弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人Aの負担とする。
         理    由
 被告人Bの弁護人戸塚浜造の上告趣意(後記)について。
 量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
 被告人Cの弁護人竹沢哲夫の上告趣意(後記)について。
 第一点
 所論は憲法三一条違反をいうけれども、その実質は単なる刑訴法違反の主張に帰
し、適法な上告理由にあたらない。のみならず、所論第一審判決摘示の「同年〔昭
和二六年〕十二月二十七日頃」とあるのは、「同年十月二十七日頃」の誤記である
ことが明白であるから(一二月であれば、同被告人起訴後になる)、同判決第十八
(四)の事実は、起訴状第四の事実に対応するものであり、所論は前提を欠くもの
である。
 第二点
 事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 第三点
 単なる法令違反の主張であつて「適法な上告理由にあたらない。なお、刑訴三九
二条二項が同条項所定の事由に関し、控訴審に職権調査の義務を課したものでない
ことは、当裁判所のくりかえし判例とするところである。(昭和二五年(あ)第二
一二一号同二六年三月二七日第三小法廷決定、集五巻四号六九五頁参照)
 第四点
 量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 第五点
 所論は憲法三一条違反をいうけれども、その実質は単なる刑訴法違反の主張に帰
し、適法な上告理由にあたらない。(なお、所論のような証拠調前の被告人に対す
る質問≪所論の摘録したところが、質問の全部である≫が、違法といえないことに
関しては、昭和二五年(あ)三五号同年一二月二〇日大法廷判決、集四巻一三号二
八七〇頁参照)
 被告人Aの弁護人小川関治郎の上告趣意(後記)について。
 単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。(なお、所論の
点については、昭和二六年最高裁判所規則一五号による改正後の刑訴規則四四条、
四六条一項参照。)
 なお、同弁護人は、上告趣意書提出期限後(約五ケ月遅れて)、さらに趣意書を
提出しているが、これに対しては判断しない。
 また記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定する。
 この決定は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二九年三月三〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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