弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における未決勾留日数中五十日を原判決の詐欺の罪の本刑に算入す
る。
         理    由
 本件控訴の趣意は、記録に編綴してある被告人及び弁護人中村一作の各控訴趣意
書に記載のとおりであるからここにこれらを引用する。
 被告人の控訴の趣意について。
 被告人の控訴の趣意は、原判決には事実の誤認がある、というものの如くである
が、原判決挙示の証拠を綜合すれば原判示事実は、これを肯認することができ記録
を精査し、当審における事実の取調の結果に徴するも、原判決には所論の事実の誤
認はないから、論旨は理由がない。
 弁護人の控訴の趣意について。
 一、 訴訟手続上の違法があるとの点について。
 本件被告事件の内、恐喝未遂被告事件について、所論の合議体で審理及び裁判を
する旨の決定のなされたことは、記録上明らかであり、右決定は裁判所法第二六条
第二項第一号の規定に基くものであることも明らかで<要旨第一>ある。ところで、
右規定に基く決定を取り消すことができるかどうかについて考えるに、この点につ
いて何等の規定がないけれども、右規定に基く決定をするかどうかは、
当該裁判所の自由裁量に任せられたものであることは、右第二六条の規定全体の趣
旨から明らかであり、従つて右決定を取り消すことも亦当該裁判所の自由裁量事項
に属するというべきである。凡そ、一人の裁判官で事件を取り扱うよりも、裁判官
の合議体でこれを取り扱うのが、被告人にとつて原則として利益であるというべ
く、従つて前記の第二六条第二項第一号の規定に基く決定を取り消すことは、右利
益を奪う結果となることは、なるほど所論のとおりである。然し右利益は被告人に
対し、もともと与えられたものではないことは前段説示するところによつて明らか
であるから、右論旨は前段に述べた結論に何等消長を来たすべきものではない。
 徳島地方裁判所が、右恐喝未遂被告事件について、これを本件詐欺被告事件が係
属していた松山地方裁判所<要旨第二>八幡浜支部に併合する旨の決定をしたこと
は、記録上明らかである。ところで、右支部は、前記の第二六条の規定
により合議体で取り扱うべき事務を取り扱う権限のないことは、地方裁判所及び家
庭裁判所支部設置規則第一条の規定の定めるところであるから、徳島地方裁判所が
かかる支部に併合決定をした以上該決定中には当然に、さきになした合議決定を取
り消し、一人の裁判官をして事件の取扱をなさしめる旨の決定をも包含するものと
解するを相当とする。
 それで論旨は理由がない。
 一、 量刑が不当であるとの点について。
 本件各犯行の動機、態様、罪質、被告人の前科及び経歴等記録に現われた一切の
情状に徴するときは、原審の量刑は相当である。所論の事情は、これを認めるべき
資料がないのみならず、仮に、右事情をも考慮しても、原審の量刑を過重であると
いうことはできない。
 それで論旨は理由がない。
 よつて、本件控訴は理由がないから、刑事訴訟法第三九六条、刑法第二一条、刑
事訴訟法第一八一条第一項但書により主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 玉置寛太夫 判事 渡辺進 判事 安芸修)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛