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平成12年(行ケ)第204号 審決取消請求事件(平成13年3月12日口頭弁
論終結)
          判           決
       原      告   株式会社キンキ
       代表者代表取締役   A
       訴訟代理人弁理士   角 田 嘉 宏
       同          高 石   郷
       同          古 川 安 航
       同          阪 本 英 男
       同          西 谷 俊 男
       被      告   日本スピンドル製造株式会社
       代表者代表取締役   B
       訴訟代理人弁護士   露 木 脩 二
       同    弁理士   林   清 明
       同          森     治
          主           文
 特許庁が平成11年審判第35020号事件について平成12年4月
24日にした審決を取り消す。
      訴訟費用は被告の負担とする。
          事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
 1 原告
   主文と同旨
 2 被告
   原告の請求を棄却する。
   訴訟費用は原告の負担とする。
第2 当事者間に争いのない事実
 1 特許庁における手続の経緯
 (1) 原告は、名称を「シュレッダー用切断刃」とする特許第2813572号
発明(平成3年6月14日実用新案登録出願、平成7年4月10日分割出願、平成
8年4月25日特許出願に変更、平成10年8月7日設定登録、以下「本件発明」
という。)の特許権者である。
    被告は、平成11年1月12日、原告を被請求人として、本件特許につき
無効審判の請求をした。
    特許庁は、同請求を、平成11年審判第35020号事件として審理した
上、平成12年4月24日、「特許第2813572号発明の特許を無効とす
る。」との審決(以下「本件無効審決」という。)をし、その謄本は同年5月17
日原告に送達された。
 (2) 原告は、本件無効審決の取消しを求める本訴提起後の平成12年11月1
7日、本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の各記載を訂正する旨の
訂正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2000-39142号事
件として審理した上、平成13年1月17日、上記訂正を認める旨の審決(以下
「本件訂正審決」といい、本件訂正審決に係る訂正を「本件訂正」という。)を
し、その謄本は同年2月5日原告に送達された。
 2 特許請求の範囲の記載
 (1) 本件訂正前の特許請求の範囲の記載
    シュレッダーのケーシングに軸支された軸にスペーサを挟んで切断刃を装
着し、この切断刃を該軸に嵌着される取付台部分とこれを取り囲む刃先部分とで分
割形成し、しかもこの刃先部分を周方向に分割して複数個の刃先片で形成し、各刃
先片を該取付台に接離可能に構成する共に、該刃先部分で該取付台の外周が表面に
露出しないよう囲繞したシュレッダーにおいて、
    前記取付台の外周に各刃先片に噛合する段状歯部を突出形成したことを特
徴とするシュレッダー用切断刃。
 (2) 本件訂正によって訂正された特許請求の範囲の記載(注、訂正部分を下線
で示す。)
    シュレッダーのケーシングに軸支された軸にスペーサを挟んで切断刃を装
着し、この切断刃を該軸に嵌着される取付台部分とこれを取り囲む刃先部分とで分
割形成し、しかもこの刃先部分を周方向に分割して複数個の刃先片で形成し、各刃
先片を該取付台に接離可能に構成する共に、該刃先部分で該取付台の外周が表面に
露出しないよう囲繞し、かつ、該スペーサの外径を該取付台の外径より大きく形成
して該スペーサで該取付台の側面が表面にほぼ露出しないようにしたシュレッダー
において、
    前記取付台の外周に段状歯部を突出形成する一方、各刃先片の端部に設け
た段部と段状歯部とを係合して刃先部分と該段状歯部とを噛合する如く構成したこ
とを特徴とするシュレッダー用切断刃。
 3 本件無効審決の理由
   本件無効審決は、本件発明の要旨を本件訂正前の特許請求の範囲の記載のと
おり認定した上、本件発明は、実公昭57-31953号公報、実公昭57-42
518号公報及び欧州特許出願公開第0401620号明細書(1990年)記載
の各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許
法29条2項の規定に違反して特許されたものであり、同法123条1項2号に該
当し、無効とされるべきものとした。
第3 当事者の主張
 1 原告
   本件無効審決が、本件発明の要旨を本件訂正前の特許請求の範囲の記載のと
おり認定した点は、本件訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとお
り訂正されたため、誤りに帰したことになる。そして、この瑕疵は本件無効審決の
結論に影響を及ぼすものであるから、本件無効審決は違法として取り消されるべき
である。
 2 被告
   本件訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正された
ことは認める。
第4 当裁判所の判断
   本件訂正審決の確定により、特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正され
たことは当事者間に争いがなく、この訂正によって特許請求の範囲が減縮されたこ
とは明らかである。
   そうすると、本件無効審決が、本件発明の要旨を本件訂正前の特許請求の範
囲のとおりであると認定したことは、結果的に誤りであったことに帰する。そし
て、これが本件無効審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、本件無効
審決は、瑕疵があるものとして取消しを免れない。
   よって、原告の請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき行政事
件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
     東京高等裁判所第13民事部
         裁判長裁判官 篠  原  勝  美
    裁判官 長  沢  幸  男
    裁判官 宮  坂  昌  利

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