弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
1 被告Aは、篠山市に対し、金35万7780円及びこれに対する平成8年8月
31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告の被告B及び同Aに対する請求の趣旨2項の請求(「篠山町職員退職記念
品等給付要綱」に基づく支出の違法確認及び同要綱の無効確認を求める請求)にか
かる訴えを却下する。
3(1) 原告の被告C及び同Bに対する請求の趣旨3項の請求(篠山町がDらに
宅地を分譲した契約についての解除権及び買戻権の不行使に基づく代位損害賠償請
求並びに怠る事実の違法確認請求)にかかる訴えのうち、Eに対する宅地分譲に関
する訴えを却下する。
(2) 原告の請求の趣旨3項のその余の請求(F・G及びHに対する宅地分譲に
関する請求)を棄却する。
4 訴訟費用は、原告と被告Aの間では各自の負担とし、原告と被告B及び同Cの
間では原告の負担とする。
5 この判決は、1項に限り、仮に執行することができる。
       事実及び理由
第1 請求の趣旨
1 主文1項同旨。
2 被告B及び同Aが「篠山町職員退職記念品等給付要綱」に基づき公金200万
円をそれぞれ支出した行為が違法であること及び同Bが制定した「篠山町職員退職
記念品等給付要綱」が無効であることを確認する。
3(1) 被告C及び同Bは、篠山市に対し、金100万円及びこれに対する平成
9年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 被告C及び同B両名が、篠山町がE、F、G、Hに宅地を分譲した契約に
つき解除権及び買戻権の行使を怠る事実が違法であることを確認する。
第2 事案の概要等
1 事案の概要
本件は、いずれも篠山市の住民である原告が提起した住民訴訟で、
(1) 請求の趣旨1項の請求は、当時の篠山町長であった被告Aが平成8年8
月、公金35万7780円を支出して、第二次大戦の戦没者の遺族に「お盆、英
霊、ご帰壇、お供え、合掌」等の仏教及び神道の宗教用語を用いた書面(乙6の
1)(以下「本件書面」という。)を添え、仏教信者の遺族988戸に350円の
線香を、神道信者の遺族6戸に280円のローソクをそれぞれ配布したのは、憲法
14条、20条2項・3項、89条、99条に違反するものであって、その購入代
金等として支出した金額35万7780円相当の損害を篠山市に被らせたものであ
るとして、篠山市に代位して賠償を求める事案(以下「1事件
」という。)。
(2) 請求の趣旨2項の請求は、被告Bが篠山町長の職にあった当時・元助役・
収入役のIに対し、また、被告Aが篠山町長の職にあった当時、元町長の被告Bに
対しそれぞれ「篠山町職員退職記念品等給付要綱」(以下「本件要綱」という。)
に基づき退職記念品料として各200万円を支出したのは違法であるとして、各支
出行為が違法であることの確認を求めるとともに、本件要綱が憲法に違反するとし
て無効であるととの確認を求める事案(以下「2事件」)という。)。
(3) 請求の趣旨3項の請求は、当時の篠山町長であった被告B、同町建設課長
であった同Cは、「篠山町が分譲した宅地を購入した者は、一定期間内に建物を建
築しなければならないのに、購入者がそれをしなかった場合、篠山町は、宅地分譲
契約につき解除権及び買戻権を行使しなければならなかった。」にもかかわらず、
一定期間内に建物を建築しない購入者であるEらに対し、建物の建築を促さず、ま
た、宅地分譲契約につき解除権、買戻権の行使を怠る等し、その結果、本来篠山市
が徴収できるはずであった分譲宅地上に建てられるべき建物の固定資産税及び同建
物での居住に伴う住民税を徴収することができず、各税額相当額の損害を篠山市に
被らせたとして、篠山市に代位して100万円の損害賠償の支払いを求めるととも
に、Eらとの間の各宅地分譲契約(以下、本件で原告が問題とする宅地分譲契約を
「本件宅地分譲契約」という。)につき解除権及び買戻権の行使を怠る事実が違法
であることの確認を求める事案(以下「3事件」という。)である。
2 前提事実(末尾に証拠を記載した事項は、証拠によって認定した事実であり、
それ以外の事実は、当事者間に争いのない事案である。)
(1) 篠山町は平成11年4月1日、丹南町、多紀町、西紀町と合併して、篠山
市となった(以下、合併前の旧篠山町を単に「篠山町」という。)。
(2) 被告B、被告Aは、いずれも篠山町の元町長で、被告Cは、同町の元建設
課長である。
(3) (1事件関係)
① 篠山町は、平成8年8月、篠山町長A名義で、本件書面と線香又はローソク
を、同町の職員を使って、同町内の第二次大戦の戦没者の遺族994戸に配布した
(乙6の1・2、証人J)。
② 篠山町は、同月30日、線香及びローソクの購入代金並びに本件書面の印刷代
として、合計35万7780円を支出した(以下「本件線香等にか
かる公金支出」という。)。
③ 本件書面には、以下のとおりの記載がある(乙6の1)。
       記
 歳月の経つのは早いもので、戦後五十年がすぎ、お盆をひかえさぞかし懐かしい
英霊のご帰壇を心待ちされている事と存じます。
 篠山町といたしましても、国家のため一身を捧げられました諸英霊に感謝し、さ
さやかではございまずが、ここに粗品をお供えし、謹んで追悼の誠をささげたく存
じます。(中略)合掌
(4) (2事件関係)
① 本件要綱には、以下のような内容を含む記載がある(甲8)。
       記
a この要綱は、退職する特別職の職員(町長、助役、収入役、教育長)及び一般
職の職員(特別職以外の職員)に対し、勤務の年数に応じ、退職記念品等を給付す
ることを目的とする。
b 記念品等の金額
ア 特別職の職員
4年未満勤続            50万円相当額
4年以上~8年未満勤続      100万円相当額
8年以上~12年未満勤続     150万円相当額
12年以上勤続          200万円相当額
イ 一般職の職員
5年以上~15年未満勤続     3万円相当額
15年以上~25年未満勤続    5万円相当額
25年以上勤続          8万円相当額
② 被告Bは、平成8年4月8日ころ、篠山町長として本件要綱に基づき、元助
役・収入役のIに対し200万円を、被告Aは、平成9年5月13日ごろ、篠山町
長として本件要綱に基づき、元町長の被告Bに対し200万円をそれぞれ振り込み
送金した。
③ 篠山町は、平成9年3月17日Iから、同年2月7日被告Bから各200万円
及びこれに対する各受領日から返還日までの年5分の割合による利息相当金の全額
の返還を受けた(乙7、9)。
④ なお、本件要綱は、平成9年1月31日、廃止された(弁論の全趣旨)。
(5) (3事件関係)
 篠山町は、譲受人が自ら居住するための専用住宅建設用地として、以下の①ない
し④の者に対し、各a記載のとおり、建築条件の特約(以下「本件建築条件特約」
という。)付きで宅地を分譲した(本件宅地分譲契約。乙1ないし4)。なお、各
分譲宅地上の各建物の建築確認年月月は各bに、各建築された建物の完成時期及び
構造等は各cに、各建物にかかる固定資産税額は、各dにそれぞれ記載したとおり
である。
① E関係(乙1、20)
a 売買契約   昭和62年9月30日予約
        同年
11月20日本契約
分譲宅地    β592番22
161.86平方メートル(以下「1土地」という。)
代金額     785万8800円
宅地引渡時期  昭和62年11月20日
建築条件    宅地の引渡しを受けた日から2年以内に住宅建設工事を完成しな
ければならない。
条件違反の場合 篠山町は、Eが上記建築条件に違反した場合は、契約を解除する
とともに宅地を譲渡した価額で買い戻すことができる。買戻し期間は、宅地の引渡
しの日から5年とする。
b 建築確認年月日 平成4年10月29日
c 建築された建物 平成8年4月30日完成、木造瓦葺2階建居宅(1階79.
82平方メートル、2階69.85平方メートル)
d 固定資産税額  平成9年度から平成11年度まで(年14万5200円。但
し、新築軽減措置として、この金額から概ね年5万8000円が減額された。)、
平成12年度(11万9400円)(調査嘱託の結果)
② F関係(甲9の1・2、乙2、11、21)
a 売買契約   平成2年12月19日予約
         平成3年3月20日本契約
分譲宅地     γ268番8
233.74平方メートル(以下「2土地」という。)
代金額      1378万6500円
宅地引渡時期   平成3年3月30日
建築条件     宅地の引渡しを受けた日から5年以内に住宅建設工事を完成し
なければならない。
条件違反の場合  篠山町は、Fが上記建築条件に違反した場合は、契約を解除す
るとともに宅地を譲渡した価額で買い戻すことができる。買戻し期間は、宅地の引
渡しの日から5年とする。
b 建築確認年月日 平成7年6月7日
c 建築された建物 平成8年4月3日完成、木造スレート葺平家建居宅(20.
70平方メートル)
d 固定資産税額  平成9年度から平成11年度まで(年1万6500円)、平
成12年度(1万3500円)(調査嘱託の結果)
 なお、Fは、建物につき所有権保存登記を経由した平成8年4月12日当日、K
に対し、同建物及び篠山町から分譲を受けた2土地につき、民法646条2項に基
づき所有権を移転し、これを登記原因とする所有権移転登記手続をした。
③ G関係(乙3、12、22)
a 売買契約  平成2年12月18日予約
        平成3年3月25日本契約
分譲宅地    γ268番15
210.67平方メートル(以下「3土地」という。)
代金額    
  1242万5400円
宅地引渡時期   平成3年3月30日
建築条件     宅地の引渡しを受けた日から5年以内に住宅建設工事を完成し
なければならない。
条件違反の場合  篠山町は、Gが上記建築条件に違反した場合は、契約を解除す
るとともに宅地を譲渡した価額で買い戻すことができる。買戻し期間は、宅地の引
渡しの日から5年とする。
b 建築確認年月日 平成7年9月26日
c 建築された建物 平成8年9月30日完成、木造スレート葺2階建居宅(1階
55.50平方メートル、2階51.50平方メートル)
d 固定資産税額  平成11年度(年7万9000円。但し、新築軽減措置とし
て、この金額から3万9510円が減額された。)、平成12年度(年7万150
0円。但し、新築軽減措置として、この金額から3万5734円が減額された。)
(調査嘱託の結果)
④ H関係(乙4、13)
a 売買契約  平成2年12月14日予約
        平成3年3月25日本契約
分譲宅地    δ123番7、同γ268番21
276.07平方メートル(以下「4土地」という。)
代金額     1628万4450円
宅地引渡時期  平成3年3月30日
建築条件    宅地の引渡しを受けた日から5年以内に住宅建設工事を完成しな
ければならない。
条件違反の場合 篠山町は、Hが上記建築条件に違反した場合は、契約を解除する
とともに宅地を譲渡した価額で買い戻すことができる。買戻し期間は、宅地の引渡
しの日から5年とする。
b 建築確認年月日 平成8年3月22日
d 固定資産税額  平成10年度及び平成11年度(年12万1000円。但
し、新築軽減措置として、両年度ともこの金額から5万2272円が減額され
た。)、平成12年度(10万2200円。但し、新築軽減措置としてこの金額か
ら4万4125円が減額された。)(調査嘱託の結果)
3 各事件ごとの主要な争点及びそれらに関する当事者の主張
(1) 1事件について
本件線香等にかかる公金支出は違法か。
(原告の主張)
① 最高裁平成9年4月2日大法廷判決・民集51巻4号1673頁は、いわゆる
愛媛玉串料訴訟事件において、愛媛県が靖國神社又は愛媛県護國神社の挙行した祭
祀である例大祭等に際し、玉串料、献灯料又は供物料を奉納するため、県の公金か
ら数回にわたって支出したのは、憲法20条3項、89条に違反すると判断したも
のであるが、本
件も、宗教上の儀式の必需品である供物に公金が支出された点で共通している。
② 被告Aが、篠山町の職員を使って、「お盆、英霊、ご帰壇、お供え、合掌」等
の仏教及び神道の宗教用語を用いた本件書面とともに、宗教的儀式に使用され、そ
の必需品とされる線香(仏教の信者に対して)又はローソク(神道の信者に対し
て)を994遺族に配布した行為は、その配布を受けた住民に対し、仏教や神道の
宗教的儀式(仏事・祭祀)の挙行を促すもので、「お盆」の宗教行事を強制するも
のである。また、その線香及びローソクの配布は、その行為の性質からして、いく
つかの「特定の宗教」を信仰する者を公認的(通例的・原則的)に取り扱い、それ
と「異なる宗教」を信仰する者や「無宗教」の者を異端的(特例的・例外的)に取
り扱うものである。したがって、本件線香等にかかる公金支出は、憲法14条、2
0条2項・3項、89条、99条に違反する。
③ 本件線香等にかかる公金支出の目的が「戦没者の追悼」や「遺族の慰謝」にあ
ったとしても、線香等を配布することは、到底、公共の利益につながるものとはい
えず、地方自治法232条の2にいう「公益上必要」という要件を満たしていな
い。
(被告Aの主張)
① 本件の線香等にかかる公金支出は、愛媛玉串料訴訟事件とは異なり、単なる戦
没者の追悼を目的とした福祉行政の一環としてなされたものであって、線香等の配
布に特定の宗教と結びつくような宗教的意義はない。それらは、戦没者の遺族に対
してなされたもので、世俗的に慣習化した行為である。その効果においても、特定
の宗教に対する援助、助長、促進、又は圧迫、干渉等になるような行為ではない。
したがって、線香等の配布ないしそれへの公金の支出は違法でない。
② また、本件の線香等の配布は、悲惨な大戦の犠牲者である戦没者に対し追悼と
敬愛の意を表して、その遺族になしたものであるから、まさしく地方自治法232
条の2にいう「公益上必要」がある場合に該当する。
(2) 2事件について
 2事件の訴えは、適法か。また、I及び被告Bに対する本件要綱に基づく各20
0万円の支出は、違法か。
(原告の主張)
① 2事件の請求は、I及び被告Bが本件要綱に基づいて各受領した200万円及
び利息相当額を篠山町に返還したとしても、何らの影響も受けず、過去の法律関係
の確認を求めるものではなく、現在もなお訴えの利益がある。
② 本件要綱に基
づく町長等特別職の職員に給付する記念品等の額は、一般職の職員に給付する記念
品等の額に比すと、何十倍もの高額となり、社会通念上の儀礼の範囲をはるかに超
える額である(申8)。したがって、I及び被告Bに対する本件要綱に基づく各2
00万円の支出は違法である。上記のような本件要綱自体、お手盛りの要綱であっ
て無効である。
(被告B、同Aの主張)
① 地方自治法242条の2第1項3号によれば、住民訴訟における違法確認の請
求の対象は、当該怠る事実、すなわち同法242条1項にいう「公金の賦課若しく
は徴収又は財産の管理を怠る事実」とされている。
 2事件の請求における違法確認の対象は、本件要綱自体並びに本件要綱に基づく
I及び被告Bに対する退職記念品料の支出であって、住民訟における違法確認の請
求の対象に該当しない。しかも、2事件の請求は、過去の法律関係についてその違
法確認を求めるものであるから、訴えの利益がない。
したがって、2事件の請求にかかる訴えは、不適法であるから、却下されるべきで
ある。
② I及び被告Bに対する退職記念品料の支出は、両名の長年にわたる特別職とし
ての功績に報いるため、本件要綱に基づき、平成8年度篠山町一般会計補正予算と
して同町議会にそれぞれ上程され、審議の結果可決されて実施されたものである。
 なお、前記2(4)の③及び④のとおり、本件要綱は、平成9伸1月31日廃止
され、これに伴い、篠山町は、I及び被告Bから各200万円及び利息相当金の全
額の返還を受けているものである。
(3) 3事件について
Eとの間の本件宅地分譲契約に関する監査請求は、地方自治法242条所定の請求
期間内になされているか。被告B及び同Cが、Eらに対し、本件建築条件特約の違
反を理由として本件宅地分譲契約につき解除権及び買戻権を行使することをしなか
ったこと、あるいは本件建築条件特約のような内容の特約付きの本件宅地分譲契約
を締結したことは、違法か。
(原告の主張)
①a 篠山町から宅地の分譲を受けた者は、その際に合意された本件建築条件特約
を履行しなければならない。分譲宅地の買受人が本件建築条件特約を履行しない場
合には、篠山町は、本件宅地分譲契約を解除して、分譲した際の価額と同額で分譲
宅地を買い戻すこととなっている。
b ところが、被告B及び同Cは、篠山町の損害を最小に留める義務を負っていた
にもかかわらず、Eら篠山町から宅地分
譲を受けた者に対し、本件建築条件特約の期限内に建物を完成するよう促さなかっ
たばかりか、本件宅地分譲契約を解除することもせず、故意に買戻権の行使を怠っ
たものであり、その解除権、買戻権の不行使は違法である。
c 被告B及び同Cが速やかにEらに対して本件建築条件特約の履行を促し、同特
約が履行されていれば、分譲宅地上の建物の固定資産税や同建物での居住に伴う住
民税が篠山町の収入として入っていたはずであり、また、Eらとの間の本件宅地分
譲契約を速やかに解除し、分譲宅地の買戻権を行使した上、第三者に転売していれ
ば、その第三者が速やかに建物を建てるため、固定資産税や同建物での居住に伴う
住民税が篠山町に入ってくるはずであった。
 したがって、被告B及び同Cは、上記解除権及び買戻権を行使しなかったことに
より、篠山町に歳入として入るべき固定資産税及び住民税相当額の損害を被らせ
た。
② 被告B及び同Cが主張するように、Eを除くFらが本件建築条件特約に違反し
ても、篠山町が本件宅地分譲契約につき解除権及び買戻権を行使することが実際上
不可能であるとすれば、Eを除くFらとの間でそのような内容の本件宅地分譲契約
を締結したこと自体が違法である。
③ 篠山町の被った損害は、以下のとおり合計100万円を超える。
a Eが本件建築条件特約に違反したにもかかわらず、被告Bらが1土地に関する
本件宅地分譲契約を解除して、同土地に対する買戻権を行使しなかったため、篠山
町は、建物の固定資産税及び住民税並びに地方交付税収入を、少なくとも50万円
受けることができず同金額相当の損害を被った。
b Fは2土地上に専用住宅ではなく約20平方メートルの小屋を建てたにすぎな
かったのに、被告Bらがそれを黙認したため、篠山町は、Fが建てることを義務づ
けられていた専用住宅を建築していれば得られたはずの固定資産税40万円、住民
税及び地方交付税収入約60万円を得ることができず、同額の損害を被った。な
お、固定資産税に関する損害は、今後20年ほど継続し、合計で200万円にな
る。
c Gが本件宅地分譲契約に違反したにもかかわらず、被告Bらがその違反を黙認
し、買戻し等の適切な措置を行わず、Gが譲渡を受けた3土地を転売したため、篠
山町は、10万円の損害を被った。
d Hが本件建築条件特約による期限より1年遅れて4土地上に建物を完成させた
にもかかわらず、被告Bらが同土地
に関する本件宅地分譲契約を解除して買戻権を行使することをしなかったため、固
定資産税が今後25年間遅れて納付されることになるから、篠山町は、初年度の固
定資産税額6万8728円(新築軽減を差し引いたもの)に法定利率年5分と25
年を乗じた額である8方5910円の損害を被った。
(被告B、同Cの主張)
① Eとの間の本件宅地分譲契約に関する監査請求期間は、宅地引渡時期の昭和6
2年11月20月から5年を過ぎた平成4年11月20日(買戻期間満了日)から
1年以内である。しかし、E関係を含む3事件に関する監査請求は、平成8年8月
15日になされたものである(甲3)から、その監査請求期間を徒過したもので不
適法である。したがって、3事件にかかる訴えのうち、Eとの間の本件宅地分譲契
約に関する訴えは、適法な住民監査請求を経ていないものとして却下されるべきで
ある。
②a 本件宅地分譲契約上の解除権及び買戻権は、本件建築条件特約の違反があれ
ば必ず行使しなければならないとうものでない。違反があれば、「契約を解除する
とともに宅地を譲渡した価額で買い戻すことができる」というものであって、本件
宅地分譲契約についての解除権及び買戻権の行使は、町長の裁量に委ねられている
(乙1ないし4の各12条)。
b 被告Bらは、各買受人に対し、再三にわたり、本件建築条件特約を守るよう督
促したものであり、その結果、遅れてではあるが、いずれの買受人も建築工事に着
工したので、被告Bらは、建築意思を確認することができたことや建物の建築が遅
れた事情を考慮して、解除権、買戻権を行使しなかっただけのことである。
c したがって、被告B及び同Cが本件宅地分譲契約につき解除権及び買戻権を行
使しなかったことに違法性はない。
③ Eを除くFらとの間の本件建築条件特約付きの本件宅地分譲契約では、Fらが
本件建築条件特約に違反した場合、すなわち宅地の引渡しの日から5年以内に住宅
建設工事を完成しなかった場合、篠山町は、その住宅建設工事完成期間と同じ5年
の期間内に解除権及び買戻権を行使することができるという条項になっているが、
そのような条項は、不可能な内容の条項である。なぜなら、5年の期間が経過して
みなければ本件建築条件特約に違反したかどうか確定的には分からないため、その
同じ5年の期間内に本件建築条件特約の違反を理由として解除権、買戻権を行使す
ることは実際上不可能
であるからである。したがって、被告B及び同Cが不可能なことをしなかったから
といって、それが違法とされることはない。
④ 損害についての原告の主張は、実損害の主張ではなく、仮定の空論であって、
損害についての立証がなく、要するに、原告主張の損害は、法的な損害賠償の対象
となり得るものではない。
第3 当裁判所の判断
1 1事件について
(1) 前記第2の2の前提事実(3)並びに証拠(甲1、4、証人J)及び弁論
の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
① 前記第2の2(3)③のような内容が記載された本件書面と線香又はローソク
は、篠山町が篠山町長A名義で、同町内の第二次世界大戦の戦没者の遺族994戸
に対し、お盆の時期に当たる平成8年8月15日の2、3日前に、追悼の意を表す
るため配布したものである。
 配布に当たっては、事前に遺族から配布の是非・要否を含めて希望を聞くことは
せず、その対象となる遺族の全部に対し、仏教を信仰する988遺族には本件書面
と線香を、神道を信仰する6遺族には本件書面とローソクを配布した。
 なお、線香の価格は1個当たり350円で、ローソクの価格は1個当たり280
円であった。
② 平成9年8月にも、本件書面と類似の書面(甲4)と線香又はローソクが上記
遺族に配布されたが、その際配布された書面には、本件書面で使用されていた「お
盆」、「ご帰壇」、「お供え」、「合掌」という言葉は使用されていない。
(2) ところで、篠山町が第二次大戦の戦没者の遺族である町民に対し、町とし
て、追悼の意を表することは、行政の裁量の範囲内の行為であって、その裁量権を
逸脱しない限り、許されることはいうまでもない。
 一方、憲法は、20条1項後段・3項、89条において、いわゆる政教分離原則
を定めた諸規定をおいているところ、憲法20条3項によって国及びその機関がす
ることを禁止されている宗教的活動とは、およそ国及びその機関の活動で宗教との
かかわり合いを持つ全ての行為を指すものでなく、そのかかわり合いが相当とされ
る限度を超えるものに限られるというべきであって、当該行為の目的が宗教的意義
を持ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような
行為をいうものと解すべきである。そして、ある行為が上記宗教的活動に該当する
かどうかを検討するに当たっては当該行為の外形的側面のみにとらわれることな
く、当該行為の
行われる場所、当該行為に対する一般人の宗教的評価、当該行為者が当該行為を行
うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度、当該行為の一般人に与える
効果、影響等、諸般の事情を考慮し、社会通念に従って、客観的に判断しなければ
ならない。憲法89条によって禁止されている公金その他の公の財産を宗教上の組
織又は団体の使用、便益又は維持のために支出すること又はその利用に供すること
というのも、政教分離の原則の意義に照らして、公金支出行為等における国家と宗
教とのかかわり合いが相当とされる限度を超えるものをいうものと解すべきであ
り、これに該当するかどうかを検討するかどうかに当たっては、前記と同様の基準
によって判断しなければならない(最高裁平成9年4月2日大法廷判決・民集51
巻4号1673頁参照)。
(3) そこで、前記(1)認定の事実に基づき、第二次大戦の戦没者の遺族に対
する本件書面と線香又はローソクの配布及びそれらに対する公金の支出が違法であ
るかどうか、上記(2)に説示したところに従って検討する。
 本件書面と線香又はローソクの配布は、特定の宗教団体に対してなされたもので
なく、第二次大戦の戦没者の遺族に対してなされたもので、その目的は、第二次大
戦の戦没者に追悼の意を表することである。しかしながら、線香又はローソクとと
もに配布された本件書面には、「お盆、ご帰壇、英霊、お供え、合掌」というよう
な宗教用語が使用されて、前記第2の2(3)③のように、篠山町として、諸英霊
に対し、粗品をお供えし、謹んで哀悼の誠をささげる旨記載されていること、線香
又はローソクは、事前に遺族から配布の是非.要否を含めて希望を聞くことはせ
ず、その対象となる遺族の全部に対し、仏教を信仰している988遺族には本件書
面と線香を、神道を信仰している6遺族には本件書面とローソクを配布していて、
遺族の信仰している宗教が仏教あるか神道であるかによって、お供えの種類を区別
していること、配布時期がお盆の時期であることに照らすと、本件書面とともに線
香又はローソクを配布した行為は、お盆の時期に第二次大戦の戦没者の霊前にお供
えする趣旨でなされた宗教的色彩の強いものであって、一般人の意識からしても、
宗教的意義を有するもので、世俗的に慣習化した行為であるとまでいえるものでは
なく、篠山町長であった被告Aとしても、それが宗教的意義を有していることを認
識していたものと推認され、仏教又は神道を信仰している者に対しても信仰してい
ない者に対しても、篠山町が仏教又は神道を援助又は助長しているとの印象を抱か
せるものであるから、憲法20条3項、89条に違反するものというべきである。
(4) そうすると、被告Aが、篠山町長として、線香及びローソクの購入代金並
びに本件書面の印刷代として合計35万7780円を支出した行為(本件線香等に
かかる公金支出)は違法であるから、同被告は、同額の損害を篠山町に与えたもの
といわざるを得ない。 
 したがって、被告Aは、篠山市に対して、35万7780円及びこれに対する支
出の日の翌日である平成8年8月31日から支払済みまで民法所定の年5分の割合
による遅延損害金を支払うべき義務があり、篠山市に代位してその損害賠償の支払
いを求める原告の1事件の請求は理由がある。
2 2事件について
(1) 住民訴訟は、地方自治法242条の2によって特別に認められた訴訟類型
であるから、同条に規定する訴訟類型に該当しない訴訟は許されないといわなけれ
ばならないところ、同条は、住民訴訟のうち、無効確認の請求及び違法確認の請求
として認められる類型について次のとおり規定している。
① 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求(同法242条の2第1項
2号)
② 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実、すなわち、同法242条1項に
いう「違法に公金の賦課若しくは徴収若しく財産の管理を怠る事実」の違法確認請
求(同法242条の2第1項3号)(2) 上記同法242条の2第1項3号の財
務会計上の行為としての「財産の管理」にいう「財産」とは、「公有財産、物品及
び債権並びに基金」をいうものとされている(同法237条)。
(3) 原告の2事件における請求は、①被告B及び同Aが本件要綱に基づき公金
200万円をそれぞれ支出した行為が違法であることの確認及び同Bが制定した本
件要綱が無効であることの確認を求めるものであるが、これら公金支出行為及び本
件要綱はいずれも行政処分でないことはいうまでもないし、地方自治法242条の
2第1項3号の財務会計上の行為としての「財産〔公有財産、物品及び債権並びに
基金〕」の管理にも該当しない。
(3) そうすると、原告の2事件の訴えは、地方自治法242条の2に規定する
訴訟類型に該当しないから、不適法といわざるを得ず、却下を免れない。
3 
3事件について
(1) 前記第2の2の前提事実(5)並びに証拠(甲3、乙11ないし13、1
5ないし18、証人L、同M、被告本人C)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実
が認められる。
① 原告は、平成8年8月15日、篠山町監査委員に対し、Eらとの間の本件宅地
分譲契約について、同人らが本件建築条件特約に違反していることに関し、篠山町
職員の怠る事実を是正し、篠山町が被った損害の賠償を求める措置を講じるよう求
める住民監査請求をした。
 篠山町監査委員は、同年10月18日付で、分譲宅地に対する買戻期間は既に満
了している上、分譲宅地の買戻しをするか否かは篠山町長の裁量権に委ねられたも
ので、同町長がEら買受人の契約不履行について、買戻権を行使しなかったこと
は、地方自治法242条1項に規定する財産の管理を怠る事案に該当しないとし
て、原告の請求にかかる措置の必要は認めないと判断した(甲3)。
② 篠山町は、Eら宅地の分譲を受けた者に対し、本件建築条件特約に定める期間
内に建築するよう促している。
③a Eは、平成4年11月18日ころ、篠山町長宛に、1土地上の建物建築につ
き建築確認申請を提出済みで、同年10月22日には建築に着工していて、翌5年
9月末日までに完成させる旨の誓約書を提出した(乙15)。
b Fは、平成7年6月7日、2土地上に木造平家建ての専用住宅(床面積46.
57平方メートル)を建築するについての建築確認を受け、その後、平成8年6月
11日ごろ、篠山町に対し、既に建物も完成し入居する予定であったが、傷害(第
3腰椎圧迫骨折)を負ったため三田市内の職場への長時間の電車通勤には耐えられ
そうにないので入居を延期して欲しいとの申出をし、後日、傷害についての診断書
を追完した(乙11、16、17)。
c Gは、平成7年9月26日、3土地上に木造2階建ての専用住宅(延床面積1
07.00平方メートル)を建築するについての建築確認を受けた(乙12)。
d Hは、平成8年3月20日ころ、篠山町長宛に、同年3月末日完成の予定であ
った住宅の建築が多少遅れることにつき理解を求める旨の完了遅延願を提出し、同
月22日、4土地上に木造平家建ての専用住宅(延床面積160.19平方メート
ル〉を建築するについて建築確認を受け(乙13、18)、遅くとも平成9年には
居宅を完成した。
④ 被告Cは、平成4年1月から平成11年3月31日まで篠
山町の建設課長であった。
(2) 被告B、同Cは、原告の3事件の訴えのうち、Eとの間の本件宅地分譲契
約に関する訴えは、その前提となる監査請求が監査請求期間を徒過した不適法なも
のであるから、適法な監査請求を経ていないものとして却下されるべきである旨主
張する。
 前記第2の2の前提事実(5)①によれば、Eとの間の1土地についての本件宅
地分譲契約において、本件建築条件特約の違反を理由として契約解除、買戻しがで
きる期間は、宅地引渡時期(昭和62年11月20日)から5年、すなわち、平成
4年11月20日までであるところ、仮に、篠山町長らのEに対する解除権及び買
戻権の各不行使が財産の管理を怠る違法行為であるとすると、同解除権及び買戻権
を行使することができた期間の末日である平成4年11月20日の経過をもって、
違法な財務会計行為(財産の管理を怠る事実)が確定し、その翌日には篠山町は、
違法行為をした篠山町長らに対して損害賠償請求権を取得したということができ
る。そうすると、Eとの間の本件宅地分譲契約の関係では、その監査請求は平成4
年11月21日から1年内にすることが必要であった(地方自治法242条2項本
文)。しかし、原告のEらに対する本件宅地分譲契約に関する監査請求は、前記
(1)①のとおり、上記財務会計行為が確定して篠山町が損害賠償請求権を取得し
た日から約3年9か月を経過した平成8年8月15日になされたものであるから、
原告の3事件の訴えのうち、Eとの間の本件宅地分譲契約に関する訴えは、不適法
である(したがって、以下、Eを除くFらとの間の本件宅地分譲契約についてのみ
判断する)。
(3)① 原告は、被告B及び同Cが速やかにFらに対して本件建築条件特約の履
行を促し、仮に、同特約が履行されていれば、分譲宅地上の建物の固定資産税や同
建物での居住に伴う住民税が篠山町に歳入として入っていたはずであり、また、F
らとの間の本件宅地分譲契約を速やかに解除し、分譲宅地の買戻権を行使した上、
第三者に転売していれば、その第三者が速やかに建物を建てるため、固定資産税や
同建物での居住に伴う住民税が篠山町に入ってくるはずであったから、被告B及び
同Cは、上記解除権及び買戻権を行使しなかったことにより、篠山町に歳入として
入るべき固定資産税及び住民税相当額の損害を被らせた旨主張する。
② 篠山町とFらとの間の本件宅地分譲契約における
本件建築条件特約の違反による解除権及び買戻権については、その各契約書(乙1
ないし4)の12条に「この契約を解除するとともに宅地を譲渡した価額で買戻す
ことができる。」と規定されているところ、同文言からすると、篠山町は、本件建
築条件特約の違反がある場合、当然に解除権及び買戻権を行使しなければならない
というわけではなく、これを行使するか否かは、分譲宅地の譲受人が住居用建物を
建築する可能性があるのか、住居用建物の建築が遅延するとしても、その遅延の程
度はどの程度か、また、その遅延はどのような理由によるのか、仮に、本件宅地分
譲契約を解除して分譲宅地を買い戻したとしても、程なく第三者に再売却すること
が可能か、可能であるとしても、土地の価格状況に照らして、再売却価額は当初の
本件宅地分譲契約における代金額を維持することができるか、その第三者によって
建物が建築されるのはいつ頃になるのか等の諸事情を総合考慮して決せられるべき
ものと解するのが相当である。
③ 前記(1)③b及び第2の2(5)②によれば、Fは、篠山町から分譲を受け
た2土地の引渡しを受けた平成3年3月30日の後、本件建築条件特約所定の5年
の期間内である平成7年6月7日に専用住宅建物の建築につき建築確認を取得し、
5年の期間満了から僅か数日遅れの平成8年4月3日に建物を建築したが、同人が
建築した建物は、同人が建築確認を受けた木造平家建専用住宅(床面積46.57
平方メートル)とは相違し、床面積が僅か20平方メートル余りであって、その面
積からすると、篠山町の分譲目的に沿った専用住宅とはいえない。しかし、Fは、
土記のとおり、建築確認を受けて一応居宅といえる建物を建築したものであり、5
年の期間満了後とはいえ、平成8年6月11日ごろに、篠山町に対し、2土地上の
建物への入居を延期してほしいとの申出をしていること及び上記②に説示したとこ
ろを併せ考えると、被告BがFとの間の本件宅地分譲契約を解除して2土地の買戻
権を行使することをしなかったことは、当・不当の問題は残るとしても、違法とま
でいうことはできない。
 G及びHは、いずれも、篠山町からそれぞれ分譲を受けた3土地、4土地の引渡
しを受けた平成3年3月30日の後、本件建築条件特約所定の5年の期間内である
平成7年9月26日又は平成8年3月22日に専用住宅建物の建築について建築確
認をそれぞれ取得しており、同期間内に各建築確認を受けた建物を完成し又は少な
くともその建築工事に着工する蓋然性が高かった上、Gは、5年の期間満了から6
か月を経過した平成8年9月30日に居宅建物を完成し、Hも、遅くとも平成9年
には居宅建物を完成したこと、そして、同人らが3土地又は4土地の譲渡につき本
宅地分譲契約を締結した平成3年3月25日以降、本件建築条件特約所定の5年の
期間を含めて長期的に土地の価格の下落傾向が続いていること(公知の事実)及び
上記②に説示したところ併せ考えると、被告BらがG及びHに対して同人らとの間
の本件宅地分譲契約を解除して買戻権を行使することをしなかったとしても、必ず
しも違法ということはできない。
 したがって、原告の上記①の主張は理由がなく、3事件の請求のうち、被告B及
び同Cによる解除権、買戻権の不行使が違法であることを前提とする100万円の
代位損害賠償請求(請求の趣旨3(1))は理由がない。
④ なお、被告Cは、Fらとの間の本件宅地分譲契約についての解除権及び買戻権
を行使することが可能であった時期において、篠山町の建設課長であったが、本件
宅地分譲契約について、解除する権限や買戻権を行使する権限を有していたと認め
るに足りる証拠はない。
 したがって、被告Cが本件宅地分譲契約につき解除する権限や買戻権を行使する
権限を有することを前提とする同被告に対する上記①の原告の主張は、この点から
も理由がない。
(4) Fらが本件建築条件特約の期間内に建築をしなかったことを理由とする篠
山町の本件宅地分譲契約の解除権及び買戻権の行使の期間が既に経過していること
は前記第2の2の前提事実(5)に記載したところから明らかであるから、被告B
及び同Cが現在、解除権及び買戻権を行使しないことが違法であるとはいえない。
 そうすると原告の3事件の請求のうち、被告B及び同Cによる解除権及び買戻権
の行使を怠る事実が違法であることの確認を求める請求(請求の趣旨3(2))
は、理由がない。
4 よって、主文のとおり判決する。
神戸地方裁判所第2民事部
裁判官 中村哲
裁判官 今井輝幸
裁判長裁判官水野武は、填補のため署名することができない。
裁判官 中村哲

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