弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告および附帯上告を棄却する。
     上告費用は上告人の、附帯上告費用は附帯上告人の各負担とする。
         理    由
 上告代理人青柳孝、同青柳孝夫の上告理由一および二について。
 所論は、原判決が上告人の合意解除の抗弁を排斥したのは、法令の適用を誤つた
ものと非難する。しかし、原判決が上告人主張の合意解除の事実は認められないと
判断したことは、その挙示する証拠関係に照し、首肯できないわけでない。所論は、
原判決の認定にそわない事実の主張をまじえつつ、原審が適法にした証拠の取捨判
断、事実の認定を非難するに帰し、採用できない。
 同三について。
 所論は、本件和解契約は双務契約であるのに、双方の債務の履行が同時履行の関
係にないとの原判決の判断は、理由不備、理由そごの違法ならびに法令違背のかし
があると主張する。しかし、所論各債務が同時履行の関係に立つものと認め難いと
した原審の判断は、正当である。所論は、独自の見解であつて、採用できない。
 附帯上告代理人大塚喜一郎、同藤川成郎の上告理由第一点について。
 所論は、本件和解契約によると、附帯被上告人(以下、単に上告人という)が和
解条項(三)によつて附帯上告人(以下、単に被上告人という)に明渡すべき倉庫
の立退期限は、和解条項(二)の建物を上告人において移築すべき期限と解すべき
であるにかかわらず、原判決は右立退期限は右の移築そのものが完了した時と認定
していることは、経験則または信義則違背の違法をおかし、判例にも違反すると主
張する。
 ところで、原判決の確定した本件和解契約の関係部分の内容によると
 (二)中巨摩郡a村b番畑所在の上告人(控訴人)所有の木造瓦葺二階建看視小
屋一棟建坪十五坪外二階六坪および豚小屋と便所は、上告人において昭和二三年一
二月末までにこれを取り毀して、右建物は他に移築すること、
 (三)上告人は昭和二三年一二月末日までに、現に居住する第一目録記載の倉庫
から退去して、右移築した建物に引き移ること、但し右(二)の移築後とすること、
 (四)(二)記載の建物の移築につき被告人(被控訴人)は協力して宅地の選定
および労力の援助をなすこと、
となつており、また、原判決の確定した事実関係によると、上告人は昭和三年以降
警察官として生家を出ていたが、昭和二二年退職し、生家に帰えり、被上告人に対
しその占有する不動産をば、家督相続により自己の所有に帰したものであるとの理
由により、その明渡を求めたため、本件紛争の生じたことを併せ考えると、上告人
の帰郷当時の仮り住いであつた倉庫の明渡は、その移転先である前記(二)の建物
の移築後に行わるべき趣旨と解するを相当とするから、厚判決の所論認定は首肯で
きないわけでない。
 所論は、また、明渡義務の履行期を債務者のなす建物移築の事実そのものにかか
らしめたのでは、債務者は移築を行わない限り、永久に立ち退かないですむという
不合理な結果になると主張するが、上告人のなすべき右移築の前提として、前記和
解条項(四)は、移築先の宅地の選定および労力の援助について被上告人に協力義
務を課しているので、その協力義務を果したことを主張立証しないで、本件倉庫の
明渡を求めることは、むしろ信義誠実の原則に反するものといわざるをえない。そ
れ故、原判決に所論の違法はない。所論は、原判決の認定にそわない事実を主張し
または独自の見解に立つて、原判決が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非
難するに帰し、排斥を免れない。
 同第二点について。
 所論は、原判決は、被上告人の農地の移転登記請求を棄却したが、これは民訴二
二六条の看過ないし審理不尽の違法をおかすものであると主張する。しかし、記録
によると、被上告人は上告人に対し、第一審判決別紙第一、第二、第三目録記載の
土地建物につき、昭和二三年三月二八日付和解契約に基づく所有権移転登記手続を
せよとの判決を求めており、しかも右第一目録記載の土地は宅地であるから、これ
と一括している以上、所論のいわゆる停止条件付登記手続の請求でないこと明白で
あるから、原審の措置は必ずしも不法のものとはいえない。所論も、独自の見解で
あつて、採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   朔   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    長   部   謹   吾

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