弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2練馬都税事務所長が平成21年6月1日付けで控訴人に対してした原判決別
紙物件目録記載1から3までの各土地に係る平成21年度の固定資産税及び都
市計画税の賦課処分(ただし,練馬都税事務所長が平成22年1月8日付けで
した処分により減額された後のもの)を取り消す。
3訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。
第2事案の概要(略称は原判決のものを用いる。)
1控訴人及びAは,いずれも浄土宗を宗派とする宗教法人である。
控訴人は,その所有に係る原判決別紙物件目録記載1から4までの土地(本
件各土地)及び同目録記載5から7までの建物(本件各建物)を,Aに対し,
無償で貸与している。
練馬都税事務所長は,平成21年6月1日,控訴人に対し,本件各土地及び
本件各建物の課税対象部分に対して本件賦課処分をした。これに対し,控訴人
は,同年7月30日,東京都知事に対し,本件賦課処分が違法であるとして審
査請求をした。練馬都税事務所長は,調査の結果,同年12月28日,平成2
1年度に係る価格の修正を決定し,課税対象を本件土地4のうち本件火葬場の
建築面積相当の土地及び本件土地1から3までの土地のうち動物専用墓地とし
て使用されている部分(本件課税土地)とし,平成22年1月8日,本件賦課
処分の一部を取り消す旨の処分(本件減額処分)をした。
本件は,控訴人が,本件課税土地は,地方税法348条2項3号の「宗教法
人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内地」に該当す
るから,固定資産税及び都市計画税を賦課することはできないとして,練馬都
税事務所長(処分行政庁)の所属する公共団体である被控訴人に対し,本件減
額処分による減額後の本件賦課処分の取消しを求める事案である。
原審は,本件課税土地は,地方税法348条2項3号の「宗教法人が専らそ
の本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内地」には該当しないとし
て,控訴人の請求を棄却した。
これに対し,控訴人が控訴した。
2本件における法令の定め,前提事実,争点及び当事者の主張の要旨は,下記
3に控訴人の当審における主張を付加ないし補足するほかは,原判決の「事実
及び理由」欄の第2の1項から4項まで(原判決3頁1行目から同11頁26
行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
3控訴人の当審における主張
本件課税土地は,遺骨埋葬,慰霊祭及び法要の際に住職等による読経などの
儀式行事が行われるなど「宗教上の儀式行事を行うために用いられる土地」
(宗教法人法3条4号)として,地方税法348条2項3号の「宗教法人法第
3条に規定する境内地」に該当するところ,本件課税土地においては,上記読
経等のほか,遺族がお祈りをするなど宗教目的のために利用され,儀式行事な
いしこれに準ずる行為を行い,宗教の教義をひろめ信者を教化育成する行為と
密接に関連する行為のために使用され,人の墓地と宗教的意義において差がな
く,同号の「専らその本来の用に供する」に該当するものであることからする
と,地方税法348条2項3号に該当する。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,本件賦課処分の取消しを求める控訴人の本件請求は理由がない
と判断する。その理由は,下記2に当裁判所の判断を補足するほかは,原判決
の「事実及び理由」欄の第3の1項及び2項(原判決12頁1行目から同18
頁8行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
2判断の補足
控訴人は,動物墓地である本件課税土地の利用状況,人の墓地と宗教的意義
において差がないことなどからすれば,「宗教上の儀式行事を行うために用い
られる土地」(宗教法人法3条4号)として,地方税法348条2項3号に該
当する旨主張する。
しかし,前記引用に係る原判決の「事実及び理由」欄第3の1項に認定した
本件課税土地の利用状況からすると,本件課税土地が,Aが宗教上の儀式行事
を行うという専らその本来の用に供する土地であると認めることはできない。
また,地方税法が,宗教法人が保有する境内地の非課税に関し,同じく非課税
とされている同法348条2項4号の「墓地」とは区別して,「宗教法人が専
らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内地」(同項3号)と
規定し,宗教法人法3条各号においても「墓地」が含まれていないことからす
ると,地方税法348条2項3号が規定する「境内地」に,「墓地」が含まれ
ないことは明らかというべきであって,本件課税土地が,その宗教的意義にお
いて人の墓地と差がないものであったとしても,同項3号に該当するものとい
うことはできない。
したがって,控訴人の主張は採用することができない。
3以上によれば,控訴人の本件請求は理由がなく,これを棄却した原判決は相
当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとする。
よって,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第9民事部
裁判長裁判官下田文男
裁判官北澤純一
裁判官鈴木昭洋

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