弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人の上告趣意は量刑の非難に過ぎず、弁護人柳原武男の上告趣意は単なる法
令違反(第一点所論の検証調書は第一審で証拠とすることに同意されており、その
作成日附の点についても何ら異議の申立がなかつたばかりでなく、原審で何ら主張
判断されておらない。而も右検証調書の日附が検証当日に遡らせてあつたとしたと
ころで、それが相当でないことは別として、証拠能力にも影響なく、本件において
は証明力にも影響がないことである。また第二点所論の原審の弁護人選任時期につ
いては、控訴趣意書最終提出日までに少くとも二一日の期間があり、弁護人は右期
間の末日に趣意書を提出し、異議なく弁論をしているので弁護権の不法制限といえ
ない。)、事実誤認の主張であつて何れも上告適法の理由にならない。また記録を
調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で
主文のとおり判決する。
 検事 吉河光貞出席
  昭和三三年四月一〇日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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