弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A本人の上告趣意は、訴訟法違反と事実誤認の主張をいでず、刑訴四〇五
条の上告理由に当らない。
 被告人両名の弁護人諫山博の上告趣意第一点について。
 しかし憲法二一条一項の保障する言論その他一切の表現の自由といえども絶対無
制限のものではなく、公共の福祉に反する限度においては制約を受けるものである
ことは、当裁判所大法廷の判例とするところであり(昭和二四年五月一八日判決、
集三巻六号八三九頁、同三二年三月一三日判決、集一一巻三号九九七頁各参照)、
且つ、脅迫罪において害悪の告知が明白にして現在せる危険を内包するものである
ことは同罪の成立に必要な要件ではなく、原審の確定せる事実関係の下において被
告人らの判示所為が脅迫罪を構成することは明白であるから、原判決には所論の如
く憲法二一条一項及び刑法二二二条一項の解釈適用を誤つた違法はない。論旨は理
由がない。
 同第二点について。
 所論は単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(
原審の確定せる事実関係によれば、判示佐賀税務署構内は同税務署に用事のない者
がみだりに立入ることを許さない場所であるから、たとえ同税務署裏手に酒販組合
事務所があつて、人々が同構内を自由に通行していたとしてもやはり同税務署の庁
舎管理者の看守内にあること明白であり、これを通路に準ずるものとなす所論は失
当であるのみならず、原判示の如く被告人らが夜間同庁舎内に人糞を投込む目的を
もつて同構内に立入つた以上その所為は一般に予期される正常な用務を帯びるもの
でなく庁舎管理者の承諾の限度を越えて故なく人の看守する建造物に侵入したもの
として刑法一三〇条の罪を構成するこというまでもない。)
 同第三点及び第四点について。
 所論は、訴訟法違反及び事実誤認の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当
らない。
 検察官の上告趣意について。
 原判決が一般的に爆発物取締罰則にいわゆる爆発物の意義を説示した部分は、論
旨引用の大法廷判決と趣旨において異なるところはないから、この点において判例
違反はない。
 論旨は、原審が証拠により認定した本件ラムネ弾を右罰則にいわゆる爆発物に当
らないと判断した点は、法令の適用を誤り且つ右罰則にいわゆる爆発物の意義を判
示した右大法廷判例に違反するというが、右判例の事件の事実認定において判示さ
れた火焔瓶と原判決において認定された本件ラムネ弾とは、互いに構造、装置、薬
品資材の性質、分量、使用法、性能、殊に破壊力その他において相違するものであ
ること明白であるから、所論の点については右判例は事案を異にし本件に適切でな
い。
 論旨は更に、前記の点についての原判決の判断は引用にかかる高等裁判所の判例
と相反するというが、原審が証拠により認定した本件ラムネ弾は、引用の諸判例の
事件の事実認定において判示されたいわゆるラムネ弾と、構造、装置、性能、威力
等の諸点において具体的に相違するものであること明白であるから、所論の点につ
いては、右諸判例はこれまた事案を異にし本件に適切を欠くものといわなければな
らない。
 しかして、原審が証拠により確定した本件ラムネ弾は、原判示の如く、その一個
の投下地点から僅か一米以内の近距離にあつた警察隊長官舎座敷東側のガラス窓の
ガラス一枚さえも破壊していない程であるから、性能は可成り弱く、その投擲によ
る爆発作用そのものによつて人心に不安脅威の念を生じよつて公共の安全を撹乱し
人の身体財産を傷害損壊するに足る破壊力を有するものとは認め難く、前記罰則に
いう爆発物に当らないものと認めざるを得ず、この点についての原判決の判断は相
当であり、同罰則の解釈適用を誤つた違反はない。
 論旨は理由がない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和三四年七月二四日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛