弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を罰金一万円に処する。
     右の罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期
間被告人を労役場に留置する。
     原審の訴訟費用中、昭和三十年二月十二日の出頭につき証人A、同B、
同Cに同月二十六日の出頭につき証人A、同Cに同年三月二十六日の出頭につき証
人Dに同年五月二十四日の出頭につき証人Eに同年六月十八日の出頭につき証人F
同Gに支給した分を除きその余の分並びに当審の訴訟費用は全部被告人の負担とす
る。
         理    由
 本件控訴の趣旨は末尾添附の弁護人田中正司の差し出した控訴趣意書記載のとお
りである。
 田中弁護人の控訴趣意第一点について
 原判決の挙示引用に係る標目の各証拠を綜合すれば原判示の事実はこれを肯認す
るに足り事実誤認の疑はなく当審における事実取調の結果によつても右の認定を覆
えすことはできない。そして叙上の各証拠を綜合して原判示の事実を認定すること
は論理の法則にも経験則にも反するところはなく、所論の如く審理不尽の違法もな
く、また採証の法則に違反したところもない。なるほど原判示二の同年四月下旬頃
とあるのは同年四月上旬頃とするのが正しいと認められるがかくの如きは、未だ判
決に影響を及ぼすこと明らかな事実誤認とは認め難い。
 すなわち原判決の挙示する証拠を綜合すれば原判示弁護士Hは昭和二十七年十二
月頃から被告人の管理に係る原判示建物の三階の一室を平穏且つ公然にその法律事
務所として使用していたことは明らかであり、被告人においてもしも右Hの該室の
使用をもつて法律上の根拠なく、被告人の権利を侵害するものであるとするなら
ば、これを排除するためには須らく国家機関の保護を求むべきであつて、自ら原判
示の如く威力を用いて同人の業務を妨害するが如きことは法の認容しないところで
ありこれをもつて正当行為、放任行為となすことを得ないのは勿論正当防衛緊急避
難にも該当しない。論旨は仮りに被告人の行為が犯罪を構成するとしても原判示一
の所為に対しては原判示Hは被告人に対し自己の非を深く陳謝して争わず、被告人
の所為を容認したのであるから、かくの如きは被害者の承諾があつたものとして違
法性を阻却するものであり、また原判示二の所為は盗難防止のため戸締りとしてな
したものであつて家屋管理人たる被告人の正当行為として違法性はないと主張する
けれども、前段被害者Hが被告人の原判示一の所為を容認しこれを承諾したもので
あるとの点もまた後段被告人の原判示二の所為は被告人が家屋管理人として単に戸
締りのためになしたものであるとの点もこれを認めるに足る証拠はないから所論は
いずれもその前提を欠き採用することはできない。更に論旨は本件の発生するに至
つた経過及び当時の雰囲気に鑑みれば被告人の原判示の所為は一に原判示Hの悪質
な不法行為により誘発されたものであつて、被告人に対し右の如き行為に出でない
ことを期待することは、一般社会通念上よりして不可能であると主張するけれども
固より独自の見解であり到底採用することはできない。また論旨は被告人は原判示
Hを立退かすとか、その業務を妨害するとかその他Hの業務の遂行を困難ならし<要
旨>める具体的事実の予見即ち業務妨害罪の故意を欠いているから犯罪は成立しない
と主張するけれども、刑法第二百三十四条業務妨害罪にいう業務の「妨害」
とは現に業務妨害の結果の発生を必要とせず、業務を妨害するに足る行為あるをも
つて足るものであり、またその「業務」とは具体的個々の現実に執行している業務
のみに止まらず、広く被害者の当該業務における地位に鑑みその任として遂行すべ
き業務をも指称するものと解すべきところ(最高裁判所昭和二八年一月三〇日第二
小法廷判決参照)被告人は原判示Hが原判示一室を同人の法律事務所として使用し
ていることを知りながら、原判示一、二掲記の如くG、I等をして右室に通ずる階
段の中程を幅約三尺、長さ約六尺の木机一個を逆さにしてふさぎ、約二時間右室へ
の人の出入を阻止させ、あるいは前記階段の中程を幅、長さとも前同様のベニヤ板
一枚でふさぎ約一日間にわたり、右室への人の出入を阻止させたものであり、被告
人が右の事実につき認識があつたことはいうまでもないところであるから被告人に
威力業務妨害罪の犯意がないといえないことは当然である。従つて原判決には所論
の如き憲法第十一条第十三条第三十六条の精神に違反するところはない。それゆえ
各論旨はいずれも理由がない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 中村光三 判事 脇田忠 判事 鈴木重光)

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