弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人の弁護人元木守の上告趣意について。
 本件記録に存する被告人に対する逮捕状(記録七五丁)及び弁解録取書(同二三
四丁)によれば被告人は昭和二六年一一月九日附逮捕状により同日逮捕されるとす
ぐに、即日佐世保市Aにおいて佐世保市警察署司法警察員巡査から犯罪事実の要旨
を告げた上弁解の機会を与えられているのであるが、その際右巡査から弁護人を選
任することができる旨をも告げられていることは右弁解録取書に徴し明らかである。
それ故これが機会を与えられなかつたことを前提とする論旨第一点はその前提を欠
き適法な上告理由とならない。又原判決は、「第一審判決は量刑の点においても不
当はない」と判断を示しているので論旨第二点も前提を欠き適法な上告理由となら
ない。
 被告人の弁護人平谷順三の上告趣意は、要するに、量刑不当の主張であつて刑訴
四〇五条の上告理由にあたらない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきも
のとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和二九年五月二五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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