弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主 文
1 処分行政庁が原告に対し平成17年5月16日付けでした行政機関の保有する情報の公開
に関する法律9条2項に基づく行政文書不開示決定処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
 主文同旨
第2 事案の概要
1 原告は,平成17年4月1日,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報
公開法」という。)4条1項に基づき,処分行政庁に対し,「平成研究会の政治資金報告書<
平成16年度>」(以下「本件文書」という。)の開示を請求した(甲1)。これに対し処分
行政庁は,情報公開法9条2項に基づき,本件文書には情報公開法5条6号に該当する情報が
記載されていることを理由として,本件文書の開示をしない旨の決定(以下「本件不開示決
定」という。)をし,平成17年5月16日付けで原告に対し通知した(甲2)。本件は,原
告が,本件不開示決定の取消しを求める訴えである。
 本件文書は,政治資金規正法(以下「政資法」という。)12条1項にいう政治団体に係る
その年における収入,支出その他の事項で同項各号に掲げるものを記載した報告書(以下「収
支報告書」という。)である。収支報告書は,政治団体の会計責任者が,毎年12月31日現
在で上記事項を記載し,原則として,その日の翌日から3月以内に提出しなければならない。
本件文書の作成政治団体である平成研究会は,2以上の都道府県の区域にわたり,主としてそ
の活動を行う政治団体であり,主たる事務所の所在地が東京都であるので,収支報告書を東京
都の選挙管理委員会を経て処分行政庁に提出している(政資法12条1項,6条1項2号)。
2 被告は,本訴において,平成17年9月上旬ころには本件不開示決定を取り消し本件文書
を開示することを理由に,本件訴えの却下を求めるだけで,本件不開示決定の処分理由につい
ては何ら主張せず,今後主張する予定も明らかにしない。
第3 当裁判所の判断
 被告は,平成17年9月上旬ころに本件不開示決定を取り消し本件文書を開示する予定であ
ることを理由に,本件訴えの却下を求めるが,口頭弁論終結時において,本件不開示決定は取
り消されておらず,本件文書の開示がされていない以上,原告の本件不開示決定の取消しを求
める訴えの利益を認めることができ,他に,本件訴えを不適法というべき点はない。
 そして,被告が本件不開示決定の適法要件について何ら主張しない以上,本件不開示決定を
適法ということはできず,これを取り消すのが相当である。
 以上によれば,原告の本訴請求は理由があるから認容することとして,主文のとおり判決す
る。
  大阪地方裁判所第7民事部
  裁判長裁判官     廣   谷   章   雄
           裁判官     山   田       明
           裁判官     芥   川  朋   子

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