弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を懲役2年に処する。
未決勾留日数中10日をその刑に算入する。
理由
(罪となるべき事実)
 被告人は
第1 人を逮捕して人質にした上,株式会社A名古屋支店の代表者への面会を要求
する目的で,平成15年9月8日午前11時38分ころ,株式会社A名古屋支店代
表Bが看守する名古屋市中区a丁目b番c号Cビル1階所在の同支店に,その南側
入口から侵入した上,同支店1階において,同支店総務チーム受付係D(当時25
歳)に対し,背後からその頸部を左腕で抱え込み,予め用意して右手に持った包丁
(刃体の長さ約16.7センチメートル)をその首筋に突き付けるなどして逮捕
し,そのころから同日午前11時53分ころまでの間,同女を人質にして,同支店
名古屋管理センター長E(当時56歳)らに対し,「社長に会わせろ。この人がど
うなっても良いのか。」「とにかく,名古屋の責任者を呼べ。責任ある人を連れて
きてくれ。」などと語
気鋭く申し向けて同支店代表Bへの面会を要求し,もって,人を逮捕し,これを人
質にして,第三者に対し,義務のない行為をすることを要求した。
第2 業務その他正当な理由による場合でないのに,上記日時場所において,上記
包丁1本を携帯した。
(証拠の標目)(省略)
(法令の適用)(省略)
(量刑の理由)
 本件は,報道機関の代表者に面会して,その報道姿勢につき文句を言おうと考え
た被告人が,その目的を達するために報道機関の従業員を包丁で脅して人質にする
こともやむなしと考え,報道機関の支店に侵入し,受付係の女性に包丁を突きつけ
て逮捕して人質にし,責任者との面会を要求し,その際,正当な理由なく包丁を携
帯した事案である。被告人は,職を転々とし,賭博により多額の負債を抱え,家族
の援助も受けられなくなり,自分の生活を後悔する状況の下で,自らの思想を示す
行動に出ることにより,鬱積した思いを晴らそうとしたものと考えられ,その身勝
手な動機及び経緯に酌むべきものはない。その犯行は計画的であり,被害女性の頸
部を抱えて包丁を突きつけるという危険な態様であって,被害女性の恐怖の程度は
著しく,その後の生
活にも影響を与えている。また,本件犯行は,報道機関を標的として,暴力を手段
として自らの主張を表明しようとしたものであって,被告人自身が,他の右翼活動
家による同種犯行を参考にしているとおり,社会に与える危険は無視できない。す
ると,幸いにして早期に取り押さえられたことにより人質を取った時間が短時間で
あったこと,被告人が,Aに勤務する個人に対しては申し訳ないことをしたとし
て,今後は合法的な方法により自らの主張を表明する旨を述べる等,反省の姿勢を
示していること,被告人の生活の再建のために家族の協力が得られる見込みである
こと,被告人に前科がないこと等,被告人のために酌むべき事情を考慮しても,被
告人に社会内での更生の機会を与えるべき事案とはいえず,被告人を主文のとおり
の刑に処するのを相当
と判断した。
(求刑 懲役3年)
平成15年11月11日
名古屋地方裁判所刑事第2部
裁判官    鈴木芳胤

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