴訟において新たに提出された上記証拠がいまだ提
出されていない状況において,パンフレット(甲5,11,12,審判乙
8)の頒布時期が不明確であるとして,取消請求に係る指定商品についての
本件商標の登録を取り消した審決に何ら違法性はない。
(2)商標の不使用取消審判を規定する商標法50条の文言解釈及び制度趣旨に
かんがみると,審判時において提出していない新たな証拠を審決取消訴訟に
おいて提出することは,許されるべきではない。
平成3年最高裁判決の多数意見は,商標法50条2項本文について,登録
商標の使用の事実をもって商標登録の取消しを免れるための要件としたが,
そのことから,何らの制限もなしに登録商標の使用の事実の立証は審決取消
訴訟の事実審の口頭弁論終結に至るまで許されるとすることは,法の趣旨に
かんがみ,妥当ではない。
商標法50条2項本文が「前項の審判の請求があった場合においては,・
・・登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,商標権者
は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」と,
わが国の法体系上も例の少ない要件を定めたのは,商標権の保護と活用,特
に長期の不使用による休眠商標権の排除に資するためであり,審判の円滑な
手続のため,審判の被請求人には,自己の権利を守るための誠実な対応を求
められている。商標権者は,商標法25条に基づき登録商標の使用を専有す
るという特典を与えられ,かたわら,その使用の事実を最もよく知り又は知
り得る立場にあって,容易に使用事実の証明をすることのできる者であるか
ら,同法50条1項に基づく不使用取消審判の請求があった場合,被請求人
である商標権者は,登録商標使用の事実について証明することを要するとし
たのが,同条2項本文の法意である。
本件では,原告が有する本件商標について,被告が,商標法50条1項に
基づく不使用取消審判を請求したのに対し,被請求人である原告が,審判に
おいて,同条2項の要件の充足性についての対応をするのに可能な十分な応
答期間が与えられており,その十分な主張立証を踏まえた上で審決がされた
ものである。
したがって,処分の取消しを求める訴訟における一般原則により,原告が,
本件訴訟において,新たに,本件商標の使用の事実について立証することは
許されない。
第5当裁判所の判断
1通常使用権者による本件使用標章の使用について
()証拠(甲22ないし24)によれば,原告は,本件予告登録前である平成1
8年以降,現在に至るまで,エスティローダー社に対し,本件商標の通常使
用権を許諾し,同社は,その通常使用権者であることが認められる。
()証拠(甲5,7ないし9,11ないし19)によれば,エスティーローダ2
社が,本件予告登録前3年以内に,「アラミスラボシリーズ」と称する
洗顔フォームその他の男性用化粧品を販売したこと,それらの男性用化粧品
ラインナップに含まれる化粧品には,別紙2のとおりの「LAB」「SER
IES」「FORMEN」の各文字を三段に横書きしてなる本件使用標章
が付されていること,同期間に作成,頒布されたエスティローダー社の取り
扱いに係る男性用化粧品のパンフレットやそれらの商品を紹介する雑誌の記
事にも本件使用標章が付された化粧品が掲載されていることが認められる。
なお,本件予告登録後である平成18年2月にエスティローダー社が発行
したパンフレット(甲10)には,「LAB」「SERIES」「SKIN
CAREFORMEN」の各文字を三段に横書きしてなる本件関連標章
が付された商品等が記載されている。
()以上のとおり,本件商標の通常使用権者であるエスティローダー社は,本3
件予告登録前3年以内に,日本国内において,本件使用標章を商標として使
用(商標法2条3項1号,8号)したことが明らかである。
2本件使用標章と本件商標との社会通念上の同一性について
()本件使用標章は,上記のとおり,「LAB」「SERIES」「FOR1
MEN」の各文字を三段に横書きしてなるものであり,いずれも同一書体に
より表示され,かつ,各文字の語頭は縦にそろうように配置されているが,
「FORMEN」の表示は,「LAB」と「SERIES」の表示に比べ
て小さい上,本件使用標章が取消請求に係る指定商品の「化粧品」に付され
た場合には,取引者・需要者は,それが「男性用化粧品」という商品の用途
を示す標章であると認識,理解するものと認められる。したがって,本件使
用標章の構成中の「FORMEN」という部分には自他商品の識別力がな
いというほかはない。
()次に,「LAB」と「SERIES」の各文字は,上記のとおり,いずれ2
も同一書体により表示され,かつ,各文字の語頭は縦にそろうように配置さ
れているが,各文字は段を違えて表示されているのであり,一列に併記した
場合に比して,「LAB」と「SERIES」の一体性を希薄化させている
ばかりでなく,最上段にあってわずか3文字からなる「LAB」の部分を,
これより字数が多く,やや文字が圧縮された感のある第二段の「SERIE
S」の部分より相対的に際立たせるものとなっている。
また,「LAB」の語は,「実験室,研究室」等を意味する「labor
atory」の略語である「lab」を大文字表記したものともいえるが,
他の何らかの意味を表す既成の語あるいは造語であるとの理解も生じ得ると
ころであり,一般的に,直ちに特定の観念を生じさせるものとまで断定する
ことはできない。これに対し,「SERIES」の語は,「シリーズ」と読
まれる平易な英語であって,「連続」,「続きもの」,「シリーズもの」の
意味に認識され,それ自体としては,自他商品の識別機能は微弱である。加
えて,証拠(甲26ないし69)によれば,化粧品の取引業界では,一つの
ブランド名で複数の商品ラインナップを発表し,そのラインナップに含まれ
る化粧品を「SERIES」「シリーズ」として総称することも広く行われ
ていることが認められるから,本件使用標章の構成中,「LAB」と「SE
RIES」の語も,「LAB」の「シリーズ」という観念を生じさせるとい
うことができる。
そうすると,本件使用標章は,取引者・需要者に対し,その構成中の「L
AB」の部分が顕著な印象を与えるものであり,同部分に自他商品の識別力
があると認めるのが相当である。
()被告は,本件使用標章のうち,「LAB」と「SERIES」の文字は,3
外観上不可分一体のものとして把握,認識されるものであることなどを理由
に,本件使用標章と本件商標が社会通念上同一ではない旨主張する。
しかしながら,上記()のとおり,本件使用標章は,その構成,外観,取2
引の実情等に照らし,「LAB」の部分に自他商品の識別機能を見いだすこ
とができるのである。
また,本件使用標章を付した商品のパンフレット(甲5,11,12)及
び同商品を紹介した雑誌の記事(甲13ないし19)において,当該商品は
「アラミスラボシリーズ」,「ラボシリーズ」として紹介されている
ところ,「ラボ」と「シリーズ」の間には一字分の空白があるのであり,こ
れらの記載をもって「LAB」と「SERIES」が不可分一体のものとし
て把握,認識されると認めるに足りず,その他取引の実情において,取引者
・需要者において,「LAB」と「SERIES」を不可分一体のものとし
て把握,認識すると認めるに足りる証拠はない。
なお,被告は,原告は,本件商標とは異なる「LABSERIES」と
いう商標の商標権者でもあるが,これは,原告自身,「LAB」と「LAB
/SERIES」とが,同一の商標ではないと判断したことによるとか,エ
スティローダー社が使用する商標「LAB/SERIES」は,原告から使
用許諾を受けた本件登録商標「LAB」ではないと主張するが,いずれも,
上記(),()の認定判断を妨げるものではない。12
()以上によれば,本件使用標章は,その構成中の「LAB」の部分が,独立4
して自他商品の識別機能を有していると認められるから,本件使用標章は,
本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべきである。
3審決取消訴訟における新証拠の提出について
被告は,商標権者である原告が,不使用取消審判の段階において未提出の証
拠(甲7ないし19)を本件訴訟に提出して,本件商標の使用の事実を主張す
ることは許されない旨主張する。
しかし,商標法50条2項本文は,商標登録の不使用取消審判の請求があっ
た場合において,被請求人である商標権者が登録商標の使用の事実を証明しな
ければ,商標登録は取消しを免れない旨規定しているが,これは,商標権者が
審決時において使用の事実を証明したことをもって,取消しを免れるための要
件としたものではないから,登録商標の使用の事実の立証は,当該登録商標の
不使用取消審決の取消訴訟における事実審の口頭弁論終結時に至るまで許され
るものと解するのが相当である(平成3年最高裁判決参照)。以上の理は,現
在の審決取消訴訟の実務において確立された取扱いとして定着しており,いま
これを変更する要をみない。被告の主張は,独自の見解にすぎず,採用するこ
とができない。
4以上によれば,本件予告登録前3年以内に,本件商標の通常使用権者が,日
本国内において,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を,取消請求に
係る指定商品中の「化粧品」について使用していたことが認められる。
したがって,原告主張の取消事由は理由があるから,審決は違法として取消
しを免れない。
よって,原告の請求は理由があるから認容することとし,主文のとおり判決
する。
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官篠原勝美
裁判官宍戸充
裁判官柴田義明
(別紙1)
(別紙2)
(別紙3)

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