弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人梅津芳三、同長田義衛の上告理由一および二について。
 原審の認定したところは、所論のように、本件ステツカー中の文言がD候補を有
利に連想させるものであるということではなくして、E候補を支持する者にそのよ
うな印象を与え、同候補の選挙運動に関与する訴外Fらが右ステツカーの配布につ
き市選挙管理委員会に抗議したという事実にとどまることは、原判決の判文に徴し
て明らかである。また、右ステツカーの文章自体ならびに原審の認定した事実関係
を勘案すれば、右ステツカー中の所論文言により一般選挙民がD候補に有利な印象
を受けたものとは認められないとする原審の判断は、首肯するに足り、それが本件
選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあるものと主張する論旨は理由がない。なお、
所論は、E候補の選挙運動者からの抗議を受けた市選挙管理委員会が右ステツカー
の回収につとめた旨の原審認定の事実をもつて、右ステツカーの文言がD候補を利
するものであつた証左というが、そのような市選挙管理委員会の態度は、投票を前
にして紛議の生ずるのを回避しようとしたものと推測できないではなく、それが前
記原審の認定判断に影響するものとは到底認められない。したがつて、原判決に所
論の違法はなく、論旨はいずれも採ることができない。
 同上告理由三について。
 所論は、帰するところ、原審の専権に属する証拠の取捨ないし事実認定を非難す
るものであつて、採ることができない。
 上告代理人梅津芳三の上告理由第一点および第三点について。
 所論は、原審の本件ステツカーの文言の解読ないし解釈を非難し、右文言が選挙
民一般に対してD候補に有利な印象を与えるものである旨を主張するが、その是認
しがたいことは、さきに上告代理人梅津芳三および同長田義衛の上告理由について
説示したとおりであつて、原判決に所論の違法はない。論旨は、全く独自の見解に
立つて原判決を非難するか、または原審の専権に属する証拠の取捨ないし事実認定
を非難するに帰し、いずれも採用に値いしない。
 同上告理由第二点について。
 所論E候補の演説中聴衆から野次があつたが、そのために演説が聞きとれないほ
どのものではなく、司会者たる市選挙管理委員会委員長も二、三回これを制止した
旨の原審の事実認定は、挙示の証拠によつて肯認することができ、かかる事実のも
とにあつては、右委員長が野次を行なう者を退去させなかつたとしても、必ずしも
立会演説会の秩序維持を怠つたものとは解しがたく、原判決に所論の違法はない。し
たがつて、論旨は理由がない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠

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