弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点について。
 (一) 論旨は、訴外D工業株式会社が昭和二九年七月二九日までに施行した二
一パーセントの工事につき取得した報酬金請求権(百一万八千円)は同会社自ら自
由にこれを保有しあるいは第三者に処分譲渡しうべき性質のものであるから、右七
月二九日に同会社がしたと原審が認定した右報酬金請求権の譲渡行為は詐害行為の
対象となりうるものである、と主張し、この点に関する原審の判断を非難するもの
と解される。
 しかし、原審は第一審判決理由を引用して「前記建設局長と被上告会社との間の
保証契約では、工事がD工業会社の責に帰すべき事由によつて約定の期日後相当期
間内に完成される見込がないと認められ、注文者である同局長が保証人である被上
告会社に工事の完成を請求したときは、請負契約に基くD工業会社の権利義務を被
上告会社において承継すべき旨が定められており、右建設局長とD工業会社間の請
負契約では、右の場合もしくは注文者の書面による承諾ある場合を除きD工業会社
が請負契約によつて生ずる権利義務を第三者に譲渡することは許されない旨が定め
られていた」との旨の事実を認定してD工業会社に所論の如き自由が契約上存しな
かつたことを判示していることが明らかであるから、所論は原判示にそわない事実
に基いて原審の判断を争うものにほかならず、上告適法の理由とならない。
 (二) 論旨は又、被上告会社は前記建設局長との間の保証契約によつて契約当
初から判示請負工事を完成すべき債務を負担していたのであつて、建設局長の指示
通告或はD工業会社との譲渡契約によつて始めて右債務を承継負担するに至つたも
のではないと主張し、原審の判断を非難するが、これら所論はすべて原判決主文に
影響を及ぼす蓋然性の認められない点に関するものとみられるから採用しえない。
 同第二点について。
 論旨は、結局原審の「判示譲渡によつてD工業会社は注文者に対する債権を失つ
た反面、前渡金の一部返還債務その他の債務を免れたのであり、その他同会社が特
に損害を蒙つたことは認めるに足りないから、その財産に増減を来したものとは認
め難い」との旨の事実認定およびその証拠の取捨判断を非難するに帰し、上告適法
の理由とならない。
 同第三点について。
 論旨は、D工業会社の譲渡行為当時同会社が上告人を害することを知つて、寧ろ
害する意思で譲渡したものであり、被上告会社も当時上告人を害すべきことを知つ
ていた、仮に然らずとしても、被上告会社は法律上の原因なくしてD工業会社の施
行した工事に対応する報酬金請求権を取得したに帰するとし、結局、原審の事実認
定、証拠の取捨判断を非難し、これを前提として詐害行為又は不当利得の各成立を
主張するものでしかないから、上告適法の理由とならない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    島           保
            裁判官    高   橋       潔

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