弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
本件即時抗告を棄却する。
理由
本件即時抗告の趣意は,主任弁護人及び弁護人連名作成の即時抗告申立書に記載
のとおりであるから,これを引用する。
論旨は,要するに,本件において,A警部補が作成した被告人の取調べ時におけ
る取調べメモ(手控え)・取調べ小票・調書案・ノート・備忘録等(名称の如何を
問わず,犯罪捜査規範13条に基づき作成された取調べ時における被告人の供述内
容,取調べ状況・経過等を書き留めた取調メモ等全て。以下「本件備忘録等」とい
う。)は,被告人及び弁護人の主張との関係において関連性が高く,被告人の防御
のため重要性があるにもかかわらず,本件裁定請求を棄却した原決定は不当である
から,その取消しと本件備忘録等の証拠の開示を命ずる旨の決定を求める,という
のである。
そこで,一件記録を調査して検討するに,本件備忘録等の証拠につき,弁護人の
予定主張との関係における関連性,被告人の防御の準備のために開示をする必要性
の程度等を勘案し,開示を相当と認めなかった原決定に,誤りはない。
所論は,本件備忘録等は,犯行から間もない時期に被告人が供述した内容がその
まま記載されたもので,証明力及び関連性が認められる,また,弁護人らは被告人
の捜査段階の供述調書の信用性を強く争っているところ,供述の要約の仕方等によ
り発言のニュアンス,意味合いなども当然変わり,ひいては本件における計画の綿
密さや計画の時期,共謀の成立時期,及びその具体的内容等の重要な事実に変更を
生じ得るもので,現に弁護人らは,予定主張の中で,争う内容の重要性を具体的に
指摘して明らかにしており,本件備忘録等の開示が被告人の防御のため重要性があ
ることは明白である,などと主張する。
しかしながら,刑訴法316条の20第1項の開示を相当と認めるか否かを判断
するに当たって考慮すべき「関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当
該開示をすることの必要性の程度」とは,予定主張において争う内容の重要性をい
うものではなく,予定主張との関係において,当該証拠の持つ関連性や,その開示
の必要性の程度をいうものである。原決定が適切に説示するとおり,本件における
弁護人らの予定主張の内容や審理予定を勘案すれば,弁護人らが上記の点を主張し,
防御するについては,被告人質問によって,被告人が真意,心情の詳細等を十分に
供述した上で,本件犯行に至る経緯及び犯行状況等に関する被告人及び共犯者らの
具体的な言動等に照らし,その信用性等を評価,検討して主張することが重要とな
るのであり,被告人の取調べ状況やその際の供述内容そのものが直ちに重要な補助
事実となるとはいい難い。したがって,本件備忘録等は,本件における弁護人らの
予定主張との関係において,関連性がないとはいえないものの,その程度が高いと
は認められず,被告人の防御の準備のためにこれを開示する必要性は乏しいといわ
ざるを得ない。所論は採用できない。
よって,刑訴法426条1項により本件即時抗告を棄却することとし,主文のと
おり決定する。
(裁判長裁判官・手﨑政人,裁判官・水上周,裁判官・大寄淳)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛