弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
本件控訴を棄却する。1
控訴費用は,控訴人の負担とする。2
事実及び理由
第1控訴の趣旨
原判決を取り消す。1
被控訴人が,控訴人に対し,平成15年6月17日付でした平成9年度から2
平成13年度までのA株式会社に対する貸付けに係る貸付決定票,貸付決定通知書,
担保明細,実行未了案件現在利率一覧表及び実行前貸付条件変更入力済確認票を不
開示とする決定を取り消す。
(略語等は,原則として,原判決に従う。)第2事案の概要
本件は,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成15年法1
律第51号による改正前のもの。)に基づき,控訴人が行った控訴の趣旨2記本法
載の法人文書の開示請求に対し,被控訴人がこれを不開示とする旨の決定をしたた
め,控訴人が被控訴人に対し,同決定の取消しを求める事案である。
原審は,控訴人が開示を求める本件各文書には,いずれも本法5条2号イに2
掲げる不開示情報が記録されているなどとして,控訴人の請求を棄却した。
当裁判所も,控訴人の請求を棄却すべきものと判断した。
法令の定め,前提となる事実,当事者の主張及び争点は,原判決の事実及び3
理由の「第2事案の概要」1から4まで(原判決2頁2行目から同9頁20行目
まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
第3当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の請求は,理由がないと判断する。その理由は,原判決1
の事実及び理由の「第3争点に対する判断」1から3まで(原判決9頁22行目
から同13頁1行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
控訴人は,当審において,本件各文書に本法5条4号柱書及びトに掲げる不2
開示情報が記載されているか否かの点につき,①訴外会社に対する貸付けは,農林
漁業金融公庫法1条2項に規定する目的を逸脱し,大企業に対して緩やかな貸付条
件で多額の融資をした,②訴外会社は,125期及び126期のいずれにおいても,
被控訴人に対して105億円の担保しか提供しておらず,これは200億円を超え
る融資残高の半分にすぎないことから,訴外会社に対する貸付けは,不適切で異常
かつ違法であるから,被控訴人には,本法5条4号柱書の「当該事務又は事業の適
正な遂行」も同号トの「企業経営上の正当な利益」というものは存在しない旨主張
する。
しかし,①については,農林漁業金融公庫法1条2項は,「農林漁業金融公庫は、
前項に記載するもののほか、食品の製造、加工又は流通の事業を営む者に対し、食
品の安定供給の確保に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関が融通するこ
とを困難とするものを融通することを目的とする。」としており,その文言上,い
わゆる大企業に対する融資を禁じていると解釈することはできない。
また,②については,確かに,訴外会社の有価証券報告書(第126期。甲2
8)には,126期注記事項(貸借対照表関係)として,農林漁業金融公庫からの
長期借入金の担保のため有形固定資産のうち建物,土地(約26億円)等約143
億円に抵当権を設定している旨の記載があり,125期の注記事項にもほぼ同様の
記載がある(担保としての提供資産額は約156億円)。しかし,商法施行規則
(平成17年法務省令第4号による改正前のもの)29条により,株式会社におい
て貸借対照表上に記載すべき土地の評価額は,取得価額を付することが認められて
いたのであり,訴外会社の貸借対照表上の土地の評価額は必ずしも時価と一致して
おらず,時価が同評価額を大幅に上回っている可能性も否定できない。また,訴外
会社の有価証券報告書における貸借対照表関係の特記事項に記載されているのは,
訴外会社の所有に係る担保提供資産であり,関連企業あるいは第三者が担保提供し
たものが記載されるわけではない。したがって,上記記載の存在をもって,直ちに,
担保として提供された資産の額が貸付金額を著しく下回っていたと認めることはで
きない。
控訴人は,当審において,その他,本件各文書に記録されている情報が本法5条
2号イ,4号柱書及びトに掲げる不開示情報に該当しないなど縷々主張するが,い
ずれも原審においてした主張を繰り返すものであり,いずれも採用できないことは
既に説示したとおりである。
よって,控訴人の請求は,理由がない。3
第4結論
以上によれば,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却す
ることとして,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第1民事部
裁判長裁判官江見弘武
裁判官植垣勝裕
裁判官村田斉志

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