弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人加堂正一の上告理由について。
 被上告人が毎月分の賃料を翌月五日かぎり上告人の住所で取立払とする約定で上
告人に本件土地を賃貸し、昭和三四年九月当時の賃料は月額三七〇〇円であつたと
ころ、被上告人は同年一〇月一日以前に上告人に対し右賃料を月額一万七〇九八円
に増額する旨の意思表示をし、同年一一月五日ころ被上告人の使者が上告人方に取
立に赴いて増額後の金額による同年一〇月分の賃料の支払を請求したが(以下第一
回催告という)、上告人は、その全額の支払を拒絶し、昭和三五年八月三一日に、
同三四年一〇月分から同三五年七月分までの賃料を右増額前の金額によつて弁済の
ため供託したこと、被上告人は昭和三四年中に上告人を相手取つて賃料請求の訴を
提起し、上告人はこれに抗争していたが、その訴訟の係属中の同三八年四月一一日
に、被上告人は上告人に対して同年五月一日以降の賃料を月額三万四一九六円にさ
らに増額する旨の意思表示をしたこと、昭和三九年一〇月七日言い渡された右訴訟
の第一審判決は、(イ)同三四年一二月一日から同三八年四月末日までの賃料を、
右訴訟で上告人が適正額と主張していた額と同額の月額七七七二円と認定し、右期
間の賃料合計三一万八六五二円およびこれに対する同年五月一日以降年五分の割合
による遅延損害金の支払を命じ、(ロ)同日以降の適正賃料を月額一万五五四四円
と認定し、被上告人が同額の賃料債権を有することを確認し、同判決は昭和四〇年
二月一九日被上告人の控訴取下によつて確定したこと、被上告人の代理人は、右訴
訟が控訴審に係属中の昭和三九年一二月二二日に到達した書面をもつて上告人に対
し、右(イ)の賃料三一万八六五二円およびこれに対する遅延損害金ならびに右(
ロ)の月額一万五五四四円による同三八年五月一日以降同三九年一一月末日までの
賃料二九万五三三六円を、五日以内に同代理人の事務所に持参または送金して支払
うよう催告し(以下第二回催告という)、あわせて、右期間内に支払がないときは
賃貸借契約を解除する旨の意思表示をしたこと、以上の事実は原判決(およびその
引用する第一審判決。以下同じ)の適法に確定したところである。
 そして、土地賃貸人が賃料増額請求をしたうえ増額賃料の支払を催告した場合に、
請求額が過大であつても、賃借人は客観的に適正とされる額(昭和四一年七月一日
に借地法一二条二項の改正規定が施行された後の増額請求においては、賃借人の相
当と認める額)を提供する義務を当然に免れるものではないと解されるのにかかわ
らず、上告人は、被上告人の取立による第一回催告に対してその全額の支払を拒絶
したものであるから、少なくとも昭和三四年一〇月分の適正額の賃料については、
第二回催告前にすでに遅滞に陥つていたものと解されること、上告人は、同年一一
月分以後の賃料についても、右支払拒絶の意思を翻えして適正額の支払に協力する
態度を示すことなく、賃料支払請求の訴訟において増額を争い、従前の賃料額のみ
の供託をし、右訴訟の第一審判決において適正額の判断が示されたのちにも同判決
で認容された額の支払に応ずる意思を表明した形跡がないこと、その他原判決認定
の前記事実関係のもとにおいては、被上告人の代理人のした前記第二回催告は、客
観的に適正な賃料とされた金額の催告であることが明らかであり、取立払の約定の
ある本件賃料債務について同代理人の事務所に持参または送金して支払うよう求め
ていても、そのために債務の同一性を害しまたは被上告人において催告期間内に取
立に赴く意思がまつたくないものと解される事実は窺われないのであるから、無効
な催告と解すべきではなく、したがつて、このような催告を受けた上告人としては、
右催告に持参支払を求められていても、従来の経緯に鑑み信義則上、弁済のために
自らなしうる行為として、催告期間内に催告にかかる金額を準備し、少なくとも被
上告人にその旨の通知をして取立を促す等の措置に出るべきものというべく、この
ような措置に出た事実がないかぎり、被上告人があらためて催告期間内に取立に赴
かなくても、上告人は遅滞の責を免れず、解除権の発生を妨げることはできないも
のと解するのが相当である。
 したがつて、右催告期間の徒過によつて被上告人のした契約解除はその効力を生
じたものということができ、原判決認定の事実関係のもとにおいては、被上告人の
解除権の行使を信義則違反または権利濫用として無効と解すべき事由は認められな
いところであつて、原審の判断に所論の違法はなく、論旨は採用することができな
い。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    色   川   幸 太 郎

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