弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、第一審判決を取消す。
     被上告人らの請求を棄却する。
     訴訟の総費用は被上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人桃井銈次の上告理由第一点について。
 (一)本件約束手形二通はいずれも上告人が昭和二七年五月二九日株式会社D商
店商事部代表取締役名義を以て振出したものであること、そして他に反証がないか
ら、右各手形はいずれも右株式会社D商店が、その商事部名義で振出したものとみ
るべきであること、(二)右株式会社D商店は、藤沢市ab番地に本店を有する株
式会社E洋服店が、昭和二七年四月三〇日その商号を変更したものであつて、上告
人は同時に代表取締役に就任したものであること(ただし、本件各手形の振出およ
び満期の当時はいまだその商号の変更ならびに代表取締役就任の事実は登記されて
おらず、その後同年九月一五日に至つて漸く登記されたものであること)、(三)
被上告人らの先代Fは、判示のような順序を経て右各手形の裏書譲渡を受けてその
所持人となつたことは、原判決の確定するところである(これらの事実認定は挙示
の証拠に照し首肯できる)。
 右のような事実関係から観れば、株式会社D商店は、本件各手形の振出、満期の
当時並びにFがこれを取得した当時、いまだその商号の変更並びに代表取締役の氏
名につき登記をしていなかつたとはいえ、株式会社E洋服店と、その実質を同じく
する会社として、現実に存在していたものとみるのが相当であり、また原判決もそ
のように認定したものと解される。しかも上告人はその代表取締役であつたという
のであるから、本件各手形は、右実在する会社の代表者である上告人が、その代表
権限に基いて振出したものとみるのが当然であつて、従つて右各手形を取得したF
は、その当然の権利として右会社に対し、本件各手形上の責任を問うことを得べき
筋合であるといわなければならない。
 しかるに原判決は、当時同会社はいまだ右商号の変更並びに代表者就任の事実を
登記していなかつたし、またFも全然その事実を知らなかつたのであるから、上告
人は右会社の存在を以てFに対抗することを得ない筋合であるとし、同会社が当然
に負うべき前記各手形上の責任のほかに本来存在しようのない上告人の責任を肯定
し、被上告人らの本訴請求を認容するに至つたのは、ひつきょう手形法八条および
商法一二条の解釈適用を誤まつたものであるというべく、この誤りは原判決に影響
を及ぼすこと明らかであるから、論旨はこの点において理由があり、原判決はその
余の論旨に対する判断をまつまでもなく破棄を免れないものといわざるを得ない。
 そして原審の確定した事実によれば、被上告人らの請求の失当であること前叙の
とおり明らかであるから、これを認容した第一審判決をも取消し、被上告人らの本
訴請求を棄却すべきものとする。
 よつて、民訴四〇八条、三八六条、九六条、八九条、九三条に従い、裁判官全員
の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    高   木   常   七
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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