弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人福吉實の上告趣意は,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405
条の上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは
認められない。
付言すると,本件は,暴力団構成員である被告人が,同じ傘下の暴力団の組長で
あるA及び被告人が所属する暴力団の組長であるBと共謀の上,ファミリーレスト
ランの店内及び同店前歩道付近において,けん銃2丁を使用して,いずれも他の暴
力団の組長であるC(当時45歳)及びD(当時39歳)を射殺した事案である。
被告人らは,被告人が起こした飲食店の女性経営者に対する暴行事件に関して,C
の配下の者であるEがその所属する上部団体の名前を出して被告人及びBに対して
同経営者に対する慰謝料のみならず同団体の看板料の名目で高額の金銭を要求して
きたことから,この要求に屈しては被告人らの暴力団組織が面目を失い,その活動
が立ち行かなくなるなどと考え,要求額の一部を支払うと偽ってEやその背後にい
るCを誘い出して殺害することを企て,更には上記レストランに金員を受け取りに
来た相手側関係者をけん銃で皆殺しにすることを決意したものであり,このような
暴力団特有の発想に基づく犯行動機に酌量の余地はない。被告人らは,上記のよう
に偽って相手方を呼び出した上,事前の打合せに基づき,Aが上記店内においてC
及びこれに同道してきたDの面前で現金を数えて同人らを油断させつつ,Aの合図
で,被告人及びBがテーブル越しに対面するC及びDに対して至近距離から立て続
けに発砲し,さらに,逃げ出した両名を追い掛けて同店出入口付近及び同店前歩道
付近において両名に発砲したのであって,その犯行態様は,計画的かつ巧妙であ
り,また,強固な殺意に基づく残忍かつ執ようなものである。Cらには,上記のと
おり不当な要求をした点で,本件を誘発した側面はあるが,もとより殺害されなけ
ればならない理由となるものではなく,2名の尊い生命が奪われた本件の結果は極
めて重大であり,遺族らの処罰感情も厳しい。被告人は,Cらとのトラブルの原因
を作ったのは自分であるとの強い意識の下,自ら実行役を申し出て,率先して発砲
するなど,終始積極的に犯行を遂行し,重要な役割を果たしている。これに加え,
本件は,飲食中の一般客17名及び店員5名が現在していた営業中のレストランに
おいて敢行されたものであり,また,被告人らが上記店内において発射した弾丸の
一部が,被害者両名の後方の一般客が着席していたテーブルに着弾し,更には仕切
りガラスを破損しているという状況等も考慮すると,同店の一般客等無関係の市民
が巻き添えとなる危険性も甚だ高かった犯行である。本件が社会に与えた衝撃や不
安も極めて大きい。
以上のような諸事情に照らすと,被告人が反省の情を示し,被害者両名やその遺
族に対する謝罪の意を表していることなど,被告人のために酌むべき情状を十分考
慮しても,被告人の刑事責任は極めて重大であり,被告人を死刑に処した第1審判
決の量刑を維持した原判断は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざ
るを得ない。
よって,刑訴法414条,396条により,裁判官全員一致の意見で,主文のと
おり判決する。
検察官長島裕公判出席
(裁判長裁判官今井功裁判官中川了滋裁判官古田佑紀裁判官
竹内行夫)

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