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平成25年2月14日判決言渡
平成24年(ネ)第5626号飲料水販売目的での地下水採取権存在確認請求控訴事件
主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2控訴人が原判決別紙物件目録記載の土地内に存在する井戸から飲料水販売目的
で地下水を採取する権利を有することを確認する。
第2事案の概要
1本件は,被控訴人において,地下水資源の保護を図るため,井戸の設置を村長の
許可にかからしめ,現に井戸を使用している者については村長への届出をもって許
可を受けたものとみなすことなどを定めた条例を制定したところ,原判決別紙物件
目録記載の土地(以下「本件土地」という。)に存する井戸(以下「本件井戸」と
いう。)を使用していたA株式会社(以下「A」という。)から,本件土地を含む
工場財団に係る担保不動産競売によって本件土地の所有権を取得した控訴人が,本
件条例に基づく届出をしたことにより飲料水販売目的での地下水使用が許可され
たものとみなされたAの地位を承継したとして,飲料水販売目的での地下水採取権
を争う被控訴人に対し,行政事件訴訟法4条に基づく当事者訴訟として,本件井戸
についての上記権利の存在の確認を求めた事案である。
原判決は,控訴人の請求を棄却したので,控訴人がこれを不服として控訴をした。
2判断の前提となる事実(証拠を掲記した事項のほかは争いがない。)
(1)当事者等
控訴人は,土木,建築工事の設計,監理,施工及び請負並びに水道給排水工事
の施工及び請負等を目的とする株式会社である(弁論の全趣旨)。
Aは,合成樹脂製品の製造販売,成型用各種金型の仕入販売等を目的とする
株式会社であったが,平成16年11月17日,東京地方裁判所により破産宣
告を受け,平成17年7月12日,破産廃止決定がされた。(乙2,弁論の全
趣旨)
(2)条例の定め
ア被控訴人が制定したα村地下水資源保護条例(平成14年α村条例第23号。
以下「本件条例」という。)には,以下の各規定が設けられていた(甲1)。
(ア)第1条(趣旨)
この条例は,本村の地下水資源の保護に資するため,地下水の採取に関し
必要な事項を定めるものとする。
(イ)第3条(地下水採取の制限等)
1項何人も地下水を使用する場合には,使用量を最小限にとどめ,地下
水の枯渇を防止するように努めなければならない。
2項何人もみだりに井戸を設置することによる付近の地下水脈の枯渇
及び地盤沈下等の弊害を防止するように努めなければならない。
3項村は,地下水資源の合理的な利用と開発の基準を定めなければなら
ない。
(ウ)第4条(許可)
1項井戸を設置しようとする者は,村長の許可を受けなければならない。
(エ)第5条(許可申請)
1項前条の許可を受けようとする者は,井戸を設置する工事に着手する
日の30日前までに,必要事項を記載した井戸設置許可申請書を村長
に提出しなければならない。
(オ)第6条(許可の基準)
1項村長は,前条の申請が次の各号に掲げる基準のいずれにも適合して
いると認めるときでなければ,同条の許可をしてはならない。
(1)他の水をもって代えることが困難なこと。
(2)既設井戸に支障を及ぼさないこと。
(3)地下水の合理的な利用に支障がないと認められること。
(4)地下水を申請の用途に供することが必要かつ適当と認められるこ
と。
(5)前各号に掲げるもののほか,村長が必要と認める事項
(カ)第8条(承継)
1項第4条第1項の許可を受けた者からその許可に係る井戸を譲り受
け,又は借り受けた者は,当該許可を受けた者の地位を承継する。
(キ)第9条(変更の許可)
1項第4条第1項の許可を受けた者は,当該許可に係る井戸の内容を変
更しようとするときは,村長の許可を受けなければならない。
2項前項の場合において,第5条から第7条までの規定を準用する。
(ク)附則
1項この条例は,平成15年4月1日から施行する。
2項この条例施行の際,現に井戸を使用している者は,この条例施行後
90日以内に村長に届け出なければならない。
3項前項の規定により届け出た者は,第4条第1項の許可を受けたもの
とみなす。
イ被控訴人が本件条例を改正するために制定したα村地下水資源保全条例(平
成23年α村条例第16号。以下「改正条例」という。)には,以下の各規定
が設けられている(乙12)。
(ア)第1条(目的)
この条例は,法令に特別の定めがあるもののほか,地下水資源の保全及び
有効活用を促進するため,地下水の採取に関し必要な規制を行うことにより,
地域住民の恒久的な生活用水を確保し,大量採取による周辺地域の地盤沈下
を防止し,及び国指定の天然記念物であるBを保護することを目的とする。
(イ)第2条(定義)
この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に
定めるところによる。
(4)循環的利用地下水を井戸のある場所で利用し,利用後の不用となっ
た地下水を良好な水質状態で浸透桝などの構造物により地
下浸透させることをいう。
(ウ)第7条(許可の基準)
1項村長は,前条の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるとき
でなければ第5条第1項の許可をしてはならない。
(5)地下水の利用が循環的利用であること。
(エ)附則
1項この条例は,平成23年10月1日から施行する。
2項この条例の施行の日前に,改正前のα村地下水資源保護条例の規定
によりされた処分,手続その他の行為は,この条例の相当規定によりさ
れた処分,手続その他の行為とみなす。
(3)本件条例附則2項に基づく届出の状況
平成15年度の被控訴人(村長)に対する本件条例附則2項に基づく届出数
は,合計1083件であった(乙6)。
(4)Aの届出等
アAは,本件条例が施行される以前から本件土地を所有しており,本件井戸
から地下水を汲み上げて,工業用水として合成樹脂の成型加工,製造及び組
立ての用途に利用していた。
イAは,平成13年から平成14年にかけて,社団法人C協会に対し,本件
土地内の井戸から採取した水の水質検査を依頼し,井戸から水を汲み上げる
ポンプの種類及び性能等を調査するなどしていた。また,Aは,平成15年
ころ,保健所を訪問して,供給ラインの形状,充填時の水温,ペットボトル
の耐熱温度及び賞味期限等についての注意事項を確認し,飲料水販売事業を
営んでいる他社を訪問して,設備投資や生産方法等について教示を受けるな
どしていた。(甲10の1ないし4,11の1及び2,12の1及び2,1
3,14)
ウAは,本件条例が施行されたことに伴い,被控訴人(村長)に対し,平成
15年5月29日,本件条例附則2項に基づき,以下の内容の井戸使用の届
出(以下「本件届出」という。)をし,被控訴人(村長)は,同日,本件届
出を受理した。なお,被控訴人においては,同項に基づく届出の書式を作成
しておらず,本件届出は井戸設置許可申請書の書式を用いてされた。(乙1,
5,弁論の全趣旨)
地下水の利用目的(該当するもの
はすべて記入すること。)
家事等の雑用水その他(飲料水の販売…
時期は未定)
ポンプの種類水中モーターポンプ
ポンプの出力11KW
ポンプの吐出口径80mm
揚水機の性

揚水能力600リットル/分
採取期間一年中H15.5月現在不使用
採取期間中の採取予定量100㎥/日(1日平均)
(5)控訴人による本件井戸の取得
控訴人は,平成19年6月11日,本件土地ほか4筆の土地,工場,事務所
等の建物,本件井戸に係る高架水槽,ポンプ室等の工作物,その他の機械器具
等を組成物件とするAの工場財団に対する担保不動産競売事件の売却によって
本件土地の所有権を取得した。なお,上記工場財団は,工場財団法8条3項の
規定により消滅し,平成20年1月4日,その旨の登記がされた。(工場財団
の組成物件につき甲9,乙4,5)
(6)被控訴人による権利の否定等
控訴人は,飲料水販売事業を行うため,平成23年3月31日,被控訴人(村
長)に対し,当該目的の地下水採取権承継届出書を提出したが,被控訴人(村長)
は,同年4月15日及び同年5月27日,控訴人に対し,Aの井戸の設置目的は
合成樹脂製造であって,飲料水販売目的は本件条例施行後に付け加えたものであ
るため,承継の条件から除外されるべきものであり,控訴人が当該目的で井戸を
使用する場合には,本件条例9条の許可が必要である旨を回答した。(甲5~8,
乙3~5)
3争点
控訴人は,Aが本件届出をしたことにより本件井戸について飲料水販売目的での
地下水採取の許可を受けたものとみなされ,控訴人において地下水採取権承継届出
をしたことから上記目的で地下水を採取し得る地位を承継し,改正条例施行後もそ
の附則2項により上記目的での地下水採取権を有する旨主張するのに対し,被控訴
人は,そもそもAにおいて本件届出により飲料水販売目的での地下水採取の許可を
受けたものとみなされたことはないと主張し,控訴人の上記権利を否定する。
したがって,本件の争点は,Aが本件届出により飲料水販売目的での地下水採取
の許可を受けたものとみなされたか否かである。
4争点に関する当事者の主張
(1)控訴人
ア本件届出の効力について
本件条例の附則(以下「本件附則」という。)2項及び3項により,現に井
戸を使用している者が届け出た場合,行政庁である被控訴人(村長)は届出内
容について審査権限を有していないことから,届け出た者が受けたものとみな
される許可は,届出の内容どおりの効力が認められる。
イAによる本件届出について
Aは,平成13年以前から,地下水を採取してミネラルウォーターを製造販
売する計画を立てており,各種水質検査の実施,設置すべきポンプの検討,ミ
ネラルウォーター製造販売業を営む他社を訪問しての情報収集,保健所を訪問
して注意事項につき指示を求める等の活動を行っていたのであり,飲料水の販
売事業に着手していたと評価できるから,地下水を合成樹脂の成型加工,製造
のための工業用水として利用していただけでなく,飲料水の販売についても利
用していたものである。このように,本件届出は,上記の利用実態に沿ったも
のであるから,本件附則3項に基づき,Aは飲料水販売目的で許可を受けたも
のとみなされ,控訴人は,その許可を受けた地位を承継した。
なお,被控訴人は,本件届出において現実の使用状況と異なる使用目的等を
記載し,それが受理されたとしても,本件届出は無効である旨主張するけれど
も,被控訴人において,何ら補正等を求めることなく本件届出を受理しておき
ながら,その後に本件届出の無効を主張するのは,信義則に違反するものであ
って許されない。
(2)被控訴人
ア本件届出の効力について
本件条例4条1項所定の村長の許可は行政処分であるが,本件附則2項及び
3項により,現に井戸を使用している者が届け出た場合に受けたものとみなさ
れる許可(以下「みなし許可」という。)は,村長の意思表示に基づくもので
はなく,現に井戸を使用している者の届出に対し,本件附則の前記各規定に基
づき,法律上一定の法律効果が与えられるものにすぎない。
そして,本件附則は,みなし許可の法律効果が与えられる届出の内容につい
て,現に井戸を使用しているという以上に何らの規制も加えておらず,本件条
例の附則に関する被控訴人における実務上の取扱いも,既存井戸の使用者から
提出された届出書を単純に受理するのみであり,内容を詳細に確認したり,訂
正等をさせたりしていなかった。したがって,本件附則の規定に基づいて届出
をした者が許可を受けたとみなされるのは,あくまで,本件条例施行当時,現
に使用していた井戸の用途に限られ,当該届出において現実の使用状況と異な
る使用目的等を記載し,被控訴人においてそのような内容の届出を受理したと
しても,当該届出は無効であって,その記載内容に従った法律上の効果が付与
されるものではない。
イAによる本件届出について
Aは,平成15年4月1日当時,本件土地内の井戸から採取した地下水を合
成樹脂の成型加工,製造のための工業用水として使用していたものであり,本
件届出の利用目的欄の「飲料水の販売…時期は未定」という記載は,Aが将来
の経営戦略として,飲料水を販売するために地下水を採取したいという希望的
観測を述べたものにすぎず,現実の使用状況を反映したものではないから,上
記の合成樹脂の成型加工,製造のための工業用水という限度でのみ,みなし許
可を取得したすぎない。したがって,Aは,飲料水販売目的での地下水採取権
を取得していないので,控訴人がこれを承継することもない。実際にも,本件
土地の控訴人に対する売却許可決定書の物件リストには,飲料水販売目的の地
下水採取権という記載はない。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,控訴人の請求は棄却すべきものと判断する。その理由は,以下のと
おりである。
2本件附則に基づくみなし許可と本件届出の効力
(1)本件附則に基づくみなし許可と本件訴訟の性質について
本件条例は,地下水を採取するための施設である井戸の設置につき村長の許可
にかからしめ(4条1項。以下,本件条例については条項のみを記載する。),
許可を受けずに設置された井戸等については村長による原状回復命令の対象と
し(16条),また,村長は,地下水をみだりに採取するなどする者に対して,
勧告や措置命令を経て,井戸の使用の一時停止を命ずることができることとして
(12条,13条,15条),設置許可を受けないで井戸を設置し地下水を採取
することを一般的に制限していることからすると,設置許可は,井戸の設置を一
般的に禁止した上で,申請に基づき審査を行い,一定の要件に合致する場合に上
記のような禁止を個別具体的に解除し,適法に井戸を設置し地下水を採取するこ
とができる地位を付与するものであるということができる。そうすると,設置許
可は,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものとして,抗告
訴訟の対象となる行政処分に当たる。
他方,本件条例施行の際,現に井戸を使用している者が本件附則2項に基づき
所定の期間内に村長に届け出た場合には,同3項により設置許可を受けたものと
みなすこととされている。このみなし許可は,実際には本件条例5条に基づく申
請のように同6条所定の設置許可基準に関する審査を経た上で同4条1項に基
づく設置許可がされるわけではないものの,届出によって設置許可を受けたのと
同様の法的効果,すなわち,適法に井戸を設置し地下水を採取することができる
地位を付与するという公法上の効果を生じさせるものである。
控訴人は,本訴において,Aが本件届出をしたことにより,設置許可を受けた
ものとみなされ,適法に飲料水販売目的で本件井戸を設置し地下水を採取するこ
とができる地位を付与され,控訴人がこの法的地位を承継したと主張しており,
前判示のとおりのみなし許可の法的効果に照らせば,上記地位の確認を求める本
訴は,公法上の当事者訴訟としての確認の訴え(行政事件訴訟法4条)に当たる
と解される。
(2)本件届出によって受けたものとみなされる設置許可の内容について
本件条例は,本件附則3項により許可を受けたとみなされる内容について,そ
の条項の中で明確に規定していないけれども,ただ単に本件条例施行の際に井戸
を使用しているというだけで無制限に地下水の採取が許されるとすると,地下水
資源の保護という本件条例の目的が達成されないことにもなりかねないことは
明らかである。そもそも本件条例が上記(1)のとおり新たに井戸を設置しようと
する場合と現に井戸を設置している場合との間で差違を設けたのは,本件条例の
趣旨とする地下水資源の保護を図るには井戸の設置による地下水使用に制限を
加える必要があり,そのためには許可制度を採って,許可申請に対する審査に際
して上記立法趣旨に即した地下水の合理的利用に支障がないことを確認しなけ
ればならないが,従前から井戸を設置して現にこれを利用している者に対しても
同様の制限を加え,これまで許されていた地下水利用ができないとすると,長期
にわたって日常生活や事業用に井戸水を利用してきた者に不測の不利益を与え
ることになるので,この点に配慮する必要がある一方,従前の使用状態が継続す
るだけであれば,弊害も少ないと考えられたからであると解される。
そうすると,本件附則3項により許可を受けたとみなされる内容は,本件条例
施行当時の現実の井戸の用途及び使用状況に限られ,当該届出において現実の使
用状況と異なる使用目的等を記載したとしても,それだけで届出者が当該記載内
容に係るみなし許可を受けたとみなされるものではないというべきである。
もっとも,本件附則は,現に使用している井戸について本件条例施行後90日
以内に届け出るものと規定するものの,本件条例施行当時の井戸の用途及び使用
状況に関する資料の提出を求めていない上,届出の性質上,形式的な記載事項の
審査はともかくとして,実質的な用途及び使用状況に関する記載を審査してこれ
を受理するか否かを判断することは予定されていないものと考えられるから,こ
の実質的な記載事項について虚偽の届出がされても,これに有効に対処すること
が困難な事態が生ずるおそれがあることは否定できない。前判示第2の2(3)の
とおり,本件条例が施行された平成15年度の被控訴人(村長)に対する本件附
則2項に基づく届出数は1083件にも及び,これらの全てについて従前の用途
及び使用状況を把握して届出との整合性を確認するのは極めて困難であるとみ
られる。しかしながら,被控訴人は,虚偽の届出がされたことが疑われるような
場合には,資料の提出を求めたり,立入検査を行うことができ(11条1項),
届出に係る地下水の利用目的や採取予定量等が設置許可の基準(6条1項)に適
合しないときには,原状回復命令(16条)を発することができるほか,地下水
の採取が12条の事由に該当するときには,勧告や措置命令(13条),停止命
令(15条)を発することもできるのであり,本件条例は,地下水資源の保護の
ため,虚偽の内容の届出については,このような監督権限の行使を通じた対応措
置を講じたものと理解することができる。
そして,届出によりみなし許可を受けた者がその井戸について従前の用途及び
使用状況と異なる態様での使用を望む場合には,許可を受けた者が当該許可に係
る井戸の内容を変更しようとするときと同様に被控訴人(村長)の許可を受ける
ための申請をして審査を受ければよいのであるから(9条),他の者との間で不
公平な取扱いを受けることはなく,既存の利益の保護と本件条例の目的の達成が
図られることになる。
以上によれば,本件附則3項により受けたものとみなされる設置許可の内容,
すなわち,地下水の利用目的,揚水機の性能,採取期間,採取期間中の採取予定
量等は,本件条例施行当時の実際の用途及び使用状況に限定され,これと異なる
届出が受理されたとしても,その記載内容に従った法律上の効果が付与されるも
のではないと解するのが相当である。
3Aによる本件届出について
前判示第2の2(1)のとおり,Aは,合成樹脂製品の製造販売,成型用各種金型
の仕入販売等を目的とする株式会社であって,本件井戸を工業用水として合成樹脂
の成型加工,製造及び組立ての用途に利用していた。そして,証拠(甲9,乙4,
5)及び弁論の全趣旨によると,同社の工場財団を組成する物件の中には本件土地
及び同所に所在する本件井戸に係る各種設備が含まれていると認められることを
も併せ考慮すると,その当時の用途及び使用状況としては同社の上記事業目的のた
めの用水であったとみるべきである。
もっとも,前判示第2の2(4)イ・ウのとおり,Aは,平成13年から水質検査
及び揚水用ポンプの調査等を行い,平成15年ころには保健所や飲料水販売事業者
を訪問してペットボトル入りの地下水の販売のための準備を行っていたのであり,
同社の事業計画の中に本件井戸を用いた飲料水の販売が含まれていたことは否定
できないところである。しかしながら,前判示第2の2(4)ウのとおり,本件届出
において,地下水の利用目的は「家事等の雑用水」,「その他(飲料水の販売…時
期は未定)」と,採取期間は「一年中H15.5月現在不使用」とされており,
その他,同社が実際に飲料水の販売を開始していたことを認めるに足りる証拠はな
い。したがって,飲料水の販売事業は,計画中途の段階にあり,未だ開始されてい
なかったとみざるを得ない。
そして,飲料水の販売目的での採取となれば,単なる一事業所の用水とは異なり,
恒常的に多量の地下水を必要とすることになるのは明らかであるから,地下水資源
の保護の観点からは,計画中の段階と実際に販売を開始した段階とでは大きな違い
があるといわなければならない。そうすると,未だ計画中にすぎない地下水販売目
的を本件井戸の現実の用途とすることはできないというべきである。
以上の観点から本件届出によって受けたものとみなされる設置許可の内容を判
断すると,Aが行っていた事業のための用水として使用することを目的とするもの
に限定され,同社は,飲料水の販売目的で井戸を使用できる地位にはなかったもの
であるから,控訴人においてその地位を承継する余地もないというべきである。
4以上によれば,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却す
ることとし,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第21民事部
裁判長裁判官齋藤隆
裁判官栗原洋三
裁判官春名茂
(原裁判所等の表示)
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
原告が,被告に対し,別紙物件目録記載の土地内に存在する井戸から,飲料水販
売目的で地下水採取を行う権利を有することを確認する。
第2事案の概要
被告は,地下水資源の保護を図るため,α村地下水資源保護条例を制定し,井戸
を設置しようとする者は村長の許可を受けなければならないこと,施行の際,現に
井戸を使用している者は村長に届け出なければならないこと,当該届出をした者は
許可を受けたものとみなすことなどを定めた。
本件は,別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を所有し,本件
土地内の井戸を使用していたA株式会社(以下「A」という。)から,競売によっ
て本件土地を取得した原告が,被告が原告の飲料水販売目的での地下水採取権の存
在を否定したことに関して,Aの前記条例に基づく届出により飲料水販売目的での
地下水使用が許可されたものとみなされ,その地位を原告が承継取得したと主張し
て,被告に対し,飲料水販売目的での地下水採取権の存在確認を求めた事案である。
1前提となる事実(証拠を記載したもの以外は当事者間に争いがない。)
当事者等
原告は,土木,建築工事の設計,監理,施工及び請負並びに水道給排水工事の
施工及び請負等を目的とする株式会社である。
Aは,合成樹脂製品の製造販売及び成型用各種金型の仕入販売等を目的とする
株式会社であったが,平成16年11月17日,東京地方裁判所により破産宣告
がなされ,平成17年7月12日に破産廃止決定がなされた。(乙2,弁論の全
趣旨)
条例の定め
アα村地下水資源保護条例(平成14年α村条例第23号。以下「本件条例」
という。)には,以下の規定が設けられていた(甲1)。
ア第1条(趣旨)
この条例は,本村の地下水資源の保護に資するため,地下水の採取に関し
必要な事項を定めるものとする。
イ第3条(地下水採取の制限等)
1項何人も地下水を使用する場合には,使用量を最小限にとどめ,地下水
の枯渇を防止するように努めなければならない。
2項何人もみだりに井戸を設置することによる付近の地下水脈の枯渇及
び地盤沈下等の弊害を防止するように努めなければならない。
3項村は,地下水資源の合理的な利用と開発の基準を定めなければならな
い。
ウ第4条(許可)
1項井戸を設置しようとする者は,村長の許可を受けなければならない。
エ第6条(許可の基準)
1項村長は,前条の申請が次の各号に掲げる基準のいずれにも適合してい
ると認めるときでなければ,同条の許可をしてはならない。
他の水をもって代えることが困難なこと。
既設井戸に支障を及ぼさないこと。
地下水の合理的な利用に支障がないと認められること。
地下水を申請の用途に供することが必要かつ適当と認められること。
前各号に掲げるもののほか,村長が必要と認める事項
オ第8条(承継)
1項第4条第1項の許可を受けた者からその許可に係る井戸を譲り受け,
又は借り受けた者は,当該許可を受けた者の地位を承継する。
カ第9条(変更の許可)
1項第4条第1項の許可を受けた者は,当該許可に係る井戸の内容を変更
しようとするときは,村長の許可を受けなければならない。
2項前項の場合において,第5条から第7条までの規定を準用する。
キ附則
1項この条例は,平成15年4月1日から施行する。
2項この条例施行の際,現に井戸を使用している者は,この条例施行後9
0日以内に村長に届け出なければならない。
3項前項の規定により届け出た者は,第4条第1項の許可を受けたものと
みなす。
イα村地下水資源保全条例(平成23年α村条例第16号。以下「改正条例」
という。)には,以下の規定が設けられている(乙12)。
ア第1条(目的)
この条例は,法令に特別の定めがあるもののほか,地下水資源の保全及び
有効活用を促進するため,地下水の採取に関し必要な規制を行うことにより,
地域住民の恒久的な生活用水を確保し,大量採取による周辺地域の地盤沈下
を防止し,及び国指定の天然記念物であるBを保護することを目的とする。
イ第2条(定義)
この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に
定めるところによる。
循環的利用地下水を井戸のある場所で利用し,利用後の不用となった
地下水を良好な水質状態で浸透桝などの構造物により地下
浸透させることをいう。
ウ第7条(許可の基準)
1項村長は,前条の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときで
なければ第5条第1項の許可をしてはならない。
地下水の利用が循環的利用であること。
エ附則
1項この条例は,平成23年10月1日から施行する。
2項この条例の施行の日前に,改正前のα村地下水資源保護条例の規定に
よりされた処分,手続その他の行為は,この条例の相当規定によりされ
た処分,手続その他の行為とみなす。
Aの届出等
Aは,本件条例が施行される以前から本件土地を所有しており,本件土地内に
存在する井戸から地下水を汲み上げて,工業用水として合成樹脂の成型加工,製
造及び組立ての用途に利用していた。
Aは,本件条例が施行されたことに伴い,被告に対し,平成15年5月29日,
本件条例附則2項に基づき,以下の内容の井戸使用の届出をし(以下「本件届出」
という。),被告は,同日,本件届出を受理した。なお,被告においては,同項に
基づく届出の書式を作成しておらず,本件届出は井戸設置許可申請書の書式を用
いてなされた。(乙1,5,弁論の全趣旨)
地下水の利用目的(該当するものは
すべて記入すること。)
家事等の雑用水
その他(飲料水の販売…時期は未定)
ポンプの種類水中モーターポンプ
ポンプの出力11KW
ポンプの吐出口径80mm
揚水機の性能
揚水能力600リットル/分
採取期間一年中H15.5月現在不使用
採取期間中の採取予定量100㎥/日(1日平均)
被告による権利の否定等
原告は,平成19年6月11日,担保不動産競売によってAから本件土地の所
有権を取得した。
原告は,飲料水販売事業を行うため,平成23年3月31日,被告に対し,当
該目的の地下水採取権承継届出書を提出したが,被告は,同年4月15日及び同
年5月27日,原告に対し,Aの井戸の設置目的は合成樹脂製造であって,飲料
水販売目的は本件条例施行後に付け加えたものであるため,継承の条件から除外
されるべきものであり,原告が当該目的で井戸を使用する場合には,本件条例9
条の許可が必要である旨を回答した。(甲5~8,乙3~5)
2争点(Aは本件届出により飲料水販売目的での地下水採取の許可を受けたものと
みなされるか)に関する当事者の主張
(原告の主張)
Aは,本件条例施行に伴って,地下水の利用目的欄に「飲料水の販売」と記載し
た本件届出をしたが,被告は何らの留保を付けずに本件届出を受理した上,Aの地
下水採取の目的が合成樹脂の成型加工,製造のための工業用水である以上,その限
度でみなし許可の対象となるなどの指導も一切行うことはなかった。
被告が許可申請者に対し,ポンプの種類,出力,吐出口径,揚水能力及び採取期
間などを詳細に記載させているのは,当該許可申請にかかる井戸が本件条例6条1
項各号の許可基準に適合しているか否かを判断するためであるところ,被告は,本
件届出を受理して,これが地下水の合理的な利用に支障がないか,地下水資源の保
護の観点から問題がないかを十分に検討したはずであるから,被告が,Aに対して,
指導助言して届出書を提出させ直す,あるいは不許可とする等の対応を何ら行わな
かったことは,端的に,被告が飲料水販売目的というAの地下水の利用内容につい
て,地下水資源の保護の観点から問題がないと判断したことを示している。
Aは,当然に被告から飲料水販売目的での地下水採取許可を得ているとの認識を
有しており,原告に対してもそのように説明した。原告は,飲料水販売目的での地
下水採取許可を得ていることを前提として,飲料水製造・販売目的のために高額の
対価を支払って本件土地を買い受けたのである。届出者とすれば,届出が受理され
れば当該届出に係る行為をなし得ると信頼するのはごく自然であり,かかる信頼は
保護されなければならない。
したがって,Aは本件届出により,本件条例附則3項に基づいて,被告から飲料
水販売目的による地下水採取の許可を受けたこととなり,本件土地の所有権をAか
ら取得した原告は,本件条例9条1項により,その許可を受けた者の地位を承継す
る。
Aは,「該当するものはすべて記入すること。」,「具体的に記入する。」という被
告の指示に従い,本件届出の利用目的欄に「飲料水の販売」と記載したのであって,
これをAの希望的観測と決めつけ,不必要な余事記載事項とする被告の主張は全く
根拠なきものでしかない。Aは,平成13年以前から,地下水を採取してミネラル
ウォーターを製造販売する計画を立てており,各種水質検査を実施する,設置すべ
きポンプを検討する,ミネラルウォーター製造販売業を営む他社を訪問して情報を
収集する,保健所を訪問して注意事項につき指示を求めるなどの活動を行っていた
のであって,Aの前記計画は,平成13年には相当程度具体化していた。被告の主
張は,一度した許可を現在に至って否定するための後付けの理屈にすぎない。
なお,原告は,飲料水販売目的で地下水を採取しても,前記前提となる事実
のポンプの性能や採取量等を変更する予定はない。既に得ている許可どおりの内容
を実現するに過ぎず,特に過大な量を採取する予定はないから,これによって地盤
沈下や周辺井戸への悪影響が生じるおそれは皆無である。
(被告の主張)
争う。
被告は,将来のα村民全体の生活環境保全及びBを含む自然環境保全等の見地か
ら本件条例を定めて地下水資源の保護を図り,その後,許可の基準を明確化してよ
り規制を強化するため,改正条例を定めて,地下水の循環的利用を促進し,α村か
らの水の持ち出しを禁止した。
Aは,平成15年4月1日当時,本件土地内の井戸から採取した地下水を合成樹
脂の成型加工,製造のための工業用水として使用していたのであるから,その限度
で本件条例附則2項及び3項のみなし許可の対象となるのであって,原告が確認を
求める飲料水販売目的での地下水採取権など元々Aには存在せず,したがって,原
告がこれを承継することもない。実際にも,本件土地の原告に対する売却許可決定
書の物件リストには,飲料水販売目的の地下水採取権という記載は見当たらない。
本件届出の利用目的欄の「飲料水の販売…時期は未定」という記載は,Aが将来
の経営戦略として,飲料水を販売するために地下水を採取したいという希望的観測
を述べたものにすぎず,本件届出に不必要な余事的記載事項であるから,これは,
本件条例附則2項で規定する「現に井戸を使用している者」に該当しない。
被告は本件届出を受理したが,単なる届出の受理行為によって新たな権利が創造
されることなどあり得ない。本件条例の附則に関する実務上の取扱いも,既存井戸
使用者から提出された届出書を単純に受理するのみであり,内容を事細かに確認し
て訂正等させているわけではなかった。α村内の既存井戸使用者の使用方法はほぼ
誰もが分かっていることなので,確認的意味合いで届出書を提出させたにすぎず,
届出書の提出を受理したからといってその記載内容を全て被告が承認したわけで
はない。なお,平成15年度の本件条例附則2項に基づく届出は全部で1083件
であった。
第3争点に対する判断
1前記前提となる事実に下記証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認
められる。
Aの水質調査等
Aは,平成13年から平成14年にかけて,社団法人C協会に対し,本件土地
内の井戸から採取した水の水質検査を依頼し,井戸から水を汲み上げるポンプの
種類及び性能等を調査するなどしていた。
また,Aは,平成15年ころ,保健所を訪問して,供給ラインの形状,充填時
の水温,ペットボトルの耐熱温度及び賞味期限等についての注意事項を確認し,
飲料水販売事業を営んでいる他社を訪問して,設備投資や生産方法等について教
示を受けるなどしていた。(甲10の1~14)
不動産競売時の記載
Aの不動産競売の手続においては,本件土地を含む工場財団が売却の対象とな
っており,その物件目録の営業の種類欄には,「合成樹脂の成型加工・製造及び
組立」と表示されていた(乙4)。
本件条例附則2項に基づく届出数
平成15年度の被告に対する本件条例附則2項に基づく届出数は合計108
3件であった(乙6)。
2Aは本件届出により飲料水販売目的での地下水採取の許可を受けたものとみな
されるか
ア前記前提となる事実のとおり,本件条例が被告の地下水資源の保護を目的と
していることに加え,許可基準の一つに地下水を申請の用途に供することが必要
かつ適当と認められることを掲げている点にかんがみると,本件条例は,地下水
の採取量のみならず,採取した地下水の使用目的をも許可の重要な考慮要素とし
ているとみるのが相当である。
本件条例は附則として経過措置(同2項及び3項)を設けているところ,地下
水の採取について新たな規制がなされることにより,長期に亘って井戸水を生活
用水に使用していた者など既存の井戸使用者が不測の不利益を被らないよう配
慮する必要性があるのみならず,本件条例施行当時の井戸の用途及び使用状況が
継続される限り,急激な地下水資源の枯渇を招くおそれが小さいことから,本件
条例は前記経過措置を設け,本件条例施行当時に現に地下水を採取している者に
ついては,当該使用目的及び量を遵守する限り新たな許可を必要とせず,届出に
よって許可を受けたとみなすこととしたものと解される。
このような本件条例附則2項及び3項の趣旨に照らせば,前記附則の規定に基
づいて届出をした者が許可を受けたとみなされるのは,あくまで本件条例施行当
時の井戸の用途及び使用状況に限られ,当該届出に現実に使用している状況と異
なる使用目的等を記載しても,それだけで届出者が当該記載内容に関するみなし
許可を受けたとみなされるものではないと解するのが相当である。
イ前記前提となる事実のとおり,Aは,本件条例が施行される以前から,地下
水を合成樹脂の成型加工,製造及び組立ての用途に利用していた。
この点,前記1のとおり,Aは,平成13年ころから,本件土地内の井戸水
の水質検査,汲み上げ用ポンプの種類及び性能等の調査,設備投資や生産方法等
の聴取などを行っており,飲料水を販売する目的での地下水採取を検討していた
ことがうかがわれるものの,前記前提となる事実及び1のとおり,本件届出
の地下水の利用目的欄に「飲料水の販売…時期は未定」と記載されていること,
本件届出の採取期間欄に「H15.5月現在不使用」と記載されていること,不
動産競売の物件目録の営業の種類欄に「合成樹脂の成型加工・製造及び組立」と
表示され,飲料水の販売に関する具体的な記載は何ら見受けられないことなどに
照らせば,Aの前記行動は単なる準備行為にすぎず,本件条例施行当時,Aの従
前の工業用水としての利用形態に変化がなかったことは明らかである。
そうすると,本件条例附則2項及び3項に基づいて許可を受けたものとみなさ
れるのは,当該合成樹脂の成型加工,製造及び組立ての目的の限度に止まるので
あって,利用目的欄に「飲料水の販売」と記載した本件届出によって,Aに対し
て,飲料水販売目的での地下水採取が許可されたことにはならない。
ウこれに対し,原告は,被告が何らの異議を留めることなく本件届出を受理した
ことは,飲料水販売目的での地下水採取が地下水保護の観点から問題がないと判
断したことを示しており,届出者が抱く信頼は保護されなければならない旨を主
張する。
本件条例附則2項の趣旨に照らせば,被告は,本件届出を受理する際,記載内
容が既存の利用状況に合致しているか否かを確認し,これに適合していないと認
めるときは訂正等をさせるべきだったのであり,利用目的欄に「飲料水の販売」
と記載された本件届出を受理した上,Aに対して何らの補正等させなかった被告
の対応は不適切であると評価されてもやむを得ない面がある。前記1のとおり,
平成15年度の被告に対する本件条例附則2項に基づく届出数は合計1083
件に上ったものと認められるが,届出数が多いからといって,記載内容の確認を
省略してよいものでもない。
しかしながら,本件条例附則2項及び3項の前記趣旨に照らせば,被告が本件
届出を何らの異議なく受理し,それによってAないし原告が一定の信頼を抱くに
到ったとしても,被告の言動や届出者の信頼によって本件条例施行当時の使用目
的と異なる使用許可が創設される根拠はない。
したがって,原告の前記主張は採用することができない。
3結論
Aが飲料水販売目的での地下水採取の許可を受けていない以上,本件土地を承継
取得した原告がその許可を受けた地位を承継する余地はない。
よって,原告の請求には理由がないから,これを棄却することとし,主文のとお
り判決する。
甲府地方裁判所民事部
裁判長裁判官林正宏
裁判官三重野真人
裁判官小川惠輔

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