弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人西ケ谷徹の上告趣意及び、同長野潔の上告趣意第一点について。
 収賄罪は公務員が職務に関して賄賂を収受するによつて成立し、これにより公務
員が不正の行為をなし又は相当の行為をなさないことを要件とするものではない。
故に事実上不正処分の可能性なき場合においても収賄罪の成立を妨げないとするこ
と従来の判例とするところである。(昭和一一年(れ)五六二号同年五月一四日大
審院第二刑事部判決)。従つて刑法一九七条後段の請託とは公務員に対して一定の
職務行為を行うことを依頼することであつて、その依頼が不正な職務行為の依頼で
あると、正当な職務行為の依頼であるとに関係なく、苟も公務員が請託を受けて賄
賂を収受した事実ある以上同条後段の収賄罪は成立し、賄賂の収受が事前なると事
後なるとは犯罪の成否に影響なきことは従来判例の趣旨に徴して明らかである。所
論は収賄罪の被害法益は公務員の職務の公正であるとの前提に立ち、請託とは公務
員の職務の公正を害するおそれある不法の依頼要求であつて、正当な職務行為の依
頼を受けて賄賂を収受するも何等職務の公正を害する危険がないから請託というを
得ず、従つて同条後段の収賄罪を構成せずと主張するけれども、公務員の職務の公
正を維持するためには正当な職務行為に対しても賄賂による買収を許すことを得な
いことは明らかである。論旨に援用する判例は現行刑法一九七条改正以前のもので
あつて、本件に適切でないから論旨は採用することができない。なお論旨は原判決
の判断遺脱を主張しているけれども、これは刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
 弁護人長野潔の上告趣意第二点について。
 論旨は、上告人が原審において主張せず、原審において判断されなかつた事項に
ついて第一審判決の瑕疵を主張するものであるのみならず、判例違反に名をかる訴
訟法違反の主張であつていずれの点よりするも上告適法の理由とならない。
 同第三点及び弁護人大竹武七郎の上告趣意第二点について。
 論旨はいずれも量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
 弁護人大竹武七郎の上告趣意第一点について。
 論旨は判例違反、法令違反を主張するけれども実質は事実誤認の主張であつて上
告適法の理由とならない。のみならず、第一審判決の認定事実は挙示の証拠を綜合
して優にこれを認め得るところであるから、論旨は採用することができない。
 また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二七年七月二二日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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