弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 記録を調査すると、本件の上告趣意書差出期間の最終日に当る昭和二四年一月一
七日に弁護人岡井藤志郎名義で再上告趣意書と題する書面が当裁判所へ差出された
が、被告人が同人を当審における弁護人に選任する旨の書面は同月二〇日に至つて
始めて差出されたことが明かである。上告趣意書を差出すべき法定期間を経過した
後に差出された弁護人選任届によつてはその以前に差出された弁護人名義の上告趣
意書を追完してその差出を有効とすることができないことは当裁判所の判例とする
ところである(昭和二三年(れ)第一二九号同年六月一二日第二小法廷判決)。さ
れば本件においては上告趣意書を差出すべき法定期間内に上告趣意書が差出されな
かつたことに帰着するので刑事訴訟法施行法第二条、旧刑事訴訟法第四二七条によ
り主文のとおり決定する。
 以上は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 長谷川瀏関与
  昭和二四年二月一五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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