弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する
         理    由
 弁護人林頼三郎の上告趣意は別紙記載のとおりである。
 同第一について、
 しかし、旧刑訴四〇三条にいわゆる重き刑というのは、判決主文の全体から観察
して、第一審判決よりも実質上被告人に不利益な場合をいうのであることは当裁判
所の判例とするところである(昭和二五年(れ)第四九四号、同年八月九日第二小
法廷判決)。
 そして、被告人のみから控訴した本件において第一審判決が懲役三月及び二年間
右刑の執行を猶予する旨の主刑を言い渡したのに対し、原判決がそれよりも軽い主
刑即ち懲役二月、一年間執行猶予の言渡をしているのであるから、たとえ附加刑た
る没収に代るべき追徴につき原判決が第一審の言い渡した額(百二拾円)よりも多
い額(千五百円)と言い渡したとしても、主文の全体から実質的に観察すれば、何
ら不利益な変更はないと認められる。従つて、論旨は理由がない。
 同第二の(1)について、
 原審公判廷における被告人の供述即ち被告人がAから千五百円を受け取つた事実
に関する供述(記録二七四丁以下)と原判決が証拠とした被告人の警察における供
述即ち司法警察官第二回聴取書第三項記載の供述(記録一一五丁以下)とを対比す
るに、その日時金額においてこそ異るところがあるけれども、被告人が該金員をA
から受け取り、駅員一同とその合宿所において飲食するに至つた顛末及び右飲食代
金の残額から以前に被告人がAに世話した鰊の代金を差し引き拾円五拾銭を同人の
子息を通じて返済した顛末等については、その供述が全く一致しているのであつて、
これを第一審証人Bの証言(記録二二〇丁以下)に照らして考えると、両者は同一
事実に関する供述であると認めることができるばかりでなく、原判決挙示の其の余
の証拠と綜合すれば右金員授受の日時及び金額が昭和二二年十月中金千五百円であ
つたことも原判決認定の如くであると認められる。従つて所論司法警察官聴取書中
の被告人の供述は、判示千五百円を受取つた事実に関するものであることをみとめ
ることができる。所論は採用することは出来ない。
 同第二の(2)について、
 よつて、記録を調べて見るに、原判決には論旨の指摘するが如き虚無の証拠を援
用した違法があるけれども、原判決は「牛馬を輸送するにあたり、貨車の配車その
他輸送上の便宜なる取扱をなしたことに対する謝礼の意味で供与するものなること
の趣旨を知り乍ら」と認定しているだけで、本件金員の贈与が「将来における便宜
の取扱」をも求める趣旨であつたとは認定していないのであるから、前記の違法は
判決に影響を及ぼさないこと明白であり、従つて論旨は理由がない。
 よつて、刑訴施行法二条旧刑訴四四六条に従い、全裁判官一致の意見を以つて、
主文の如く判決する。
 検察官 松本武裕関与
  昭和二六年七月二〇日
     最高裁判所第二小法廷
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
 裁判長裁判官霜山精一は差し支えにつき署名押印することができない。
            裁判官    栗   山       茂

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