弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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平成29年(あ)第829号わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的
記録記録媒体頒布被告事件
令和2年7月16日第一小法廷判決
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人須見健矢ほかの上告趣意のうち,刑法175条の規定の憲法21条違反を
いう点は,その理由のないことが,当裁判所の判例(最高裁昭和28年(あ)第1
713号同32年3月13日大法廷判決・刑集11巻3号997頁,最高裁昭和3
9年(あ)第305号同44年10月15日大法廷判決・刑集23巻10号123
9頁)の趣旨に徴して明らかであり,刑法175条にいう「わいせつ」の概念が不
明確であるとして憲法31条違反をいう点は,その概念が所論のように不明確であ
るとはいえないから,前提を欠き,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含
め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,刑訴法405条の上告理由
に当たらない。
なお,所論に鑑み記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認め
られない。
1本件は,漫画家兼芸術家である被告人が,被告人の作品制作に資金を提供し
た不特定の者6名に自己の女性器をスキャンした三次元形状データファイル(以下
「本件データ」という。)をインターネットを通じて送信して頒布し,被告人が販
売する商品を購入した不特定の者3名に本件データが記録されたCD-R(以下
「本件CD-R」という。)を郵送して頒布したという事案である。
2所論は,本件データの頒布は,被告人の作品制作に資金を提供する者に対し
資金提供という方法で作品制作に参加する機会を与えるものであることに芸術性・
思想性が認められ,また,本件データ又は本件CD-Rの頒布は,それらの提供を
受けた者に対し本件データを加工して創作をする機会を与えるものであることに芸
術性・思想性が認められるから,本件データは刑法175条のわいせつな電磁的記
録に該当せず,本件CD-Rは同条のわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当
しないなどという。しかしながら,行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁
的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・
程度をも検討しつつ,同条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係
る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっては,電磁的記録が視覚情報であ
るときには,それをコンピュータにより画面に映し出した画像やプリントアウトし
たものなど同記録を視覚化したもののみを見て,これらの検討及び判断をするのが
相当である。本件データ又は本件CD-Rの頒布が前記各機会を他者に与えるもの
であることに芸術性・思想性が含まれているとしても,そのことを考慮してこれら
の検討及び判断をすべきではない。以上の方法によりこれらの検討及び判断をすべ
きであるとした原判決の判断は正当であり,本件データがわいせつな電磁的記録に
該当し,本件CD-Rがわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するとした第
1審判決の認定,評価を是認した原判決の判断に誤りがあるとはいえない。
3所論は,被告人は,女性器に対する卑わいな印象を払拭し,女性器を表現す
ることを日常生活に浸透させたいという思想に基づき,本件データ又は本件CD-
Rを頒布したのであり,しかも,これらの頒布は前記各機会を他者に与えるもので
あることに芸術性・思想性が認められるから,被告人の本件各頒布行為は,正当行
為として違法性が阻却されるなどという。しかしながら,被告人の本件各頒布行為
は,所論が前記各機会の付与についていう点を勘案しても,結局のところ,女性器
を表現したわいせつな電磁的記録等の頒布それ自体を目的とするものであるといわ
ざるを得ず,そのような目的は,正当なものとはいえない。したがって,被告人の
本件各頒布行為は,所論指摘の諸事情により正当行為として違法性が阻却されるも
のではない。
よって,刑訴法408条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決す
る。
(裁判長裁判官小池裕裁判官池上政幸裁判官木澤克之裁判官
山口厚裁判官深山卓也)

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