弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人石塚与八郎の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。
 被告人Aに関する上告趣意に付て。
第一点、第二点。
  人の記憶が時を経るに従つて漸次薄らぐことは論旨のいう通りである。しかし
初めは自己に不利益なことを包みかくして居たが、後に考へ直ほして事実を告白す
るということも有り得るし、又初めは記憶にある事実の一部のみを陳述し後に詳細
を述べることも無論有り得る。其故一年経過後の供述が初めの供述より詳細である
からといつて、後の供述は強要によるものだと断定することは出来ない。所論公判
廷の自白自体が論旨のいう様に圧制によるものと推断すべき根拠もない。従つて原
審が所論各証拠を採つて事実を認定したことは違法ではない。なお論旨第二点の(
3)では「Aの任意になされたものでない疑のある自白はこれを証拠とすることが
出来ないことは憲法の精神であるから(憲法第三八条、応急措置法二条)これを採
用したのは違法たるを免れない」といつて居るが、右自白を証拠に採つたことに何
等違法と認むべきものの無いことは前説示の通りであり、所論憲法の条文には「強
制、拷問、脅迫による自白は」云々とあり論旨のいう様に「疑ある自白」迄も包含
して居ない。従つて論旨でも「憲法の精神」云々といつて居り敢て裁判所法第一〇
条第一号の主張をするものとは思へないから当小法廷で審判した。
同第三点
  原判決は被告人Aに付き判示事実を認定する証拠として、同人の自白の外相被
告人Bの原審第一回公判調書中の供述記載、同被告人に対する検察事務官の聴取書
中の供述記載等補強証拠たるに充分である証拠を挙示して居るから自白のみによつ
て事実を認定した違法はない。そして判示事実中の一部に対する証拠が自白のみで
あつても憲法違反でないことは当裁判所大法廷の判示する処である(昭和二二年(
れ)第一五三号同二三年六月九日言渡、大法廷判決)。
  被告人両名に関する上告趣意に付て。
  論旨中(二)は要するに原審が他人の暴行の結果について被告人等に責任を負
わせたのは不当だというのであるが原審は本件暴行は被告人等両名と第一審相被告
人C、D両名との共謀によるものと認定したこと判文上明で、其事実は原審挙示の
証拠で認められる、されば被告人以外右第一審相被告人両名との共犯の暴行の結果
について被告人等が共犯者として責任を負うのは当然で論旨は理由がない、同(三)
は要するに原審が傷害の部位、程度の認定の資料として接骨師作成の診断書を採つ
たのは違法だというのであるが、傷害の部位程度の認定には必ずしも専門医の診断
を必要としない、接骨師作成の書面で認定しても違法ではない、要するに其書面の
内容が措信し得べきものなりや否やの問題で、原審の自由心証の範囲に属するもの
である。其他の論旨は原審の事実の認定、若しくは量刑の不当を主張するもので上
告の理由とならない。
 よつて上告を理由なしとし旧刑事訴訟法第四四六条に従つて主文の如く判決する。
 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。
 検察官 長谷川瀏関与
  昭和二四年四月一九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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