弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を却下する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に
抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事事件については、民訴四一九条
ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当る。ところが、本件抗告理由は、違
憲をいうが、所論第一点の実質は、結局、原審が抗告期間の伸長を許さなかつたの
は民訴法に違背する旨の単なる法令違反の主張に帰著し、同条所定の場合に当らな
いと認められる。また所論第二点は、かりに民訴規則が抗告期間の伸長を許さない
趣旨だとすれば、右規則は民訴法の委任の範囲を逸脱し違憲であるとしてこの決定
を攻撃するが、しかし、原審は、なんら民訴規則自体が所論の如き趣旨まで定めた
規定であると解した形跡はないから、所論は、ひつきよう原判示に副わない仮定の
事実を基礎とする主張にすぎず、違憲の主張としては、前提を欠くものというべき
である。よつて、本件抗告を不適法として却下し、抗告費用は抗告人の負担とすべ
きものとし、主文のとおり決定する。
  昭和三二年九月九日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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