弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 被告人の上告趣意について。
 右は、賍物であることの知情がなく無罪であると主張するのであるから、結局事
実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らない。のみならず記録
を調べると、第一審判決挙示の証拠により、右知情のあつたことを認めるに十分で
あるから、被告人の主張は実質においても理由がない。
 弁護人橋本順の上告趣意について。
 所論は、原審がした国選弁護人の選任は控訴趣意書提出期間の経過後であつて、
不当に弁護権の行使を制限し、憲法の保障する資格ある弁護人に依頼できる被告人
の権利を抑圧した違憲の違法があるというのである。
 しかし記録によると、原審は昭和二九年二月一七日を控訴趣意書提出最終日と指
定して被告人に通知し、その後被告人より弁護人の私選なくまた国選弁護人選任の
請求もないまま、被告人より右期間内に控訴趣意書の提出があり、よつて原審は同
年五月一日の公判期日召喚状を被告人に送達し、同年四月二二日弁護人を国選し、
右公判期日には被告人も弁護人も出頭して、弁護人は右被告人の提出した趣意書に
基づいて弁論し、次回期日に判決が宣告された経過であることが認められる。
 以上の如き経過の本件においては、所論国選弁護人の選任が、たとえ控訴趣意書
提出期間の経過後であつても、憲法三七条三項に違反しないことは既に当裁判所大
法廷の判決(昭和二五年(あ)第二一五三号、同二八年四月一日大法廷判決、集七
巻四号七一三頁)の示すとおりであるから、論旨は理由がない。
 なお記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな
い。
 よつて同四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。
 この判決は、弁護人の上告趣意に関する裁判官小谷勝重の少数意見を除き、その
他の裁判官一致の意見によるものである。
 裁判官小谷勝重の少数意見は次のとおりである。
 わたくしは、いわゆる強制弁護の事件については、刑訴一七八条が控訴審に準用
あるものと解する。本件は強制弁護の事件であるのに、原審は右条項所定の手続を
履践していないこと記録上明らかであつて違法である。しかし右違法は所論憲法三
七条三項には違反するものでないことは判示大法廷判例のとおりと考えるが、本件
は被告人において知情の点を否認しておる案件であるから、刑訴四一一条一号によ
り原判決を破棄しなければ著るしく正義に反するものと認められる。以上わたくし
の意見の詳細は判示大法廷判決に付したわたくしの意見(集七巻四号七一九頁以下)
のとおりであるからここに引用する。
  昭和三一年一〇月一九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克

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