弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人宮部二郎上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。
 第一点について。
 原判決挙示の証拠により判示事実を認め得るばかりでなく、事実誤認の主張は上
告適法の理由とならないから論旨は採用しがたい。
 第二点について。
 記録に徴するに本件は昭和二四年四月二〇日に控訴申立がなされたのであるから
原審においては新少年法の規定を適用すべきものである(新少年法は昭和二四年一
月一日から施行された)従つて旧少年法に基いて原判決の違法を主張する論旨は理
由がない。なお所論旧少年法第六四条第三一条に相当する規定は新少年法第五〇条
第九条であるが同規定は訓示的規定であると解すべきであるから(昭和二五年(れ)
第三四〇号同二五年五月二五日第一小法廷判決参照)同条の規定に違反するところ
があつたとしてもこれを以て違法ということにはならない。従つて論旨は採用しが
たい。
 よつて旧刑訴四四六条により主文のとおり判決する。
 以上は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 福島幸夫関与
  昭和二六年四月一〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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