弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人長沢盛一上告趣意第一点について。
 しかし、原判決の理由において確定判示した事実は「被告人は……本造瓦葺二階
建家屋一戸の賃借権を……Aに……譲渡す契約を結びその頃手附金二五〇〇〇円を
同人から受取つていたに拘らず同年二月一四、五日頃右居宅でBに対し右家屋の賃
値権はまだ何人にも譲渡していないように装い且家主所有の畳、建具も自己の所有
のように装い右賃借権を畳建具付で金七〇〇〇〇円で譲渡する旨申向け同人を欺罔
して手附金名下に金二〇〇〇〇円を交付させてこれを騙取したものである」という
のであつて、所論のごとく被告人がAとの譲渡契約を解約してBに対する譲渡契約
を履行する意思をもつて同人に対して本件譲渡契約をむすび手附金名義で金二〇〇
〇〇円を同人から受領したとの事実は原判決の認定していないところであるから、
右判示事実の説示は、被告人が当初からBに賃借権を譲渡する意思もなく且つ畳、
建具の所有権がないにも拘らずこれあるがごとくに装ひ同人を錯誤に陥れて譲渡契
約を結び手附金を詐取したこと即ち詐欺の犯意のあつたことを明白に判示している
ものに外ならない。そして右判示事実の認定は原判決挙示の証拠によつてこれを肯
認することができるし又右認定には反経験則その他の違法はないから、原判決には
所論のような審理不尽判断遺脱若しくは理由不備の違法はない。所論は結局判示に
そわない事実を主張して原判決の事実認定を非難するに帰着し上告適法の理由とな
らぬ。
 同第二点について。
 しかし、罪となるべき事実につき証拠の説明をするには罪となるべき事実の記載
と相まつて証拠の内容を知ることができる程度にその説明をすれば足りるのである。
そして、原判決によれば所論のように単に「上告人の公判廷の供述とBの被害始末
書の記載」と説示したものではなく、「被告人の当公廷におけるその旨の供述とB
の詐欺被害始末書中の判示に合ふ被害始末の記載」と説示して明白に証拠の内容と
部分とを挙示している。そこで原審公判廷における被告人の供述及びBの提出した
詐欺被害始末書中の記載を仔細に検討すると判示事実と同趣旨の供述及びこれと照
応する記載を認めることができる。そして判示事実は右の証拠によつてこれを肯認
することができるし又かゝる認定には何等経験則に反する違法もないから原判決に
は所論のような理由不備の違法はない。所論はその理由がない。
 よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 宮本増蔵関与
  昭和二四年一月二七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛