弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原略式命令中第一事実に関する部分を破棄する。
     右第一事実に関する本件公訴を棄却する。
         理    由
 検事総長の本件非常上告理由について。
 被告人Aに対する酒税法違反被告事件の訴訟記録に徴すると、同被告事件につき
昭和三二年四月一九日豊橋簡易裁判所は、被告人が所轄税務署長より酒類製造の免
許を受けないで雑酒を製造する目的を以て、第一、昭和三〇年六月一〇日頃豊川市
a町字bc番地d方西側小屋において、砕麦五升位をむしたものと小麦こうじ二升
五合位及び水約一斗を原料として、これを水がめに仕込んで醗酵させ同年六月一六
日頃前同所に於て雑酒約一斗五升位を製造して販売し、同月二三日頃その残り七升
三合を所持していた、第二、、同年六月二二日頃前同所において、砕麦二斗位をむ
したものと小麦こうじ一斗位及び水約五斗を原料として、これを木桶二個に仕込ん
で醗酵させ雑酒もろみ六斗九升三合を製造したが、同年六月二三日収税官吏に発見
されたためその目的を遂げなかつた、との酒税法違反の事実を認定し、これに対し
相当法条を適用して「被告人を第一事実につき罰金五千円に、第二事実につき罰金
二万一千円に各処する。右の罰金を完納し得ない場合にその分について金二五〇円
を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。押収に係るもろみ三六一合の換
価代金二三三円一〇銭(領置番号昭和三二年領一二四号の証第一号)、もろみ三二
八合の換価代金二三五円八〇銭(同領置番号の証第二号)、濁酒六三合(同領置番
号の証第三号)、濁酒六合の換価代金五円四〇銭(同領置番号の証第四号)、木桶
一個(領置番号昭和三二年庁外保管第一号の証第外一号)、木桶一個(同領置番号
の証第外二号)、大水がめ(同領置番号の証第外三号)、水がめ一個(同領置番号
の証第外四号)は何れも之を没収する」旨の略式命令をなし、この裁判は昭和三二
年四月二〇日被告人に送達され、その後正式裁判請求期間の経過により同年五月五
日確定したこと、被告人は右第一事実と同一の行為につき昭和三一年二月一日税務
署長の通告処分にもとづく罰金相当額四、八〇〇円の履行をしたので、収税官吏の
告発がなかつたのに略式命令の請求がなされたこと及び前示の各没収物件中濁酒六
三合、濁酒六合の換価代金五円四〇銭、大水がめ、水がめ一個は、いずれも右第一
の犯罪にかかるものであることの事実を認めることができる。
 してみると、略式命令の請求を受けた豊橋簡易裁判所は、その公訴事実中第一の
酒税法違反の事実及びこの事実にかかる没収につき被告人は通告処分を履行し、収
税官吏の告発がなかつたのであるから、すべからく刑訴四六三条により通常の規定
に従つて、審判をした上、右の部分については公訴提記の手続がその規定に違反し
たものとして同三三八条四号により判決をもつて公訴を棄却し、その余の第二事実
についてのみ有罪の言渡をすべきであつたといわなければならない。しかるに、こ
のことなく前記のように、右第一事実につき有罪の認定をし、被告人を罰金五千円
に処し、前示四つの物件を没収する旨の略式命令をしたのは違法であり、かつ、被
告人に不利益であることが明らかである。
 よつて、刑訴四五八条一号により原略式命令中第一の酒税法違反の公訴事実及び
該事実にかかるものとして没収の言渡をした濁酒六三合、濁酒六合の換価代金五円
四〇銭、大水がめ、水がめ一個に関する部分を破棄し、右有罪部分についての本件
公訴を棄却すべきものとし、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 本件公判には検察官松村禎彦が出席した。
  昭和三二年一二月二四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛