弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する
         理    由
 弁護人田中又一提出の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである以下各点に付き
其理由なき所以を説明する
 第一点に付て
 公判廷における被告人の自白はそれのみで犯罪事実を認定する証拠として差支へ
ないものであること当裁判所大法廷の判例とする処で(昭和二十三年七月二十九日
言渡同年(れ)第一六五号事件判決)今これを変更する必要を認めない。其故論旨
は採用出来ない
 第二点に付て
 銃砲等所持禁止令にいわゆる「所持」とは自分の支配し得べき状体に置くことを
いうのである。他人から預つた物で自己の所有に属しないということは「所持」と
いうことの妨とならない、論旨にいう様に人から預つて自宅の水屋の引出に入れて
置いたという行為は其れ丈けで右「所持」に該当するのである。父と同居して居り
父の家であつても自分が預つて自分で引出に入れて置いたものである以上自分で支
配し得る状体にあつたといえるから「所持」というに差支へない論旨は憲法違反と
いう語を使用して居るけれどもこれは前記法律にいう所持という語を誤解して被告
人の行為が右「所持」に該当しないと主張し、それも前提として罪とならない行為
を罰した原判決は違憲だというのである。其故被告人の行為が罪となるべきもので
あるならば論旨と雖憲法違反とはいわない趣旨であること明である、従つて原判決
が論旨にいう憲法違反であるか否かは被告人の行為が罪となるべきものであるか否
かによつてきまることでありこれは前記法律の「所持」に被告人の行為が該当する
か否かの問題であるから結局右法律にいう「所持」の解釈の問題であつて憲法上の
問題ではない、こういうのは仮令論旨中に憲法違反という語が使用されて居ても裁
判所法第十条第一号にいう「処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき」と
いうに該当しないと思うが(蓋こゝで判断すべきことに前記「所持」の意義如何と
いうこと丈けで其れ以外何も憲法上の問題はないからである)尚本件の場合は論旨
にいう憲法違反なりや否やを決する根拠たる右「所持」の意義に付ては既に大法廷
で詳しく判示して居り(昭和二十三年七月二十九日言渡同二十三年(れ)第三九七
号事件判決)それにより被告人の行為が「所持」に該当することは明であるから最
高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項によつても大法廷によらず当小法廷におい
て裁判を為し得べきものである(右大法廷の判決では特に他人から預つたものでも
いゝという様なことは明にはいつては居ないが自己の支配し得べき状体にあれば其
れ丈けでいゝので其外に「自己の所有」等の要件を必要としない趣旨であることは
明である尚右大法廷の判決で自宅内に置いてあるものは反対に認むべき特別の事情
のない限り自己の支配し得るべき状体にあるものと認むべきものだということも示
されてあり本件においては右の様な特別の事情は何もない)
 よつて刑事訴訟法第四百四十六条に従い主文の如く判決する
 以上は公判廷の自白に関する裁判官井上登の反対意見ある外当小法廷全員一致の
意見である。右井上登の反対意見は前記引用昭和二十三年(れ)第一六八号事件大
法廷の判決に書いてある通りである。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二三年九月二一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    河   村   又   介

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛