弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由 
 1 上告代理人高木健一ほかの上告理由第1の2のうち憲法29条3項に基づく
補償請求に係る部分について
 (1) 軍人軍属関係の上告人らが被った損失は,第二次世界大戦及びその敗戦に
よって生じた戦争犠牲ないし戦争損害に属するものであって,これに対する補償は
,憲法の全く予想しないところというべきであり,このような戦争犠牲ないし戦争
損害に対しては,単に政策的見地からの配慮をするかどうかが考えられるにすぎな
いとするのが,当裁判所の判例の趣旨とするところである(最高裁昭和40年(オ)
第417号同43年11月27日大法廷判決・民集22巻12号2808頁)。し
たがって,軍人軍属関係の上告人らの論旨は採用することができない(最高裁平成
12年(行ツ)第106号同13年11月16日第二小法廷判決・裁判集民事20
3号479頁参照)。
 (2) いわゆる軍隊慰安婦関係の上告人らが被った損失は,憲法の施行前の行為
によって生じたものであるから,憲法29条3項が適用されないことは明らかであ
る。したがって,軍隊慰安婦関係の上告人らの論旨は,その前提を欠き,採用する
ことができない。
 2 同第1の2のうち憲法の平等原則に基づく補償請求に係る部分について
 【要旨1】財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と
大韓民国との間の協定(昭和40年条約第27号)の締結後,旧日本軍の軍人軍属
又はその遺族であったが日本国との平和条約により日本国籍を喪失した大韓民国に
在住する韓国人に対して何らかの措置を講ずることなく戦傷病者戦没者遺族等援護
法附則2項,恩給法9条1項3号の各規定を存置したことが憲法14条1項に違反
するということができないことは,当裁判所の大法廷判決(最高裁昭和37年(オ)
第1472号同39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁,最高裁昭
和37年(あ)第927号同39年11月18日大法廷判決・刑集18巻9号57
9頁等)の趣旨に徴して明らかである(最高裁平成10年(行ツ)第313号同1
3年4月5日第一小法廷判決・裁判集民事202号1頁,前掲平成13年11月1
6日第二小法廷判決,最高裁平成12年(行ツ)第191号同14年7月18日第
一小法廷判決・裁判集民事206号833頁参照)。したがって,論旨は採用する
ことができない。
 3 同第1の2のうち,財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関
する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対す
る措置に関する法律(昭和40年法律第144号)の憲法17条,29条2項,3
項違反をいう部分について
 第二次世界大戦の敗戦に伴う国家間の財産処理といった事項は,本来憲法の予定
しないところであり,そのための処理に関して損害が生じたとしても,その損害に
対する補償は,戦争損害と同様に憲法の予想しないものというべきであるとするの
が,当裁判所の判例の趣旨とするところである(前掲昭和43年11月27日大法
廷判決)。したがって,【要旨2】上記法律が憲法の上記各条項に違反するという
ことはできず,論旨は採用することができない(最高裁平成12年(オ)第143
4号平成13年11月22日第一小法廷判決・裁判集民事203号613頁参照)。
 4 その余の上告理由について
 その余の上告理由は,違憲及び理由の不備・食違いをいうが,その実質は事実誤
認又は単なる法令違反を主張するものであって,民訴法312条1項又は2項に規
定する事由に該当しない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 津野 修 裁判官 北川弘治 裁判官 滝井繁男)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛