弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人広田晋一の上告趣意(後記)第一点について。
 所論は原審で主張も判断もされなかつた事項であるのみならず、司法警察員が犯
人を逮捕した時、犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を犯人に告
げたことを必ず調書に記載すべき旨の法規は存在しないから、かかる記載が存しな
いからといつて被告人の逮捕をもつて憲法三四条に違反するものということはでき
ないことは、当裁判所の判例(昭和二五年(あ)第一一六六号同年一一月三〇日第
一小法廷決定、集四巻一一号二四三八頁)の趣旨に徴し明らかなところである。論
旨は採用することはできない。
 同第二点について。
 所論は、第一審が弁護人からの証人Aの請求を却下したことについて、その違憲
を主張するのであるが、この点については控訴趣意において明らかな主張がなく、
原判決の判断を経ていないばかりでなく、記録を調べても原審においては所論の証
人請求があつたとは認められない。所論はこの点においてすでに前提たる事実を欠
くから、適法な上告理由とならない。
 同第三点第四点について。
 所論は、原審が執行猶予を求める控訴趣意に対しなんら判断をしない違法がある
と主張し、またこのことを前提として憲法三二条違反を主張するのであるが、原審
は、弁護人の量刑不当の控訴趣意に基き、第一審の懲役二年の刑を重きに過ぎると
認め、論旨を理由ありとし破棄自判して懲役一年としたのである。量刑不当の控訴
趣意に対しこれをいかに判断し、または論旨を理由ありとし破棄自判する場合いか
なる範囲の量刑をするかは、すべて事実審の専権事項に属し、控訴趣意に具体的な
刑を示したからといつて、裁判所はなんらこれに拘束されるものではない。従つて
弁護人が控訴趣意の末段に「執行猶予の恩典に預りたい」と述べたことは、単に量
刑不当の控訴趣意に希望を附したに過ぎないと認めるべきであつて、刑訴法は、具
体的な量刑の範囲又は執行猶予を附すべき旨の主張を、独立適法な控訴の理由と認
めたものとは解されない。されば原判決はこの点についてなんら判断を明示しなか
つたのは当然であり、また理由のくいちがいも存在しない。所論違憲の主張は前提
を欠き適法な上告理由とならない。
 同第五点第六点について。
 所論第五点は違憲に名を藉る訴訟法違反の主張であり、また第六点は量刑不当の
主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す
る。
  昭和二九年七月六日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛