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裁判例


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       主   文
1 被申立人は,被申立人を原告とし,申立人を被告とする当庁平成14年(行
ウ)第335号不当労働行為救済命令取消請求事件の判決確定に至るまで,申立人
が中労委平成13年(不再)第5号事件について発した命令によって維持するもの
とした,新労委平成11年(不)第1号事件について新潟県地方労働委員会がした
平成13年1月29日付け命令の主文第1項及び第2項に従わなければならない。
2 申立費用は,補助参加によって生じたものを含め,被申立人の負担とする。
       理   由
1 本件緊急命令申立ての趣旨及び理由は,別紙1の緊急命令申立書記載のとおり
であり,申立人が被申立人に対し履行を求める,新労委平成11年(不)第1号事
件について新潟県地方労働委員会がした平成13年1月29日付け命令(以下「本
件命令」という。)の主文第1項及び第2項は,別紙2のとおりである。
2 一件記録によれば,申立人が本件命令を維持するものとした中労委平成13年
(不再)第5号事件の平成14年7月3日付けの命令は,その認定及び判断におい
て正当であり,適法であると認められる。
 そして,一件記録によれば,被申立人は,申立人が発した上記命令の命令書写し
を受領した後も,今日に至るまで,本件命令主文第1項及び第2項を履行しておら
ず,申立人が発した前記命令の取消請求事件の判決が確定するまで不履行の状態が
継続した場合,申立人補助参加人の組合員としての団結権の侵害及び経済的損失は
著しく進行し,回復困難な損害が生ずるおそれがあると認められるから,緊急命令
の必要性があるというべきである。
3 よって,主文のとおり決定する。
平成15年12月3日
東京地方裁判所民事第11部
裁判長裁判官 三代川三千代
裁判官 龍見昇
裁判官 鈴木昭洋
(別紙1)
緊急命令申立書
平成14年10月2日
東京地方裁判所民事第11部 御中
申立人指定代理人 a
同 b
同 c
同 d
申立人 東京都港区<以下略>
中央労働委員会
代表者会長 e
指定代理人公益委員 a
厚生労働事務官 b
同 c
同 d
(送達場所) 〒×××-××××
港区<以下略> 労働委員会会館内
中央労働委員会事務局 審査第3課
TEL ××××-××××
FAX ××××-××××
被申立人 新潟県新潟市<以下略>
新潟県厚生農業協同組合連合会
代表者 代表理事 f
1.申立の趣旨
 申立人は、被申立人新潟県厚生農業協同組合連合会(以下「連合会」という。)
を原告、申立人を被告とする御庁平成14年(行ウ)第335号不当労働行為救済
命令取消請求事件の判決の確定に至るまで、申立人が中労委平成13年(不再)第
5号事件について発した命令によって維持するものとした新潟地労委平成11年
(不)第1号事件について、新潟県地方労働委員会がした平成13年1月29日付
け命令の主文第1項及び第2項に従い、
「1 被申立人は、申立人を平成11年4月1日以降三条総合病院看護部主任から
長岡中央看護専門学校専任教員心得に転勤させる旨の同年3月12日付け辞令を取
り消し、申立人を三条総合病院看護部に主任として勤務させなければならない。
2 被申立人は、申立人に対し、平成11年4月1日から申立人が原職に復帰する
までの間、同人が原職で勤務していれば受けるはずであった給与及び賞与に相当す
る額(既払額を除く。)を支払わなければならない。」
との決定を求める。
2.申立の理由
(1) 申立外gは、①被申立人連合会が、申立外新潟県厚生連労働組合三条総合
病院支部(以下「支部」という。)の支部長であったgに対して、平成11年3月
12日に同年4月1日付けで三条総合病院から長岡中央看護専門学校(以下「専門
学校」という。)専任教員心得を命じる辞令を出したこと等が不当労働行為である
として、同11年4月1日に新潟県地方労働委員会に救済を申し立てた。
 同委員会は、上記救済申立てについて、新潟地労委平成11年(不)第1号事件
として審査の結果、平成13年1月29日付けで別添疎甲第1号証の「主文」記載
のとおりの命令(以下「初審命令」という。)を発した。
(2) 被申立人は、初審命令を不服として、平成13年2月7日、申立人に再審
査を申し立てた。この再審査申立てについて、申立人は、中労委平成13年(不
再)第5号事件として審査の結果、平成14年7月3日付けで別添疎甲第2号証の
「主文」記載のとおりの命令を発し、上記命令書(写)は同年8月15日、被申立
人に交付された。
(3) 被申立人は、平成13年8月12日付けで、上記命令の取消しを求める旨
の行政訴訟を提起し、御庁平成14年(行ウ)第335号事件として現在審理中で
ある。
(4) 被申立人は、上記命令書(写)交付後も、当委員会が支持した初審命令主
文を任意に履行する態度を示していないことは、命令の履行状況調査(疎甲第3号
証、同第4号証)から明らかである。
 本案行政訴訟事件の判決が確定するまで現在の状態が継続することになれば、g
はさらに長期にわたって職場復帰できないばかりではなく、経済的にも多大の損失
を被ることになり、また、同人の組合活動も大幅に阻害されることとなる。
 また、gからは、疎甲第4号証のとおり、早期に緊急命令を申し立ててもらいた
い旨の要請書が提出されおり、その中で、gはすでに3年4ヶ月にわたり、職場に
復帰できないばかりか、本件命令発出前の平成14年2月14日に発せられた新潟
地方裁判所における賃金支払い仮処分決定(疎甲第5号証)において、gの転勤命
令を不当労働行為と認定したうえで、「同年2月1日から第1審本案判決言渡しに
至るまで、毎月25日限り34万7,700円を支払え。」と決定しているにもか
かわらず、それより約5万円不足した金員しか支払われていないとのことであり、
また、本件転勤発令の同11年4月1日以降、上記仮処分決定により賃金が支払わ
れるまで同11年夏期賞与を除き給与は支払われていなかった。
 このように、被申立人によって侵害された組合員としての団結権及びgの被る経
済的損失は顕著であって、上記損失等を回復することが困難なものとなることは見
易いところであり、これは労働組合法の趣旨、目的に反するものである。
(5) 申立人は、上記のような状態がそのまま存続するならば、労働組合法の立
法精神も没却されてしまうこととなるので、平成14年9月18日開催の第136
3回公益委員会議において、労働組合法第27条第8項の規定に基づき、本件申立
てを行うことを決議した(疎甲第6号証)。
よって、本件申立てに及んだ次第である。
疎明方法
1 疎甲第1号証 新潟県地方労働委員会命令書(写し)
2 疎甲第2号証 中央労働委員会命令書(写し)
3 疎甲第3号証 新潟県厚生農業協同組合連合会からの「報告書」(写し)
4 疎甲第4号証 gからの「中労委命令の履行状況の報告と緊急命令の申立の要
請書」(写し)
5 疎甲第5号証 平成13年(ヨ)第248号 賃金支払い仮処分命令申立て事
件決定書(写し)
6 疎甲第6号証 中央労働委員会第1363回公益委員会議議事録抄
付属書類
1 疎甲第1号証ないし疎甲第6号証 各1通
2 指定代理人指定書         1通
別紙2(本件命令主文第1項及び第2項)
1 被申立人は,申立人を平成11年4月1日以降三条総合病院看護部主任から長
岡中央看護専門学校専任教員心得に転勤させる旨の同年3月12日付け辞令を取り
消し,申立人を三条総合病院看護部に主任として勤務させなければならない。
2 被申立人は,申立人に対し,平成11年4月1日から申立人が原職に復帰する
までの間,同人が原職で勤務していれば受けるはずであった給与及び賞与に相当す
る額(既払額を除く。)を支払わなければならない。

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