弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人鍛治利一名義の上告理由第一点について。
 論旨(一)に引用する原判決の判断は、その挙示の証拠により是認しうる。甲一
号証の裁判上の和解が所論のような経緯で成立し、また和解調書一〇項が所論のよ
うに、和解の日である昭和二六年五月二八日より同二八年一二月末日までを契約期
間とし、爾後は、右期間中被上告人において和解条項を忠実に履行した場合に限り
当事者双方の協議によつて契約を更新することがありうる趣旨で挿入されたにすぎ
ないとしても、これによつて原判決の所論の判断に消長を来たすものではない。し
たがつて、本件賃貸借は、借家法の適用を受けるため、前記和解条項が所論のよう
な趣旨の規定とすれば、明らかに賃貸借の更新に関する借家法の規定を制限するこ
とになるので、同法六条によりその限度で無効となることもいうまでもない。原審
の前記判断には所論の違法なく、論旨は理由がない。
 同第二点について。
 しかし、所論乙一、二号証によると、所論の契約が「甲一号証の和解を変更改廃
するものではない」としながら、しかも「契約期間はいかなる事情があるとも延長
を認めない」とか、「契約期間満了の場合被上告人やE夫妻よりは延長の申出をな
さない」というような条項を挿入する等、甲一号証の和解条項をさらに制限するよ
うな頗る厳格な規定をしていること、乙二号証の契約書には被上告人も当事者とな
つていることと、原判決挙示の証拠関係をあわせ考えると、原判決の所論の認定に
はなんら本末顛倒の点はなく、その他論旨(一)に引用する原審の認定は、いずれ
も挙示の証拠から肯認することができる。論旨は理由がない。
 同第三点について。
 原審の確定した事実関係からすれば、上告人が被上告人の賃料支払の遅延を理由
として本件賃貸借を解除することは、信義則上許されないものとした原判決の判断
は正当である。所論は、ひつきよう原審が適法に確定した事実にそわない事実を前
提として原判決を非難するものでしかなく採るを得ない。
 同第四点について。
 論旨引用の原判決説示部分は、要するに、Eが本件家屋でパチンコ営業をするに
ついて、第三者と共同経営したり、第三者に転貸して営業させた事実を、上告人は
黙認し、その代り賃料を一方的に大巾に値上げしたこと、また上告人は転借人Fよ
り民法六一三条によつて直接賃料の支払を受けたこと、さらに右Fが本件家屋でパ
チンコ営業をするための許可申請をするに際しては、家屋使用承諾書を提出してこ
れに協力したこと等により、結局前記共同経営ないし転貸について明示または黙示
の承諾を与えているのであるから、これを理由に本件賃貸借契約の解除をすること
はできないというのであつて、右認定の事実関係からすれば所論の点に関する原判
示は正当である。原判決の右判示は、決して、上告人において前記転借人Fをして、
昭和二八年一二月末日以後も本件家屋を使用させることを承諾したとの事実認定を
前提としているものではないこと判文上明白である。原判決がこれを前提とするか
の如く主張する論旨は、原判決を正解せざるに出でたものであつて、論旨はすべて
採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛