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平成17年(行ケ)第10059号 審決取消請求事件
(旧事件番号 東京高裁平成16年(行ケ)第35号)
口頭弁論終結の日 平成17年4月26日
            判        決
      原      告     ヒューレット・パッカードカンパニー
      訴訟代理人弁理士     古谷聡
      同            溝部孝彦
      同            西山清春
      被      告     特許庁長官 小川洋
      指定代理人        江畠博
      同            片岡栄一
      同            高橋泰史
      同            高木彰
      同            涌井幸一
      同            宮下正之
            主        文
     1 原告の請求を棄却する。
     2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日
と定める。
            事実及び理由
第1 請求
 特許庁が不服2001-21500号事件について平成15年9月25日にした審決を取り
消す。
第2 事案の概要
 本件は,後記本願発明の出願人である原告が,特許庁から拒絶査定を受けたの
で,これを不服として審判請求をしたところ,特許庁が審判請求不成立の審決をし
たため,原告が同審決の取消しを求めた事案である。
第3 当事者の主張
1 請求原因
(1) 特許庁における手続の経緯
 原告は,名称を「オートチェンジャ」とする発明につき,平成5年5月
17日(パリ条約による優先権主張1992年5月15日,英国。1992年12月9日,英国)
に特許出願(平成5年特許願第114557号,以下「本件出願」という。甲2)をし
た。
 その後原告は,平成11年7月16日に手続補正(第1次補正,甲3)を,平成12年
12月13日に手続補正(第2次補正,甲5)を,平成13年8月6日に手続補正(第3
次補正,甲6)をした。
 特許庁は,本件出願に対し,平成13年8月21日付けで拒絶査定(甲9)を
した。
 そこで原告は,同年12月3日に不服審判の請求をし,同請求は不服2001-21500号
事件として特許庁に係属した。
 その後原告は,平成13年12月27日に再び手続補正(第4次補正,甲7)をした。
 特許庁は,同事件について審理したうえ,平成15年9月25日付けで「本件審判の
請求は,成り立たない。」との審決(以下「審決」という。)をし,その謄本は,
同年10月7日原告に送達された。なお,出訴期間として90日が附加された。
(2) 本件出願に係る発明の要旨
 平成13年12月27日付け手続補正書(第4次補正,甲7)により補正された
明細書の特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明は,下記のとおりである
(以下「本願発明」という。)。
               記
  複数の記録媒体製品(52)を保管し,これらの記録媒体製品(52)の読
み取り及び/又は書き込みを行う機構(50)との間で前記複数の記録媒体製
品(52)を転送するための装置(10)であって,
 前記複数の記録媒体製品に共通する回転軸(A,B)の周りに前記記録媒体製
品(52)が同時に複数個隔置されるように,かつ前記回転軸(A,B)に沿って前
記記録媒体製品(52)が同時に複数個隔置されるように前記複数の記録媒体製
品(52)を保管するための保管領域(15)と,前記機構(50)が前記保管領
域(15)に隣接して固定配置され,前記回転軸(A,B)が前記機構(50)を通過
するようになっていることと,
 前記複数の記録媒体製品(52)を担持し,担持した前記複数の記録媒体製
品(52)と共に前記保管領域(15)に対する挿入及び取り出しが可能なように構成
され,少なくとも2つの側からアクセス可能なマガジン(70,84)と,
 前記回転軸(A,B)を横切る1つの方向のみから,前記マガジン(70,84)の
前記少なくとも2つの側を介して,前記保管領域(15)に保管されている前記複数
の記録媒体製品(52)の何れにもアクセスできるように,前記マガジン(70,84)
を回転させ,それによって前記回転軸(A,B)の周りで前記複数の記録媒体製
品(52)を一体として回転させるための手段と,及び
 前記1つの方向から前記記録媒体製品(52)を収集し,前記保管領域(15)と前
記機構(50)との間で前記記録媒体製品(52)を転送するように動作可能な転送手
段(13)とからなる装置(10)。
(3) 審決の内容
ア 審決の内容は,別添のとおりである。その理由の要点は,本願発明は,
その出願前に頒布された特開平2-9058号公報(甲14。以下「引用刊行物」とい
う。)に記載の技術に,本件出願時既に周知となっていた技術を勘案することによ
って,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項に
より特許を受けることができない,等としたものである。
イ 上記判断をするに当たり,審決は,本願発明と引用刊行物に記載された
発明(以下「引用発明」という。)との一致点及び相違点について,次のとおり認
定している。。
(一致点)
「 複数の記録媒体製品を保管し,これらの記録媒体製品の読み取り及
び/又は書き込みを行う機構との間で前記複数の記録媒体製品を転送するための装
置であって,
 前記複数の記録媒体製品に共通する回転軸の周りに前記記録媒体製品が同時に複
数個隔置されるように,かつ前記回転軸に沿って前記記録媒体製品が同時に複数個
隔置されるように前記複数の記録媒体製品を保管するための保管領域と,前記機構
が前記保管領域に隣接して固定配置され,前記回転軸が前記機構を通過するように
なっていることと,
 前記複数の記録媒体製品を担持し,担持した前記複数の記録媒体製品と共に前記
保管領域に収納されるように構成され,少なくとも2つの側からアクセス可能なマ
ガジンと,
 前記回転軸を横切る1つの方向のみから,前記マガジンの前記少なくとも2つの
側を介して,前記保管領域に保管されている前記複数の記録媒体製品の何れにもア
クセスできるように,前記マガジンを回転させ,それによって前記回転軸の周りで
前記複数の記録媒体製品を一体として回転させるための手段と,及び
 前記1つの方向から前記記録媒体製品を収集し,前記保管領域と前記機構との間
で前記記録媒体製品を転送するように動作可能な転送手段とからなる装置。」であ
る点。
(相違点)
「 本願発明では,カセットを交換するために,「マガジンが,担持し
た複数の記録媒体製品と共に保管領域に対する挿入及び取り出しが可能なように構
成され」ているのに対し,引用発明では,マガジンは担持した記録媒体製品と共に
保管領域に収納されることが規定されているが,実施例では,マガジンは保管領域
において,回転可能であるが取り外しは不可能に固定配置され,転送手段とは反対
側の開閉蓋11を開くことによりマガジンに対して外部からカセットの投入や交換が
行えるようになっている」点。
(4) 審決の取消事由
 しかしながら,審決は,以下の理由により,相違点に係る進歩性の判断に
つき事実の認定及び法律の適用を誤った違法なものとして取消しを免れないもので
ある。なお,本願発明と引用発明との間の一致点と相違点が審決記載のとおりであ
ることは認める。
ア(取消事由第1点)
 引用発明は,装置の大きさをなるべく大きくせず,かつ,装置の構造を簡単にす
ることを目的ないし特徴としている。このような引用発明に,特開昭57-169965号
広報〔甲15〕,特開平2-247859号公報〔甲16〕,特開平3-73459号公報〔甲17〕
(以下,これらを総称して「本件各周知文献」という。)に開示されたような,マ
ガジンを挿入及び取り出し可能な機構を敢えて適用するならば,引用発明の装置の
サイズが大きくなるだけでなく,その構造が複雑になり,その結果,引用発明の目
的を達成することができなくなることは明らかである。すなわち,限られたスペー
スにできるだけ多くのカセットを収容するための引用発明のオートチェンジャに,
そのような本来の機能を害することとなる挿入及び取り出し可能な構成を関連付け
ること自体が当業者が通常想定するところではない。
 引用発明のストッカは,旋回モータ6の回転駆動軸に直結された状態で固定され
ており,かつ,カセットが縦方向に何重にも多層化された大規模なものである(甲
14の第2図等を参照)。このような大規模なストッカを,まるごと回転駆動軸に対
して安定確実に着脱可能に係合させる機構が,当業者にとって容易に想到可能な単
純なものでないことは明らかである。引用発明の多層構造をなす大規模かつ回転可
能なストッカをまるごと着脱可能にする構成を引用発明に適用しようとするなら
ば,格別な機構を付加することになる以上,引用発明の装置の大きさが大きくなっ
てしまうことは自明のことであるから(装置の大きさを大きくしないように適用可
能な構成自体容易想到可能なものではない),収納部の大きさを大きくすることな
くカセットの収容数を増大しようとする引用発明の目的(甲14の2頁左上欄17~
20行)に反することとなる。かかる弊害は,引用発明のストッカを着脱可能にする
ことを容易に着想することに対する阻害事由となるものである。
イ(取消事由第2点)
 前出甲15に記載された挿入及び取り出し可能なマガジンは,それ自体に回転台を
有し,また,前出甲16及び17に記載されたマガジンは,いずれもそれら自体にター
ンテーブルを有しており,マガジンそのものが,すなわち,マガジンが全体として
回転するものではない。これに対し,本願発明のマガジンは,マガジンそのもの
が,すなわちマガジンが全体として回転させられるように構成されているから,両
者のマガジンの構成は明確に異なる。本件各周知文献の構成においては,マガジン
のケース部に加えて,可動式のターンテーブルの挿入/取り出し動作がなされるた
めに,その動作に応答して,そのような可動部分を確実に装置に係合/解除するた
めの特別な機構が必要になる。一方,マガジン自体に可動部分を有しない本願発明
によれば,そのような機構が不要である。また,本願発明では,マガジンの構成を
より簡単にすることもできる。さらに,挿入/取り出しされるターンテーブルのよ
うな可動体との係合/解除機構を装置本体側に必要としない分,本願発明は,装置
本体の動作の安定性,確実性の点で優れている。
ウ(取消事由第3点)
 引用発明では,ストッカ5a,5bの中央部が,旋回モータ6の駆動軸に取り付けら
れていて装置内に固定設置されているが,それらのストッカを挿入及び取り出し可
能とするためには,旋回モータ6の駆動軸への着脱が必要となるところ,引用刊行
物には,そのような手段は何ら示唆されていない。本件各周知文献にも,マガジン
の中央部とモータ駆動軸を直結した構成,及び,そのようなモータ駆動軸に対して
マガジンを着脱させる手段は何ら開示されていない。
 したがって,引用発明のストッカを挿入及び取り出し可能とするために必要な,
モータの駆動軸とストッカの中央部を確実に結合/解除するための特別な機構は,
引用刊行物にも本件各周知文献にも開示も示唆もされておらず,そのような機構を
引用発明に組み込むことは当業者にとっても容易に想到できることではない。
エ(取消事由第4点)
 本件各周知文献に記載されたマガジンは,ターンテーブル等をマガジン本体に対
して回転させることによりマガジン本体の一方方向からのみアクセス可能,すなわ
ち,マガジン本体の一方の側からのみアクセス可能な構成であるのに対し,本願発
明のマガジンは,「少なくとも2つの側からアクセス可能」である点でも明確に異
なる。本願発明のマガジンは,ターンテーブルを一体的に組み込んでいないことに
加えて,回転などの操作を伴うことなくマガジン本体の2つの側からアクセス可能
である点で,本件各周知文献に記載されたマガジンとは構成上も作用上も明確に異
なるから,この観点からも,本件各周知文献のマガジンを引用発明の装置に単に適
用するだけでは本願発明の構成をなすことができないことは明らかである。
2 請求原因に対する認否
 請求原因(1)(2)(3)の各事実は認める。同(4)は争う。
3 被告の反論
 原告が,本願発明の進歩性についての審決の認定判断が誤りであるとして主張す
るところは,次のとおりいずれも失当である。
(1) 取消事由第1点について
 ある技術を同一技術分野の他の技術と組み合わせて両方の作用効果を有する発明
とすることは,当業者が普通に採用することである。これを本件についてみると,
複数の記録媒体製品を担持するマガジン単位に交換可能とするという周知技術があ
る以上,オートチェンジャにこの周知技術を用いて記録媒体製品の交換を容易にす
ることは当業者であれば普通に採用することである。そして,この記録媒体製品を
担持するマガジン単位に交換可能とするという周知技術を用いた場合には,交換の
ための構成が必要となるが,上述のように当業者であれば普通に採用することであ
り,また,この周知技術が,必ずしも装置の大きさを大きくするというものでもな
いから,この周知技術を引用発明に適用することを阻害する格別の理由がないこと
は明らかである。
(2) 取消事由第2点について
 審決が本件各周知文献を挙げて認定した周知技術は,複数の記録媒体製品を担持
するマガジンをオートチェンジャに対して挿入及び取り出し可能とすることによっ
て,複数記録媒体を担持したマガジン単位で交換するという技術的思想のことを指
しているのであり,マガジン自体が回転するか否かという点までも周知技術の認定
に含めているわけではない。マガジン全体として回転させられるように構成されて
いることについては,審決はこれを本願発明と引用発明との一致点で認定してお
り,原告もこの点については争っていないところである。
 また,マガジン自体にターンテーブルのような可動体を有しないことについて
は,これらは,本件各周知文献に記載された個別具体的構成要素に過ぎず,審決に
おいては該要素を含めて周知慣用技術と認定しているものではない。そして,原告
は本願発明のものは装置本体に可動体との係合・解除機能を必要としないことによ
り安全性・確実性の点で優れているとしているが,「マガジンが,担持した複数の
記録媒体製品(52)と共に保管領域に対する挿入及び取り出しが可能なように構成
され」という構成部分からは当該普遍的作用効果の把握はできない。
 よって,引用発明に周知慣用技術を適用して,引用発明の固定配置されたマガジ
ンを保管領域に対して挿入及び取り出し可能なものと置換する程度のことは当業者
において容易に想到可能と認められるから,本願発明をなすことは当業者にとって
容易であるとの認定に誤りはない。
(3) 取消事由第3点について
 引用発明において,複数の記録媒体製品を担持するマガジン単位に交換可能とす
るという周知技術を用いる際に,記録媒体製品を保管するマガジン部とマガジンの
回転支持駆動部とを着脱可能な係合構成とする程度のことは,当業者であれば適宜
実施し得ることに過ぎない。
(4) 取消事由第4点について
 審決は,本願発明と引用発明との一致点及び相違点を明確にした上で,相違点に
関して,複数の記憶媒体を担持するマガジンをまるごと挿入・取出し可能にするこ
とは,本件各周知文献に記載されているように本件出願当時において既に周知慣用
されている技術であったと認定した上,引用発明の固定配置されたマガジンを保管
領域に対し挿入及び取り出し可能なものと置換する程度のことは容易に想到できる
と判断しているものである。そして,複数の記録媒体製品を担持するマガジン単位
で交換可能とするという周知技術を引用発明のストッカ5a,5bに適用した場合に,
マガジンが,マガジン本体の2つの側からアクセス可能となり,カセットを多層的
に収納する構成となることは当然であり,そのこと自体が本願発明の進歩性を基礎
付けることにならないことは明らかである。
第4 当裁判所の判断
1 請求の原因(1)(特許庁における手続の経緯),(2)(本願発明の要旨)及
び(3)(審決の内容)の各事実は,いずれも当事者間に争いがない。
 本件審決は,前記のとおり引用発明と本願発明との一致点及び相違点を認定した
うえ,相違点について,本件各周知文献に例示された周知技術を引用発明に適用す
ることによって本願発明の構成に想到することは容易であるから,本願発明には進
歩性がない,としたものである。
 そこで,以下においては,原告主張の取消事由毎に審決の適否について判断する
こととする。
2 取消事由第1点について
(1) 審決,引用刊行物,本件各周知文献に対する概括的検討
ア 本件審決
(ア) 引用発明と本願発明との一致点及び相違点が前記第3の1(3)イのと
おりであることについて,当事者間に争いがない。そして,相違点に係る容易想到
性について,審決は次のとおり説示している。
「しかるに,複数の記録媒体製品を担持し,担持した前記複数の記録
媒体製品と共に前記保管領域に収納されるように構成され,記録媒体製品を一体と
して共通の回転軸の周りを回転させる少なくとも2つの側からアクセス可能なマガ
ジンをオートチェンジャに対して挿入及び取り出しが可能にすることによってオー
トチェンジャをコンパクトにし,操作を簡単にすることは,本願出願当時すでに周
知慣用されている技術(必要ならば,本件の請求人が早期審査,早期審理請求時に
事情説明のため提出した特開昭57-169965号公報や特開平2-247859号公報,特開
平3-73459号公報等を参照されたい)に過ぎず,また本願発明,引用発明,周知慣
用技術のいずれもが,記録媒体のオートチェンジャという共通の技術分野のもので
あることから,これらの周知慣用技術を引用発明に適用して,引用発明の固定配置
されたマガジンを保管領域に対して挿入及び取り出し可能なものと置換する程度の
ことは当業者において容易に想到可能と認められるので,この相違は格別のものと
は認められない。」(5頁29行~6頁3行)。
(イ) 上記説示内容によれば,審決は,「複数の記録媒体製品を担持し,
担持した前記複数の記録媒体製品と共に前記保管領域に収納されるように構成され
……る……マガジンをオートチェンジャに対して挿入及び取り出しが可能にするこ
とによってオートチェンジャをコンパクトにし,操作を簡単にすること」を周知技
術として認定したうえ,引用発明及び周知技術がいずれも記録媒体のオートチェン
ジャという共通の技術分野に属することから,周知技術を引用発明に適用して,引
用発明における記録媒体の担持手段である固定配置されたストッカを,挿入・取出
し可能なマガジンと置換する程度のことは当業者において容易に想到可能と認めら
れると判断したものである。
 なお,審決の上記説示では,マガジンが「記録媒体製品を一体として共通の回転
軸の周りを回転させる少なくとも2つの側からアクセス可能な」構成のものである
ことを含めて周知技術を認定しているかのごとき表現となっている。しかし,審決
は当該構成を引用発明と本願発明との一致点として認定しているのであるから(前
記第3の1(3)イの第3段落),当該構成が周知技術の内容となっているか否かは,
引用発明に周知技術を適用することによって本願発明の相違点に係る構成が想到容
易といえるか否かの判断には影響しない。したがって,想到容易性の論理付けに用
いられている周知技術の内容は,当該構成を除いた「複数の記録媒体製品を担持
し,担持した前記複数の記録媒体製品と共に前記保管領域に収納されるように構成
され……る……マガジンをオートチェンジャに対して挿入及び取り出しが可能にす
ることによってオートチェンジャをコンパクトにし,操作を簡単にすること」の部
分のみであると解される。
イ 引用刊行物
(ア) 一方,引用刊行物(甲14)には,以下の①ないし⑥のとおりの記載がある。
①「情報記録媒体を収納したカセットをそれぞれ複数個出入自在に収納
する複数の収納部と,上記カセットを出入自在に装着しこのカセット内の情報記録
媒体に対して情報処理を施す情報処理部と,上記収納部と上記情報処理部との間で
上記カセットを搬送しこのカセットをこれら収納部および情報処理部に対して出し
入れする搬送手段と,上記複数の収納部を水平面内で回動させる回転駆動手段とを
具備し,これら収納部を回動させていずれか1個の収納部を上記搬送手段に対して
選択的に対向させることができるようにしたことを特徴とする情報記録媒体のカセ
ット自動交換装置。」(1頁左下欄,特許請求の範囲)
②「(発明が解決しようとする課題)
 しかしながら,最近では記録する情報量が益々増大する傾向にある。このため,
従来の収納部ではカセットの収容数に限界があり,収容数の増大が望まれている。
 ところが,カセットの収容数を増大しようとすると収納部が大きくなり,特に高
くなると搬送手段の移動距離が増すので,自動交換能率が低下する心配がある。
 本発明は,カセットの収容数を増大することができ,しかもカセットの交換能率
を低下させることがない情報記録媒体のカセット自動交換装置を提供しようとする
ものである。」(2頁左上欄12行~右上欄4行)
③「(作用)
 本発明によると,収納部の数を増やしたので収納されるカセット数が増し,記録
する情報量を増加させることができる。しかも,これら複数の収納部は回転駆動手
段によって水平面内で回動されることにより,そのうちの1個が選択されて搬送手
段に対向されるようにしたから,設置スペースが大幅に増大することはなく,また
搬送手段の搬送移動距離は従来と同等であってよいので,カセットの自動交換作業
能率を大幅に低下させることはない。」(2頁右上欄19行~左下欄9行)
④「ディスク自動交換装置について説明すると,図において1は,ディ
スク自動交換装置の本体となるケーシングを示し,このケーシング1内には,上記
カセット20を複数個収容する上記収納部2と,この収納部2の下方に設置された上
記カセット20が装填されてこのカセット20内の光ディスク21に対して情報処理を施
す情報処理装置3と,上記収納部2と上記情報処理部3との間で上記カセット20を
搬送して移し換える搬送手段4が設けられている。
 収納部2は,複数の格納箇所,たとえば2個のストッカ5a,5bを備えており,こ
れらストッカ5a,5bはそれぞれ複数のカセット20を各々水平方向にして,かつ互い
の間隔を有して上下方向に積層して収容できるようになっている。
 これらストッカ5a,5bは水平面内で互いに背中合わせとなる状態に配置されてお
り,これらの中央部が回転駆動手段としての旋回モータ6の駆動軸に取付けられて
いる。したがって,これらストッカ5a,5bは上記旋回モータ6により,水平面内で
互いに180°の範囲で回動されるようになっており,いづれか一方のストッカ5a,5b
が搬送手段4に対向するようになっている。」(2頁右下欄5行~3頁左上欄7
行),
⑤「このような実施例によると,2個のストッカ5a,5bにカセット20を
収容するので,従来の1個のストッカの場合に比べて当然,収容されるカセット数
が増し,記録する情報量を増加させることができる。
 しかも,これらストッカ5a,5bは旋回モータ6によって水平面内で回動されるこ
とにより,そのうち1個のストッカ5aまたは,5bが選択されて搬送手段4に対向さ
れるものであるから,設置スペースが大幅に増大することはないとともに,搬送手
段4のキャリッジ9の搬送移動距離,つまり上下方向へに移動範囲は従来と同等で
あってよいので,カセット20の上下方向への搬送時間は従来と同等であり,自動交
換作業効率が大幅に低下することはない。
 また,2個のストッカ5a,5bが略180°旋回されることにより,搬送手段4に対向
しない側のストッカ5aまたは5bは,開閉蓋11と対向するようになり,したがって開
閉蓋11を開くことにより開閉蓋11に向いているストッカに対して,外部からカセッ
トの投入や交換が行なえる。
 従来の場合,ストッカが回転しないから,搬送手段4と反対側となるストッカの背
面側に格別な搬入装置を設け,この搬入装置により外部からカセットを投入したり
交換を行うようにしており,しかもカセットの表裏を反転させるための反転機構も
備えられていたため,搬入装置の構造が複雑となっていた。
 これに対し本実施例では,ストッカが回動されて開閉蓋11側に向くので,作業員
が直接手動でカセットの投入や交換が行なえ,ここに格別な搬入装置を設置する必
要はなく,かつ反転操作も手動で行なえるから反転機構も不要となり,構造が簡単
になる。」(4頁左下欄11行~5頁左上欄4行),
⑥「上記実施例では2個のストッカ5a,5bを用いて互いに180°の範囲で
回動するようにしたが,例えば第6図に他の実施例として示されるように,ストッ
カを4個用いて(5a,5b,5c,5d),互い90°ずつ回動するようにしてもよく,さ
らには3個あるいは5個以上のストッカを使用してもよい。」(5頁左上欄7~
13行)
(イ) 上記の記載①ないし⑥によれば,引用刊行物には,引用発明につい
て,複数の収納部が回転駆動手段によって水平面内で回動されるようにして,その
うちの1個が選択されて搬送手段に対向されるようにしたから,収納部の数を増加
させたにもかかわらず設置スペースが大幅に増大することはなく,また搬送手段の
搬送移動距離は従来と同等であってよいのでカセットの自動交換作業能率を大幅に
低下させることはなく(記載③),ストッカに対するカセットの投入や交換を格別
な搬入装置を用いず手動で行うことで構造が簡単なものとなること(記載⑤)が記
載されているといえる。
ウ 本件各周知文献
(ア) 次に,本件各周知文献の記載事項について検討する。
a審決が周知技術を示す文献として例示する特開昭57-169965号公報
(甲15)には,以下のとおりの記載がある。
「2 特許請求の範囲
1. 両テープ走行方向のための切換え可能なキャプスタン駆動装
置を備えたオートリバース式走行機構を有する小形カセット装置において,中央の
回転の中心(20,216)の周りに共通の1平面内に配置された複数の小形カセット
(1,2,3,4)のための回転台(18,212)を備え,この回転台の回転によって
前記小形カセットを選択可能な順序で,前記走行機構に対置された運転位置へ順次
運動させることができる交換装置が設けられていることを特徴とする小型カセット
装置。
2. 前記交換装置が,カセット装置(10,12)内へ挿入されて解
離可能に係止されるマガジン(14)から成り,かつ,取出し可能に挿入された前記
小形カセット(1,2,3,4)のための回転台として,外部から駆動される回転
板がマガジン内に配置されている特許請求の範囲第1項記載の小形カセット装置」
(1頁左下3行~右下3行)
 この記載,特に「カセット装置(10,12)内へ挿入されて解離可能
に係止されるマガジン(14)」との記載によれば,甲15には,「複数の記録媒体製
品を担持し,担持した前記複数の記録媒体製品と共に前記保管領域に収納されるよ
うに構成され………る………マガジンをオートチェンジャに対して挿入及び取り出
しが可能にすること」が開示されているといえる。
b また,同様に審決が周知技術を示す文献として例示する特開平2-
247859号公報(甲16),特開平3-73459号公報(甲17)でも,その特許請求の範囲
に「装置本体に着脱可能で,………複数個のカセットを配置するためのカセットホ
ルダとを有するマガジン」との記載があり(甲16,甲17とも1頁左下8行~
11行),甲15につき上記(ア)に述べたところと同様に,甲16,17にも,「複数の記
録媒体製品を担持し,担持した前記複数の記録媒体製品と共に前記保管領域に収納
されるように構成され………る………マガジンをオートチェンジャに対して挿入及
び取り出しが可能にすること」が開示されているということができる。
c 本件各周知文献には上記a及びbで引用したとおりの各記載がある
ところからすれば,審決が「複数の記録媒体製品を担持し,担持した前記複数の記
録媒体製品と共に前記保管領域に収納されるように構成され………る………マガジ
ンをオートチェンジャに対して挿入及び取り出しが可能にすること」が周知技術で
あると認定したことに,何らの誤りは認められない。
 また,本件各周知文献から認定できる周知技術は,引用発明と同じ技術分野に属
する上に,記録媒体製品の投入や交換を手動で行うという引用発明と共通の作用を
奏する技術でもあるといえる。したがって,当該技術分野における通常の知識経験
を有する者(当業者)にとって,引用発明のように駆動軸に固定されたストッカに
代えて,周知技術である着脱可能なマガジンという構成を採用することには,十分
な動機付けがあるということができる。
(2) ところで,原告は,取消事由第1点として,引用発明は,装置の大きさを
なるべく大きくせず,かつ,装置の構造を簡単にすることを目的乃至特徴としてい
るところ,このような引用発明に,本件各周知文献に開示されたような,マガジン
を挿入及び取り出し可能な機構を適用するならば,装置のサイズが大きくなるとと
もに,構造が複雑となり,その結果,引用発明の目的を達成することができなくな
ることは明らかであるから,引用発明に,本来の機能を害することとなる挿入及び
取り出し可能な構成を関連付けること自体が当業者が通常想定するところではな
く,また,引用発明の多層構造をなす大規模かつ回転可能なストッカをまるごと着
脱可能にする構成を引用発明に適用しようとするならば,格別な機構を付加するこ
とになり,引用発明の装置の大きさが大きくなってしまうという弊害が生じ,引用
発明の目的に反することとなるから,引用発明のストッカを着脱可能にすることに
対し阻害事由がある旨主張する。
 しかしながら,引用発明に,本件各周知文献に開示された周知技術を適用して,
収納部(引用発明の「ストッカ」)を着脱可能なものとする構成とするに当たっ
て,そのために付加される機構を極力小型化して設置スペースの増大を抑える方法
は種々考えられるから,原告主張のように「設置スペースが大幅に増大する」とは
必ずしもいえない。また,引用刊行物の前記(1)イ(ア)の③及び⑤の記載によれば,
引用発明において設置スペースの増大を抑えるということの意味は,収納部(スト
ッカ)を回動可能な構成としないまま収納するカセットの本数を増やすにはストッ
カの高さを高くしなければならないのに対し,ストッカを回動可能な構成とすれ
ば,例えば2個のストッカを用いて互いに180°の範囲で回動するようにした場合に
は,ストッカの高さを変えずに2倍の本数のカセットを収納できる,ということを
指しているものと解されるから,設置スペースの増大を抑えるという効果はストッ
カを回動自在にしたことによって奏されているものと認められる。そして,回動自
在な収納部の構成として,駆動軸に固定されたストッカに代えて着脱可能なマガジ
ンに置換することによって,収納部を係止するための機構等が多少複雑になるとし
ても,それによって新たに必要とされるスペースは,引用発明の機構全体の大きさ
からから見れば小さなものに過ぎない(引用刊行物の第2図は概念図ではあるが,
ケーシング1の大きさに比べれば,マガジンの係止のための機構を付加することに
よって新たに必要とされるスペースはわずかなものであると考えられる。)。
 また,原告の上記主張は,引用発明のストッカが多層構造をなす大規模なもので
あることを前提としている。確かに,引用刊行物(甲14)の第2図等では10段以上
にも及ぶような多層構造のストッカが図示されているものの,引用刊行物の「特許
請求の範囲」では「情報記憶媒体を収容したカセットをそれぞれ複数個出入自在に
収納する複数の収納部」と記載され(1頁左下欄5行~6行),また,「発明の詳
細な説明」の記載では,「ストッカ5a,5bはそれぞれ複数のカセット20を各々水平
方向にして,かつ互いの間隔を有して上下方向に積層して収納できるようになって
いる」(2頁右下欄16行~19行)と記載されているにとどまり,例えば2段であっ
ても「複数」であるから引用発明に含まれることになる。そして,2段程度の多層
構造を有するに過ぎない収納部であれば,これを装置本体に対して着脱可能かつ回
動可能にするための係止機構を設けることは,当業者にとって困難ではないと認め
られる。
 このように,本件各周知文献記載の技術事項を参酌して,引用発明の収納箇所
(ストッカ5a,5b)を着脱可能なマガジンに置換することとしても,必ずしも原告
が主張するように設置スペースが大幅に増大するものではないと認められる。そし
て,マガジンを着脱可能かつ回動可能な機器本体に係止するための機構を開発する
に当たって格別の創意が必要なものとも認められない。
 したがって,原告の主張する阻害事由が存在するということはできず,その主張
は採用できない。
3 取消事由第2点について
 原告は,取消事由第2点として,本件各周知文献に記載された挿入及び取り出し
可能なマガジンは,マガジンが全体として回転するものではないのに対し,本願発
明のマガジンは,マガジンが全体として回転させられるように構成されているか
ら,両者のマガジンの構成は明確に異なっており,また,本件各周知文献の構成に
おいては,マガジンのケース部に加えて可動式のターンテーブルの挿入・取出し動
作がなされるために,その動作に応答して,そのような可動部分を確実に装置に係
合・解除するための特別な機構が必要になるが,マガジン自体に可動部分を有しな
い本願発明では,そのような機構が不要であるから,本願発明ではマガジンの構成
をより簡単にすることもでき,挿入・取出しされるターンテーブルのような可動体
との係合・解除機構を装置本体側に必要としない分,装置本体の動作の安定性,確
実性の点で優れている旨主張する。
 しかしながら,審決が本件各周知文献を挙げているのは,前記2(1)ウで述べたよ
うに,「複数の記録媒体製品を担持し,担持した前記複数の記録媒体製品と共に前
記保管領域に収納されるように構成され……る……マガジンをオートチェンジャに
対して挿入及び取り出しが可能にすること」が周知技術であることを立証するため
と解される。そして,引用発明の構成のうち,回動可能でかつ駆動軸に固定された
ストッカという構成に着目して,この駆動軸に固定されたストッカを周知技術の着
脱可能なマガジンに置換することにより,着脱可能なマガジンが全体として回動さ
せられるように構成することは,当業者が容易に推考できることであると解され
る。
 また,マガジンが全体として回転させられるように構成することの効果として原
告が主張する,「マガジンの構成をより簡単にすることもでき,挿入/取り出しさ
れるターンテーブルのような可動体との係合/解除機構を装置本体側に必要としな
い分,装置本体の動作の安定性,確実性の点で優れている」点は,その構成から普
通に想定されることに過ぎず,格別なものとはいえない。そして,本願発明では,
マガジンにはターンテーブル等の可動部分がないため,装置本体にマガジンの「可
動体」との係合・解除機能が必要ないというのは確かに原告主張のとおりである
が,その反面,装置本体の側には,マガジンを回転させて転送手段(13)が記録媒
体を収集できるようにするためのターンテーブル(100)が必要とされ,また,マガ
ジンをターンテーブル上の所定の位置まで移動させるための機構が複雑なものとな
っている(本件出願時の明細書〔甲2〕の段落【0035】参照)。そうすると,本願
発明においてはマガジンの構成が簡単になった反面,装置本体の構成が複雑になっ
ているのであり,装置本体の動作の安定性・確実性の面で優れているとは必ずしも
いえないことになる。
 よって,原告の上記主張も,採用の限りでない。
4 取消事由第3点について
 原告は,取消事由第3点として,引用発明のストッカを挿入及び取り出し可能と
するために必要な,モータの駆動軸とストッカの中央部を確実に結合・解除するた
めの特別な機構は,引用刊行物及び本件各周知文献に開示も示唆もされておらず,
そのような機構を引用発明に組み込むことは当業者にとっても容易に想到できるこ
とではない旨主張する。
 しかしながら,本願発明の「特許請求の範囲」には,モータについて「前記マガ
ジン(70,84)を回転させ,それによって前記回転軸(A,B)の周りで前記複数
の記録媒体製品(52)を一体として回転させるための手段」と記載されているにと
どまり,モータの駆動軸とマガジンとを結合・解除するための特別な機構の構成に
ついて何ら記載されているものではない。そして,引用刊行物(甲14)の「特許請
求の範囲」においても,「上記複数の収納部を水平面内で回動させる回転駆動手段
とを具備し」という抽象的な記載がなされているに過ぎず,具体的な回転駆動手段
については特定されていない。したがって,引用発明の固定されたストッカに代え
て着脱可能なマガジンを採用する際に,モータの駆動軸とマガジンを結合・解除す
るための機構について特別の構成が必要とされるものではなく,当業者であれば適
宜実施し得る程度の設計事項に過ぎないというべきである。原告の主張は,前提に
おいて誤りがあり,採用することができない。
5 取消事由第4点について
 原告は,取消事由第4点として,本件各周知文献に記載されたマガジンは,マガ
ジン本体の一方方向からのみアクセス可能な構成であり,また,多層構成ではない
のに対し,本願発明のマガジンは,回転などの操作を伴うことなく少なくとも2つ
の側からアクセス可能であり,また,カセットを多層的に収納する構成である点で
も明確に異なっており,このような構成上及び作用上の明確な相違からしても,本
件各周知文献のマガジンを引用発明の装置に単に適用するだけでは本願発明の構成
をなすことができないことは明らかである旨主張する。
 しかしながら,引用発明のマガジンが「少なくとも2つの側からアクセス可能」
である点は,前記のとおり,審決においては本願発明との一致点の内容として認定
されており,かかる一致点の認定については原告も争わないところである。そし
て,審決は,かかる一致点の認定を前提として,収納部が引用発明では駆動軸に固
定されているのに対して本件発明では着脱可能であるという相違点について,本件
各周知文献に開示された周知技術を参酌して,容易想到性の判断をしているもので
ある。
 そうすると,本件各周知文献から,それぞれの実施例についての記載を抽出した
うえ「甲15~17に記載されたマガジンは,ターンテーブル等をマガジン本体に対し
て回転させることによりマガジン本体の一方方向からのみアクセス可能,すなわ
ち,マガジン本体の一方の側からのみアクセス可能な構成である」構成を取り上
げ,かかる構成が本願発明のマガジンの構成と異なっていることを理由に,本件各
周知文献のマガジンを引用発明の装置に単に適用するだけでは本願発明の構成をな
すことができないとする原告の主張は,審決が前提とする一致点の構成を無視した
ものであるので,採用することができない。
 また,審決は,前記のとおり,本願発明と引用発明との一致点及び相違点を明確
にした上で,相違点に関して,複数の記憶媒体を担持するマガジンをまるごと挿
入・取出し可能にすることは,本件各周知文献に記載されているように本件出願当
時既に周知慣用されている技術であったと認定したうえ,引用発明の固定配置され
たマガジンを保管領域に対し挿入及び取り出し可能なものと置換する程度のことは
容易に想到できると判断しているものである。そして,複数の記録媒体製品を担持
するマガジン単位で交換可能とするという周知技術を引用発明のストッカ5a,5bに
適用した場合に,マガジンが,マガジン本体の2つの側からアクセス可能となり,
カセットを多層的に収納する構成となることは当然であり,そのこと自体が本願発
明の進歩性を基礎付けることにはならないことは明らかである。
6 結語
 以上の次第で,原告が取消事由として主張するところは,いずれも理由がない。
よって,原告の本訴請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとお
り判決する。
  知的財産高等裁判所第2部
  裁判長裁判官   中  野  哲  弘
             裁判官  岡  本     岳
       裁判官 上  田  卓  哉

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