弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人マイクル・エー・ブラウン、同馬場東作の上告趣意について。
 所論は憲法三一条違反を主張するけれども、その実質においては、原判決がした
証拠判断、事実認定の違法を争うものと認められ、刑訴四〇五条に定める事由にあ
たらない。(しかして、所論(一)の点に関する原判示の趣旨は、結局第一審判決
挙示の証拠を綜合すれば第一審認定の本件被告人の犯行を証明するに足りる合理的
な理由があり、これを覆えすべき所論主張のような事由を認めるに足りる証拠はな
く、第一審の認定について合理的疑を存する余地はないというに帰する。これを記
録に照らしてみても、原判示は正当であつて、本件事例において所論のような違法
があるものとは認められない。次に所論(二)の点に関する原審判示の帰するとこ
ろは、結局第一審判決挙示の証拠によつて所論判示事実を認め得るのであつて、所
論証人Aの証言は採用し難く、他に所論事由を認めるに足りる証拠のない本件にお
いては、第一審認定に理由のくいちがい又は審理不尽による事実誤認の疑はないと
いうにある。右の判断は正当であつて所論の違法あるものとは認められない。)
 なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三〇年二月二五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三

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