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平成25年9月5日判決言渡
平成25年(行ケ)第10067号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成25年7月18日
判決
原告有限会社バリアフリー
被告特許庁長官
指定代理人野口美代子
水莖弥
堀内仁子
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1原告の求めた判決
特許庁が不服2008-21755号事件について平成25年1月16日にした
審決を取り消す。
第2事案の概要
本件は,商標登録出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消
訴訟である。争点は,役務の明確性及び区分の適否(商標法6条1項,2項,商標
法施行令1条,平成13年8月政令第265号による改正前の同施行令別表第1,
商標法施行規則6条,平成13年10月経済産業省令202号による改正前の同施
行規則別表)である。
なお,以下,平成13年8月政令第265号による改正前の商標法施行令を「旧
政令」,平成13年10月経済産業省令202号による改正前の商標法施行規則を
「旧省令」という。
1特許庁における手続の経緯
原告は,平成12年1月1日,下記本願商標につき商標登録出願(商願2000
-005354号)をし,平成14年1月16日,指定役務の補正をしたが,平成
20年7月4日,拒絶査定を受けたので,平成20年8月4日,これに対する不服
の審判請求をした(不服2008-21755号)。
特許庁は,平成25年1月16日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審
決をし,その謄本は同年2月14日までに原告に送達された。
(乙1,2,4)
【本願商標】
OpenURL(標準文字)
指定役務(下線は本判決の説示の便宜上付したもの)
第35類雑誌による広告の代理,新聞による広告の代理,テレビジョンに
よる広告の代理,ラジオによる広告の代理,車両の内外における広告の代理,アド
バルーンによる広告,看板による広告,はり紙による広告,街頭及び店頭における
広告物の配布,商品の実演による広告,郵便による広告物の配布,広告文の作成,
ショーウインドーの装飾,市場調査,インターネット(国際的なコンピューター通
信網)による広告の代理,パソコン通信による広告の代理,電話帳による広告の代
理,商品の販売に関する情報の提供,インターネットアドレス帳による広告の代理,
電子計算機端末による広告の代理,移動体電話による広告の代理,電話による広告
の代理,電話・ファクシミリおよびコンピュータによる顧客情報の提供,経営の診
断及び指導,職業のあっせん,建築物における来訪者の受付及び案内,経済指標(株
価情報を除く。)に関する情報の提供
第38類移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末
による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼
出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,衛星テレビジョン
放送,衛星データ放送
第39類交通情報の提供
第41類国内における興行の案内,海外における興行の案内
第42類オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸
版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の
紹介,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作を
するためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方
法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,著作
権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,保育所における乳幼児の保育,
医療情報(医療機関又は医薬品に関する情報を除く。)の提供,医療機関に関する情
報の提供,食品又は医薬品の成分・産地・加工方法・品質に関する情報の提供,教
育機関が提供する教育内容に関する情報の提供,教育機関又は公共機関で実施され
る催し物に関する情報の提供,中古品の取引に関する契約の代理又は媒介,災害の
現況に関する情報(災害又は災害の原因の規模・災害現場の状況・災害現場で必要
とされている物品等に関する事項を含む。)の提供,国内の宿泊施設の提供の契約又
は取次ぎ,海外の宿泊施設の提供の契約又は取次ぎ,国内の飲食施設の提供の契約
又は取次ぎ,海外の飲食施設の提供の契約又は取次ぎ,国内の観光施設の案内,海
外の観光施設の案内,入浴施設に関する情報の提供,葬儀施設に関する情報の提供,
老人の養護施設に関する情報の提供,心身障害者のための施設又は施策に関する情
報の提供,廃棄物処理施設の運営状況に関する情報の提供,自然環境保護活動に関
する情報の提供,国内の企業の信用に関する調査結果の提供,海外の企業の信用に
関する調査結果の提供,国又は公共団体が提供する情報の媒介,試験又は審査の結
果に関する情報の提供,寄託を受けた情報の電子計算機組織を用いた保管及び暗号
処理,電子公証に関する情報の提供,電子公証役務の提供,情報又は権利の信頼性
又は信憑性に関する情報の提供,事実を固定するための情報(物理的及び論理的位
置情報並びに時刻に関する電子的データを含む。)の提供,情報又は権利の所在又は
内容の同定に関する試験又は研究
2審決の理由の要点(下線は本判決の説示の便宜上付したもの)
本願商標の指定役務中,第42類の「教育機関が提供する教育内容に関する情報
の提供,教育機関又は公共機関で実施される催し物に関する情報の提供,中古品の
取引に関する契約の代理又は媒介,国内の飲食施設の提供の契約又は取次ぎ,海外
の飲食施設の提供の契約又は取次ぎ,国内の観光施設の案内,海外の観光施設の案
内,心身障害者のための施設又は施策に関する情報の提供,国内の企業の信用に関
する調査結果の提供,海外の企業の信用に関する調査結果の提供,国又は公共団体
が提供する情報の媒介,試験又は審査の結果に関する情報の提供,寄託を受けた情
報の電子計算機組織を用いた保管及び暗号処理,電子公証に関する情報の提供,電
子公証役務の提供」については,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認め
られないものであって,政令で定める商品及び役務の区分に従って役務を指定した
ものと認めることもできないものであるから,本件出願は,商標法6条1項及び2
項の要件を具備しない。
第3原告主張の審決取消事由
原告が述べた各主張の要旨を,取消事由1,2として整理して摘示する。
1取消事由1
①本件出願手続は,理由も不明なままに長期にわたり中断し,その後は勝手に
再開されたが,原告にはその理由も根拠も明らかにされず,遅延の再発防止策も示
されていない。
したがって,手続は終了しておらず,いまだ特許庁に係属中である。
②本件審判手続においては,多数の補正指示がされたが,それらは審査手続で
されるべきものであったことであり,本件審査手続は不十分にされた。
したがって,原告の費やした手続費用の一部又は全部が返還されなければならな
い。
③原告が指定役務の範囲を縮小する補正をしたのは,審査段階における指定役
務の過剰な縮小を求める傾向に従ったことによる不本意なものであり,審判段階に
おいて提示された補正案も不本意で応じられるものではない。
したがって,補正前の本件出願当時の指定役務(原告が積極的に受け入れたもの
を除く。)に改めた上で本願商標の登録がされるべきである。
④原告は本願商標の出願手続に並行して国際登録出願手続をし,この手続にお
ける補正指示に対しては回答書等を提出しているが,本件出願手続では,上記国際
登録出願手続には無関心であった。
したがって,手続に欠陥がある。
⑤商標権の存続期間は10年であり,更新も可能であるから,遠い将来を見込
み又は見込む気概で役務を定めなければならない。
したがって,役務名の一覧表に頼ることなく時代に合わせて柔軟に役務を新設す
べきである。
⑥補正後の指定役務中,第39類の「交通情報の提供」はそのまま登録すべき
である。
2取消事由2
補正後の指定役務中,第42類の「国又は公共団体が提供する情報の媒介」の『国
が提供する情報』は,『オープンデータ』又は『オープンガバメントに関するデータ』
などと言い換えられる単一性をもった語句である。
第4被告の反論
1取消事由1に対して
一例として挙げると,旧政令別表第36類が「金融,保険及び不動産の取引」と
の役務を規定し,旧政令を承けてその細分類を定める旧省令別表第36類が「企業
の信用に関する調査」との役務を規定していること,一方,旧政令別表及び旧省令
別表の各第42類には「国内の企業の信用に関する調査結果の提供」又はこれに類
するような役務は記載されておらず,その他の旧政令別表及び旧省令別表の各役務
区分中にもこれに該当し又は類する役務が見当たらないことからすれば,補正後の
指定役務中,第42類の「国内の企業の信用に関する調査結果の提供」は旧政令別
表第42類に属する役務ではない。したがって,補正後の指定役務は,政令で定め
る商品及び役務の区分に従って役務を指定したもの(商標法6条2項)ではない。
その余の点は争う。
2取消事由2に対して
補正後の指定役務中,第42類の「国又は公共団体が提供する情報の媒介」は,
「国又は公共団体が提供する情報」が金融や教育を始めとする多数の情報を含むも
のであって直ちに具体的な内容を把握できない不明確なものであり,実際にもその
内容によっては役務の属する区分を異にする場合もあり得るから,「国又は公共団体
が提供する情報の媒介」は役務の内容を具体的に把握することができないものであ
る。したがって,補正後の指定役務は,その役務の内容及び範囲を明確に指定した
もの(商標法6条1項)ではない。
なお,上記役務中の『国の提供する情報』を『オープンデータ』又は『オープン
ガバメントに関するデータ』と言い換えてみても,その『オープンデータ』若しく
は『オープンガバメント』が特定の概念を示す一般的な語ではない以上,何らその
役務の内容及び範囲を明確とするものではない。
第5当裁判所の判断
1取消事由1について
上記取消事由1として摘示した各点について原告が主張するところは,いずれも,
審決の誤りの有無について関連性のない事項を主張するものか,法定の手続・要件・
効果に頓着しない独自の見解に基づく主張であって,いずれも採用することはでき
ない。
以上から,取消事由1は理由がない。
2取消事由2について
原告は,補正後の指定役務中,第42類の「国又は公共団体が提供する情報の媒
介」は,その役務の内容及び範囲を明確にしている旨の主張をする。
しかしながら,上記役務において「媒介」する情報は「国又は公共団体が提供す
る情報」とされているだけであり,その出所のみを特定しその情報の内容に限定が
ないものであって,上記役務がいかなるものを示すのか一般取引者の観点からみて
も確定することはできず,提供される役務の具体的内容及び範囲が明確なものであ
るとはいい難い。また,「国又は公共団体が提供する情報」であるという出所それ自
体又はそれのみゆえにこれを一単位の取引対象として着目するとの取引の実情があ
るともいえない。
原告は『国が提供する情報』は『オープンデータ』又は『オープンガバメントに
関するデータ』と言い換えられる明確な概念である旨の主張をするが,本願商標の
補正後の指定役務は現に『オープンデータ』又は『オープンガバメントに関するデ
ータ』とはされていないのであるから,そのような言い換えが許容されるものでは
なく,仮にそのような言い換えをしたところで提供される情報の内容がとりたてて
より特定されるようなものでもない。
以上から,取消事由2は理由がない。
第6結論
よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官
塩月秀平
裁判官
中村恭
裁判官
中武由紀

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