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平成12年(行ケ)第125号 特許取消決定取消請求事件(平成13年3月26
日口頭弁論終結)
          判         決
       原      告   松下電器産業株式会社
       訴訟代理人弁理士   池   内   寛   幸
       同          佐   藤   公   博
       同          鎌   田   耕   一
       同乕   丘   圭   司
       同          辻   丸   光 一 郎
       同          黒   田       茂
       被      告   特許庁長官 及 川 耕 造
       指定代理人      橋   本       武
       同          内   野   春   喜
       同小   林   信   雄
       同          内   山       進
          主         文
      特許庁が平成10年異議第71457号事件について平成12年2月
10日にした決定を取り消す。
      訴訟費用は原告の負担とする。
          事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
 1 原告
   主文と同旨
 2 被告
   原告の請求を棄却する。
   訴訟費用は原告の負担とする。
第2 当事者間に争いのない事実
 1 特許庁における手続の経緯
  (1) 原告は、名称を「トランジスタの製造方法」(訂正審決により「薄膜トラ
ンジスタの製造方法」と訂正)とする特許第2659000号発明(昭和62年2
月6日原出願、平成7年12月18日分割出願、平成9年6月6日設定登録)の特
許権者である。
    Aは、平成10年3月26日、セイコーエプソン株式会社は、同月27
日、富士通株式会社は、同月30日、それぞれ本件特許につき特許異議の申立てを
し、これらの申立ては、平成10年異議第71457号事件として特許庁に係属し
た。原告は、平成10年9月29日、本件特許出願の願書に添付された明細書(以
下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載の訂正
の請求(以下「本件訂正請求」という。)をした。特許庁は、上記事件につき審理
した結果、平成12年2月10日、「特許第2659000号の特許を取り消
す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同年3月21
日、原告に送達された。
  (2) 原告は、平成12年4月18日、本件決定の取消しを求める本件訴えを提
起した後、同年12月22日、本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明
の記載の訂正(以下「本件訂正」という。)をする訂正審判の請求をし、特許庁
は、同請求を訂正2000-39163号事件として審理した結果、平成13年2
月14日、本件訂正を認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし、その謄
本は、同年3月3日、原告に送達された。
 2 本件明細書の特許請求の範囲の請求項1の記載
  (1) 本件訂正請求前のもの
   【請求項1】絶縁基板上に、チャンネル部とソース、ドレイン部となる多結
晶あるいは非晶質シリコン膜を形成した後、前記シリコン膜上に形成したマスクを
用いて前記シリコン膜のソース、ドレイン部に、プラズマ空間中で形成された周期
律表Ⅲ又はⅤ族元素イオンを含む不純物イオン及び水素イオンを前記プラズマ空間
中から引出して同時に照射してソース、ドレイン領域を形成することを特徴とする
トランジスタの製造方法。
   【請求項2】絶縁基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜を形成したのち、シ
リコン膜を形成することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のトランジスタの
製造方法。
   【請求項3】シリコン膜上にゲート絶縁膜、ゲート電極を形成したのち、イ
オンを照射することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のトランジスタの製造
方法。
  (2) 本件訂正に係るもの(訂正部分には下線を付す。)
   【請求項1】プラズマを発生させる放電室と、前記放電室で励起したプラズ
マ中のイオンをガラスからなる絶縁基板上の多結晶あるいは非晶質シリコン膜に照
射する処理室と、前記放電室と前記処理室との間に設けられた電極と、前記電極と
前記放電室を挟んで反対側に設けられた別の電極とを備えたイオンシャワードーピ
ングのための装置を用い、
    ガラスからなる絶縁基板上に、チャンネル部とソース、ドレイン部となる
多結晶あるいは非晶質シリコン膜を形成した後、前記シリコン膜上に形成したマス
クを用いて前記シリコン膜のソース、ドレイン部に、前記ガラスからなる絶縁基板
から離れた位置にある前記放電室のプラズマ空間中で形成された周期律表Ⅲ又はⅤ
族元素イオンを含む不純物イオン及び水素イオンを前記放電室のプラズマ空間中か
ら前記別の電極の反対側へ引出し加速し前記処理室内のシリコン膜に同時に照射し
て、不純物イオンの注入によって発生した前記シリコン膜の欠陥を水素イオンで補
償しながら、ソース、ドレイン領域を形成することを特徴とする薄膜トランジスタ
の製造方法。
   【請求項2】ガラスからなる絶縁基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜を形
成したのち、シリコン膜を形成することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
薄膜トランジスタの製造方法。
   【請求項3】シリコン膜上にゲート絶縁膜、ゲート電極を形成したのち、イ
オンを照射することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜トランジスタの
製造方法。
 3 本件決定の理由の要旨
   本件決定は、本件明細書の特許請求の範囲【請求項1】の発明(以下「本件
発明」という。)の要旨を、本件訂正請求前の本件明細書の特許請求の範囲記載の
とおりと認定した上、本件発明は、特開昭61-48979号公報及び特開昭56
-138921号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすること
ができたものであるから、本件特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願
に対してされたものであり、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第11
6号)附則14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経
過措置を定める政令(平成7年政令第205号)4条1項及び2項の規定により取
り消されるべきものであるとした。
第3 原告主張の決定取消事由
   本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正請求前の本件明細書の特許請求の範
囲記載のとおりと認定した点は、訂正審決の確定により特許請求の範囲が上記のと
おり訂正されたため、誤りに帰したことになる。本件決定は本件発明の要旨の認定
を誤った違法があり、取り消されなければならない。
第4 被告の主張
   訂正審決により本件明細書の特許請求の範囲が上記のとおり訂正されたこと
は認める。
第5 当裁判所の判断
   訂正審決により本件明細書の特許請求の範囲が上記のとおり訂正されたこと
は当事者間に争いがなく、本件訂正によって、本件明細書の特許請求の範囲は減縮
されたことが明らかである。
   そうすると、本件決定が本件発明の要旨を本件訂正請求前の本件明細書の特
許請求の範囲記載のとおりと認定したことは、結果的に本件発明の要旨の認定を誤
ったこととなり、この誤りが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるか
ら、本件決定は取消しを免れない。
   よって、原告の請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用は、原告の申
立て等本件訴訟の経過にかんがみ、原告に負担させることとして、主文のとおり判
決する。
     東京高等裁判所第13民事部
            裁判長裁判官   篠   原   勝   美
               裁判官   石   原   直   樹
               裁判官   長   沢   幸   男

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