弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 検事の上告趣旨及び被告人等弁護人藤井五一郎、齋藤喜一、渡辺修二、池田克の
各答弁は、それぞれ末綴上告趣意書並びに各答弁書記載の通りである。
 検事の上告論旨第一点について
 連続した数個の行為が一罪として処断されるがためには、これらの行為が同一罪
質のものでなければならないことは連続犯の性質上当然であるが、今本件の食糧管
理法違反の行為と国家総動員法違反の行為が連続犯となるか否かについて考えてみ
るに、食糧管理法の立法趣旨は、その第一条に明規されている通り、米麦その他の
主要食糧の確保を中心として国民経済の安定を図るため、これら主要食糧を管理し、
その需給及び価格を調整し、その配給を統制せんとするにあることが明瞭である。
然るに国家総動員法第十九条(本件は本条に基く価格等統制令違反の事犯であるが、
本条は右事犯後昭和二十年十二月二十日法律第四四号により改正せられた)の法意
は、その規定及びこれに基き昭和十四年勅令第七〇三号を以て制定せられた価格等
統制令によつても明かな通り、戦時に際し国家総動員上の必要に基き、諸物価その
他の財産的給付に関し、所要の統制を行い以て一連の物価政策の遂行に資せんとす
るにある(右法律第四四号によつて、終戦後の事態に対処し国民生活の維持及び安
定を図るため特に必要あるとき右の如き統制を行ふ趣旨に改められた)。即ち食糧
管理法は主要食糧の確保を主目的として需給の円滑、価格の公正を図らんとするに
対し、国家総動員法第十九条(これに基く価格等統制令)は、国家総動員上の特殊
の必要に基き諸物価を統制せんことを主眼とするものであつて、二者その立法の目
的と適用範囲を異にするは勿論、価格に関する規定についても各その性格を異にす
る。故にこれら二法令に違反する行為は、その罪質を同じくするものということは
できない。従つて本件の食糧管理法違反の行為と国家総動員法違反の行為は、価格
超過行為なる点において類似はしているものゝ、二者その罪質を異にするから、た
とえ連続して為されたとしても、連続犯とはなり得ず、併合罪の関係に立つものと
認めるの外はない。所論は要するに、右の異つた罪質の各行為が連続犯となるとの
前提に立つて事を論ずるものであるが、既にこれを併合罪と認めねばならぬ以上そ
のうち大赦令によつて赦免せらるべき国家総動員法違反の行為を免訴とするのは当
然であるから原判決には所論のような理由不備又は擬律錯誤の違法はない。論旨は
理由かない。
 同第二点について。
 しかし、起訴状の記載自体に徴し、本件小麦粉の超過販売行為と白塩等の超過販
売行為はいずれも各別に代価を定めた別個独立のものであることは明瞭であつて、
所論のようにこれを包括的な一個の行為とし、数罪倶発の関係に立つものと認める
ことはできない(論旨の指摘する原審第二回公判調書及び上申書等を仔細に検討し
てみても右の結論を左右するに足る反証はない)。しかも公訴繋属中の事件に対し
大赦かあつたときは、裁判所は単に免訴の判決をすべく公訴事実存否又は犯罪の成
否等について実体上の審判を行うべきでないことは当裁判所の判例とするところで
あるから(昭和二十二年(れ)第七三号同二十三年五月二十六日大法廷判決)大赦
令によつて赦免をせらるべき本件白塩等の超過販売行為が所論の如く他の小麦粉の
超過販売行為と共に包括的な一行為を以て為されたか否か等事案の実体に亘る事項
はこれを起訴状の記載自体によつて決するの外なく、実体的な審理によつて認定す
べき限りではない。故にこの点に関し、前記の二行為か数罪倶発の関係に立つもの
と主張し、原判決の審理不尽を攻撃する所論は当らない。なお、本件公訴事実中白
塩等の超過販売行為が前記の如く別個独立のものとして大赦令の適用を受くべきも
のである以上これに対し免訴の判決を為すべきは当然であつて、原判決もまたその
判文より推し、このような趣旨において為されたもの之認められる。しかも右の行
為は他の小麦粉の超過販売行為と連続犯の関係に立つものとして起訴されたものと
認むべきであるから、主文において免訴の言渡を為さなかつた原判決は正当である。
従つて原判決には所論のような理由不備又は擬律錯誤の違法もなく論旨は理由かな
い。
 仍つて刑事訴訟法第四百四十六条を適用して主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 福尾彌太郎関与
  昭和二三年一〇月九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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