弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人両名の弁護人佐々木秀雄の上告趣意第一点は違憲をいうけれども、その実
質は、朝鮮人は外国人登録令二条にいう外国人に当らないことを主張するに帰する。
しかし本件において朝鮮人たる被告人等につき同令の適用を認めているのは、朝鮮
人が同令二条にいう外国人であるという判断に基くものではなく、同令一一条一項
により朝鮮人は同令の適用については当分の間これを外国人とみなすと規定されて
いることによるものであつて、一般に朝鮮人が憲法上の日本国民であるか否かを決
定する意味は少しも含まれているものではない。所論は同令一一条一項の違憲を主
張するものでもなく、単なる法令違反の主張を出ないものであるから、適法な上告
理由に当らない。同上告趣意第二、三点は事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑
訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても本件につき同四一一条を適
用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三二年三月二二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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